ミラン・クンデラのレビュー一覧
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最初は「軽い男の恋愛と思想の話」だと思って読んでいたけど、読み終える頃には全く違う印象になっていた。
この小説は、人生に「正解」や「答え合わせ」が存在しないことを突きつけてくる。人生は一度きりなので、選ばなかった選択肢と比較することはできない。だからこそ、どの選択も“軽い”とも“重い”とも言い切れない。
トマーシュの軽さは、単なる無責任さではなく、彼なりの原理や論理に裏打ちされたものだった。どこかキリッとした白ワインのような、無駄を削ぎ落とした軽さ。一方で、サビナの軽さはもっと直感的で、過去や意味を切り離していくような軽さで、夏に飲む強めの酒のようにあっけらかんとしている。この二人の軽さは -
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美しい距離(山崎ナオコーラ)でも感じた、一回きりの人生なら確率など問題ではなく、あるかないかの2択でしかないという不思議さ
「Einmal ist Keinmal
一度は数のうちに入らない。一度だけ起こることは、一度も起こらなかったようなものだ。人がただ一つの人生を生きうるとすれば、それは全く生きなかったようなものなのである。」これは本当に共感できる。一回きりしかないものを対象に確率を考えても、実際に起こったことと起こったかもしれないこと、その2種類しかない。
まるでrctをしたかのように正解不正解を語り推論するのはおままごとでしかない。
65偶然が次々と舞い降りて必然の形によみとれる(カッ -
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冒頭からニーチェの「永劫回帰」を持ってくるあたり、クンデラ氏の「自分の世界の様式」を表現し思索し実行している良作である。
永劫回帰から小説の主題である「存在の耐えられない軽さ」へ落とし込み、物語を通して深掘りしていく作品である。
人生も環境も自然も宇宙もあらゆる森羅万象が永遠に永遠に繰り返され、それらを乗り越える勇気(超人)へ至るとニーチェは言う。ニヒリズムではあるが、もう一度、同じ人生を歩みたいかと問う視点と、一度っきりの人生を全て奇跡的な偶然と捉え、その軽さの中で人生を歩みたいかと問う視点の両者の視点が読者をという「存在」という重さと軽さを同時に味わうことができ、深く思索することができるで -
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ネタバレシュール。皮肉的で滑稽でさえある。でも不思議と、充実感のある満ち足りた小説であるように感じた。それまで一見バラバラに進んでいたいくつかの物語が、山場になってドミノ倒しのように連続して影響を与えているのが面白かった。
クンデラ作品は存在の耐えられない軽さに続いて二冊目だが、もしかして作者は尻の穴がとてつもなく好きなのか...!?と困惑している。‘‘おどけ‘‘で、真面目な雰囲気をぶち壊すために入れられているのはもちろん理解しているのだけど、それにしたって、いや、...。ちょっと捉え方に困る。実はエロとみるかギャグなのか私の心が揺れてるだけなんだ。面白い。
スペクタクル、というテーマは現代的だ