ミラン・クンデラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
20年以上前だったと思うが、池澤夏樹さんが書評で激賞していた記憶がある。いつか読んでみようと忘れずにいたんだから、我ながら呆れる。
プールサイドで友人を待つうちに見かけた初老の女性の仕草。そこからアニュスと名付けた女性、そしてその夫、妹、娘たちの物語が始まる。つけられた名前は記号にしか過ぎず、神の目線を感じるばかりなのが、やがて血肉を伴ってくるような印象。著者や友人アヴェナリウスが邂逅する場面などドキリとする。
小説の前半はゲーテと、彼に付き纏い死後の名声を望む女性ベッティーナとの話にかなりのページが割かれる。批評のようであり、ゴッシップのようであるのは著者らしいと云えるのか。
後半に唐突な死が物語れるのもこの人らしい。消えゆくような死こそ、その人の望みだったかとは思うが、何が主題なのか判らなくなった。
永遠にして女性なるもの、と終盤に語られるものが主題だったかというと違うような気もする。
面白い処がそこここにあったんだけど、長すぎたというのが、本音。
池澤さんが褒めていた本と云えば、ロレンス・ダレルの「アレキサンドリア四重奏」。これもいつかは読もねば。