石田夏穂のレビュー一覧
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ボディビルの大会に出場することになって、
筋トレの沼にはまっていく女性の物語。
私も筋トレ歴は長いのですが、
女性の大会については全く知識がありませんでした。
「筋肉とは関係のない部分も評価の対象となる」
ことが暗黙の前提になっていること。
ここに
男女でのボディビル観というか、
女性へのバイアスというか、
男女問わず客観的な『美』に対する価値観というか…。
「昔の(クラシカルな)美意識」を感じてしまう描写が、
作品のあらゆるところにちりばめられています。
そして、そんな世界に
終盤に行くにつれて、主人公が向き合っていく。
筋トレを始めたきっかけを
「美しくなる」とか「ダイエットをする」な -
Posted by ブクログ
建設現場の安全衛生管理という一般人にはまったく見えない世界を舞台にした職業小説。
もちろんデフォルメはされているのだろうが、多重下請、人手不足、コンプライアンスと作業進捗のコンフリクトなど、建設業界の構造的問題を分からせてくれるリアリティがある。
その構造問題にスパッとメスをしれるのでもなく、モヤっとしたまま後味があまりスッキリしないのもまたリアル。
職人としてのプロフェッショナリズムが描かれるかというとそうでもなく、やっぱり「誰にでもできる仕事」なのかなあ、という印象だけが残る。
フィジカルもメンタルもキツそうではあるが。
池井戸潤的なわかりやすい勧善懲悪が読みたいわけではないけど、作 -
Posted by ブクログ
ネタバレ趣味のボディビルに精を出す主人公の会社生活を主軸に、ボディービルディングにおけるボディメイク(筋肉と体脂肪)と、職場におけるチームメイク(仕事の出来るやつと出来ないやつ)を重ね展開される作品。トレーニングを重ねて体脂肪率を下げていく=怠惰な同僚や気の利かない事務の女性を切ってスリムなチームを目指していくことであり、そこに達成感を覚える主人公の後藤。本番に向けて身体を絞っていく過程で立ちはだかる様々な困難を乗り越えて最終的に臨んだ計量では、逆に階級の下限を下回り失格になるという結末。身体でも組織でも、多少の体脂肪は必要というメタファーか。
帯には「朝井リョウ絶賛」「爆笑と感嘆」の文字が躍り期待さ -
Posted by ブクログ
ネタバレAudibleで楽しみました。
体脂肪率が高いために出張禁止を告げられたユカリ。出張に行くために、窮屈な日本(本社)を抜け出すためにジムに通い始めます。
本社の面倒臭い慣習に心底うんざりしながらも、ユーモラスに語るユカリがなんだか嫌いになれなかった。かなり強めの言葉で皮肉っていたりするのに、ずーんと悲しい気持ちになったりユカリと一緒になって怒ったりする気にはならず、不思議とくすっと笑ってしまう。気が付くと「分かる分かる、そういう人いるよね」と共感し、お互い頑張ろう、と勝手に心の中でユカリと拳を突き合わせたりなどしていた。ユカリが、ジムでたまたま拾った指輪を身につけるまでは。
他人との共通項 -
Posted by ブクログ
自分が筋トレをやりだした時に読み始めたから、主人公がストイックに鍛えているのを感じてウキウキ湧き立つような気持ちで読みはじめた。
最初は同じジムのS子の事が気になりストーカーのようにインスタとかを見ていた主人公が、物語が進むに連れ自分を鍛えるということに集中しだすと周りの雑音はどうでもよくなり自分にフォーカスしていくようになり、私もそうなりたいなぁと思った。
あとボディビルの審査基準が女性の場合は女らしさも必要とされるとあるが、その審査基準でさえ医療的な物を利用してクリアしていってもOKだけどやりすぎだったりすると基準違反だとか、曖昧でかつ人それぞれの価値基準である事のモヤっとする気持ちは特に -
Posted by ブクログ
ネタバレ理系の男性が多く就職するような、男女日が9:1の、時代に追いつけていない化学企業の新卒採用の話。
主人公は、「女性」という理由で難癖をつけられ、自分がやりたい仕事から人事部へと移動させられた。
そんな進むべき「前(志をもって進むべき目的)」を奪われた主人公は、採用担当としての権利を活かし、会社を徐々に崩壊させる復讐を、新しい「前」に設定する。
それは、「顔の黄金比」のみで学生を選対すること。
顔の黄金比のいい学生は、離職率が高く、会社にいつまで経ってものさばるような「凡人」にはなる確率が低いからだ。
複数の基準を持って人間を総合的に評価する「新卒一括採用」とは、全くの矛盾の行動だが、そ