木古おうみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
見事な文章と構成。徐々に断片が繋がり全体像が見えてきて物語が加速する。(実際読むペースも上がった)
個人的には第二部「穴水健」の顛末が一番刺さった。なんならここで何も解決せずに終わられても、この後味の悪い余韻に浸りながら納得できるくらい。
この二部の結末もそうだけど、違和感があるところや伏線はきちんとそのように描かれているので三部以降はある程度予想通りではあったが、いくつか「あっ!」と裏切られるポイントもあった。
ところで、ひとまずの結末を迎えた後も意図的に触れられず、捨て置かれたとんでもないものがまだ残っている気がするんですが……
それにしても、冒頭でも述べたように文章が見事。情景、心情と -
Posted by ブクログ
ネタバレ「これは怪談なんだ」というのが1話を読み終えた際の感想。
各話はどれも40ページ前後の短い話だが、単純ではなく軽い捻りもある。体裁は現代風(?)だが、怪談としてちゃんとしているという印象を受けた。
主要登場人物達は特別な力があるわけでもなく、特殊な機関で怪現象をハントして回っているわけでもない。ただ怪異を観察・記録し、その途上で意表を突いたりスリリングな展開を含みながら、謎を残してエピソードが終わる。シーンのところどころに挟まれる何気ない描写も、どことなく気味の悪さを感じさせる細かさで、気のせいなのか伏線なのか(場合によっては読み終えても)わからない怪談特有の空気感がある。
各物語のゲストで