大和和紀のレビュー一覧
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ネタバレ少女期の斎藤ふく(のちの春日局)が不美人に描かれていて...実際そうだったの??
ふくは幼いとき於通と出会っている。(1巻)
父親の斎藤利三が処刑される場で泣きわめいているところ、於通からお手製の花染めの手巾をもらったのだ。
それからは、ずっと心の慰めの品となり、於通を憧れのお姉さんとして、いつしか再会したいと想うのであった。
於通の源氏物語の講義中に、ふくは水簿らしい身なりで自分も受けさせて欲しいと願い出る。
そんなハングリー精神は立派。
綺麗な身なりの女御さんたちに睨まれようが、そんなこと御構い無し。
武家の男子が学ぶ儒学も習得したいとは、この時代にしては頭の中が男子化しているニュー -
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信長、秀吉、家康といった歴代の天下人にも一目置かれる女流書家「小野於通(おの の おつう)」の生涯も半生か。
家康の側室…というよりは、参謀・側近として活躍した才媛「阿茶局(あちゃのつぼね)」や、於通の書の弟子、江(浅井長政・三女)の長女「豊臣 完子(とよとみ さだこ)」など、歴史の表舞台にはあまり登場しない女性の姿が詳しく描かれており、じつに良い。
ちなみに豊臣 完子は、五摂家のひとつ九条家に嫁ぎ、その遠い子孫である「九条 節子(くじょう さだこ)」は、大正天皇の皇后である。
そして、完子の父は、三好秀勝(秀吉の甥。秀次の弟)であり、母方の祖母(浅井長政の妻)は、信長の妹、お市の方である -
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ネタバレ於通さん離縁となってしまいました。
しかし、夫の志摩守殿とは、なんとか円満に別れることができて、短い結婚生活に終止符を打つことに。
もとの穏やかな生活に戻れることが出来てよかった。
その後は、女御さまの書の教授となったり、秀吉の正室の北政所 於ねさまの祐筆(礼状や見舞いの文の代筆)を頼まれる。
側室の茶々さまや松の丸さまには、書を指導したり、女官たちには、「源氏物語」の講義をしたりと、京と大阪城を行き来する生活へと充実している。
自身のポリシーを持ち、師匠の九条種道から独り立ちして、おのれの書流を築き上げ、引っ張りだこに。
『書は人、それ自体が生きもの。ひと文字ひと文字に書き手の品格の高 -
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すべてのはじまりの物語
所詮源氏も藤壺も紫の上も桐壺帝と更衣のイミテーションに過ぎない
もしかしてあのまま桐壺帝が更衣を忘れて藤壺を捨て置いたのなら源氏も、一番の被害者である紫の上の未来も、ひいては過去の因果応報によって産まれた宇治十帖の主人公である薫の人生ですら明るかったのかもしれない
それを感じ取っていたからこそ桐壺帝は源氏と藤壺の不義を黙認したのかな
けれどさすがは千年も現存する『源氏物語』
あの当時『更級日記』でも書かれているようにみんなが夢中になるのがわかる
そしてそれをわかりやすく原作ほぼそのままに描いてくださった大和先生に感謝を