末次由紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ここ2巻ほど、なんだか今までと感触が違い、今一つ引き込まれなくて戸惑っていた。
それまでの巻は、面白すぎて思わずすぐ読み返さずにはいられなかったのに、一度読むだけになってしまった。
どうしてなのだろう・・・答えはこの巻にあった。
殻を破ってその先へ!
登場人物に言わせているそのままに、作者自身が手探りでさらに一段上に進もうとしている。
これほどの人気作で確固とした地位を築いたその作品の中で、作り上げたある種の予定調和を壊していく。
安定に慣れた読者に反発を受けることを覚悟して。
そんな作者の姿勢が垣間見えた時、なによりその決意に感動した。
そして、ものを作る人間としての理想的な姿を体現された