木古おうみのレビュー一覧
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ネタバレそれ(前巻)より時は遡り、20年前。
霊感商法詐欺を働いていた青年、烏有定人(うゆう・さだひと)は警察に捕まるが、連れて来られた先で始まったのは普通の取り調べではなかった。
そこにいたのは、元殺人課の刑事・切間(きるま)と、民俗学の准教授・凌子(りょうこ)。
烏有は「見える」力を持つために目を付けられ、警察の管轄内にある「領怪神犯対策本部」で2人と共に、日本各地の村々で起こる異常な現象に立ち向かうことになるが……。
「対策本部」が「特別調査課」に至るまでに、一体何があったのか?
最終章の驚愕、再び。そして胸を刺す衝撃のラストが待ち受ける。
蓋を押す神。人のために悪いものを押さえつけている -
購入済み
怪談ブームですが…
最近はどこかで聞いたな、読んだことあるなという怪談話や小説ばかりでした。
「こわいでしょ!」と全面に恐怖を出して怖がらせようとする怪談が増えたような気がします。
正直、この小説も期待せずに読みました。
結果、めちゃくちゃ面白かったです。
読みながら部屋を確認してしまうような、窓の光が気になったり、静かな空間が怖かったり。
忍び寄る気持ち悪さのような感覚を久しぶりに味わう事ができました。
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Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ2冊目。
面白かった。
切間さんと烏有君のコンビが、一夏の間に仲良くなっていく姿とか微笑ましかったし。切間さんが烏有君の後々の事を考えて動いて、それに気づいた烏有君が嬉しさとか戸惑いとか感じてそうなのも良かった。
それだけに最後の章はハラハラした。
1冊目の片岸さんと宮木さんはどっちも死ななさそうな感じだったから、そこら辺全く心配なく読んでたけど(六原さんも)、烏有君はともかく切間さんは死にそうでハラハラした。
死ななくてもそれ以上悪い目に遭いそうな、薄幸そうな感じなんだよなぁ。
後、宮木さんの父親が切間さんだと判った時に、最初に出て来た切間さん=烏有君と分ったから、それもあってハラハ -
Posted by ブクログ
ネタバレ怖かった…。今までホラー色々読んできたけど、ダントツに嫌な怪異。
自分がどんどんケガレに侵食されていって、でも周りの人達は侵食された状態の自分(ケガレ)を好きになって、侵食される前の自我も残った状態でこの現象をまざまざと見せつけてくる。
こんなの絶望するじゃん。オレだったら確実に心折れちゃうよ…。
「今の方が全然いいよ」って言われて穴水くんが絶望するシーンあるけど、自分もこういう事気軽に言ってしまう事あるかもなって、ハッとさせられました。
P240の「きづかないでくれてありがとうね」で背筋ゾワッてなった。なんて残酷な事を言うんだ。マジでイヤな怪異。
欲を言えば、物語の牽引力と疾走感が -
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「屋敷神秘文、慎み白す」
いや〜ん、かっこいい♡
というわけで、最近だいぶやられている木古おうみさんの『ヤシキガミ団地調査録』でございますよ
はいはい、まずあれよねヤシキガミってなんやなん!からよね
氏神、内神、地神、荒神、祝神とも呼ばれ、その家、屋敷や周辺の土地を守る守り神のことで、屋敷の片隅や付属する土地に祀られている存在のことを「屋敷神」と言うんですな
そしてこの「屋敷神」が村社会の崩壊により、次第に忘れさられた存在となったことに怒り、基本「人を守っている」んだけど…違う一面から見ると囚われているだけっていう
そういう建物を「ヤシキガミ団地」と呼んでいるわけです
そして、そん -
購入済み
人智を超えたモノたち
「神」と呼んで良いものなのかも解らないモノに挑む片岸と宮木の一応公務員の二人。
通常では理解もできない事件を調査し、可能ならば解決という事だがまあそう簡単にはいかないわけで...。
『領怪神犯』とは良くいったものだと思います。登場する怪異はどれもブッ飛んでいますが、一話目の空から体の一部が降ってくる話が物語の全てを表している気がして一番好きです。
きれいに解決できている事はほぼ無いのですが、それがまたある意味リアル。
片岸も宮木もトラウマを抱えつつ前へ進み、どうやらこの世界線ではこちら側とは色々と違うみたいだぞ...とほどよい謎を含めて終わりますので次の巻を読み進めたくなります。 -
Posted by ブクログ
出淵恭二にいたのは死んだ祖母と幼い頃に自分を迎えに来ると言ったきりの兄。ひとりぼっちの恭二は怪しさしかないバイトに手を出し、生き埋めにされる。そんな恭二を助けたのは身に覚えのない兄と姉だった。
つねに余裕があり豪快な祖父・六郎、微笑を浮かべる中国籍の祖母・七子、四角四面な元警官の父・四朗、冷たく厳しく冷たい母・五樹、顔色が悪く謎めいた長男・柊一、上から目線で偉そうな長女・三沙、イキがってて反抗的な言動の次男・恭二。最初の平坂家の印象だ。
物語が進み、偽葬というものが分かってくるにつれ、家族の印象は徐々に変わってくる。この性格なのにはこんな背景があるんだと読み手も想像しやすい。1冊目なので1話1