木原浩勝のレビュー一覧
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ネタバレ「天空の城ラピュタ」で制作進行を務めた著者の、ジブリ入社前からラピュタ完成までの回顧録。
当時は現在のようにデジタル化されていなかったため、宮崎監督が作成した絵コンテを元に、レイアウト、原画、動画を人の手で作っていた。それゆえに膨大な工数がかかり、開始直後から常に納期との闘い。
特に各部門の橋渡し的な役割である制作担当は、制作の遅れを取り戻すために自分の時間を削ってスケジュール調整を行うため、最も過酷と言われているらしい。著者も昼夜関係なくスタジオにこもり、命を削って仕事をしたとのこと。
今の感覚では、体育会系でブラック企業だと言われてしまいそうだけど、当時の創設されたばかりのスタジオジブ -
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ネタバレ白血病で死んでしまった息子と生前交わした約束。それは、死んだ後も自分という存在があり、死後も世界の続きがあると証明するというもの。そしてある日、私は息子の仏壇である光景を目にしたのです。
こちらの本は怖い!というより、二巻の様に不思議な話だったり、優しいような、感動するような話が多い。このシリーズは交互に怖い巻、不思議で感動する話という風に調節しているのだろうか?怖かったのは「関西の女」。家賃が破格の安アパートには何かいわくありげだがそこに出る、女が非常に謎深き。といったところ。何があったのか、語り手が調べていないので、真相は闇のなかだが語り手の男が酔っ払っていることに起因しているよう -
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ネタバレ夜になると蔵の中から宴会の声が聞こえてくることに気がつく。母にその事を話すと、一緒に見に行ってくれると約束してくれた。約束通り蔵を見に行くとそこには誰もおらず、ただ、荷物があるばかりだったが……?
前作に比べ、怖い話もあるが、後半は感動話のようなものが多くあり、やや物足りない印象。前作はただひたすらに怖かったので少し残念。その中でも怖いのはいくつかあり、おすすめは「凶宅」と本書タイトルの「蔵の中」。 「凶宅」は家自体がそうなのか、それとも家に住まうものの仕業なのか……。「蔵の中」は子供だけに訪れる不思議な体験かな?と思っていたが、思っていたよりずっと怖かった。語り手が子供のころの感性 -
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実話怪談シリーズ『新耳袋』の第一作。
初単行本は1990年に扶桑社から。その後1998年にメディアファクトリーから改訂され再刊、2002年に角川文庫で文庫化。
体験談をほぼそのまま書く、というスタイルで、著者の考察や、怖がらせようという演出はほとんど無し。
リアル過ぎるあまり、心霊スポットに行ったが、怖くてすぐに帰った、という話もあり、内容説明にあるような“怖い話”は、自分には見当たらなかったですね。怪談イコール怖い話ではない、という証明のような体験談集となっています。
全てごく短い話で、文庫本1ページで終わってしまう話もあり、全ての話が関心を持つ前に終わる、という感じで、自分的には印象に残 -