今日マチ子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
病気療養中に自分と向き合う話でした。
勝手に想像してたものとは違ったけれど、がむしゃらしてたなら一旦立ち止まってみる時間は必要なのかも、と思えた良い本でした。
生活の保障はあるのでこの方法を100%取り入れるのは難しいけれど、淹れたお茶を温かいうちに飲む、というのはこんなに忙しくなくてもやってないな…と思ったので意識してみます。
独身なので会社の女の子たちのモヤモヤもわからなくはない。それを言っちゃあ終いだ…持ちつ持たれつでやってこう、となります。お互い様だ。
わたしは今日マチ子さんの絵はカラーで見たいんだなぁと思いました。自分にびっくりです。 -
Posted by ブクログ
☆2.5 徹底的な男性性の排除でのきらきらは過剰すぎやしないか
『編集とは何か。』(星海社新書)に、「cocoon」の秋田書店の担当編集者だった金城小百合へのインタヴューが載ってゐる。
金城といふ苗字のとほり、沖縄のかた。
インタヴューによると、当時まだ20代の若手だった今日マチ子は、ひめゆり学徒隊の話を引き受けるのに躊躇した。しかし金城が作家の描く描かないの決意表明のまへに、先に沖縄につれていって取材をさせ、金城の叔父の家に泊めて、もてなしもした。
つまり、編集者が「引き返せない」やりかたまでさせた作品なのだ。
そしてこの「cocoon」が、今後の作者の方向性を決定させもした。
それが気になって読んでみた。
この話は、今日マチ子のあとがきにあるとほり《時代も場所もあやふやな、夢のなかで再生される戦争の話です。》が正確だとおもふ。
どことなく少女どうしの強い結束感がありながら、戦中のグロテスクさが遍在してゐる。
しかし戦中とはおもへぬ、妙に透明で乾いたタッチにきらきらがある。作者が女性であり、かつ絵の非写実的なタッチもそれをふくらませてゐる。そしてその、どこかハードボイルドのタッチの少女世界が、ふいにあらはれるグロテスクさをきはだたせる。
この印象に残る艶っぽさは、どうやら、少女しかゐない世界にあらはれた、東京からの器量よしの転校生・マユの存在と、そして蚕の繭=ガマに代表される少女的な空想メタファー(マユといふ名前もさうだ)が大きい。そして、マユといふ自律した存在の恢復役、または頼り頼られといった関係は、どこか百合のやうに見えなくもなかった。(真相は異なるが。)
私には、いくらかきらきらが誇張されてゐるやうに感じるこの作品の少女世界が、実際に沖縄で経験されたことなのか、わからなかった。
当時の男性的な戦争のさしせまる終局に、それも人間性すら木端微塵に破壊されうる緊迫に、こんな空想する余裕が、しかも少女性がはたして残ってゐたのか? それとも空想しかできぬほど追ひ詰められてゐたのか?
この作品の主人公・サンは後者だ。グロテスクさも、まるでどこかファンタジー上のグロテスクさのやうな……
さらにマユのやうに自律して正気を保ち、自決からも逃れる人間が当時実際ゐたのか? 現在の価値観をもった作者によって設定されたキャラクターと感じなくもない。
乾いた筆致は少女の空想のうちでとまって、つきぬけなかった。いはば空想もまじへて追体験させる物語が、どれだけ実際であるか? 作者が体験したものでない以上、これが現実と地続きなのか、あやうさがつねにつきまとってゐた。
それはなかばフィクションであるゆゑの問題でもあるのだ。
やはり《夢のなかで再生される戦争の話》といふのが適当なところだらう。
私がこれを読んで思ひ出すのは、メタファーにたいするスーザン・ソンタグの決意表明である。ソンタグは大江健三郎との往復書簡でも、大江の用ゐたメタファーを批判した(『暴力に逆らって書く』朝日文庫)。
それは、危機的状況のなかでみづからメタファーに陥ることなく、むしろメタファーに抵抗する姿勢そのものだった。
そして私も、できるならばさうありたいと希求するのだ。 -
Posted by ブクログ
★今晩、晴れるといいな(p.202)
(一)友人の那彩(なさ)に引っ張られるように天文部に入った中学一年の千春はそこはかとない疎外感を覚えつつも少しずつ部の雰囲気に馴染んでゆく。
(二)三年の無口な片瀬先輩にどう対応していけばよいか悩んでいる間にいつの間にか惹かれていた。
(三)夏合宿、文化祭、流星群観察などを通じてほろせつない一年生の四季をあっさり描く。
■簡単なメモ■(★は主要語)
【一行目】 地球から一番近い星は、月だ。近いといっても、三十八万キロメートルも離れている。地球一周は四万キロだから、九周半ぶんになる。
【宇ノ島/うのしま】北中セミナーハウスがある。
【屋上】校舎の屋上は原則生徒の立ち入り禁止だが天文部の部員だけ部室のある西校舎の屋上に出て観測してもよいことになっている。
【北中学】千春たちが通う。市立中学。東校舎と南校舎と西校舎のみっつがコの字型に並んでいるが校舎どうしをつなぐ廊下は一階にしかない。
【北中セミナーハウス】宇ノ島に卒業生から寄贈された北中セミナーハウスがある。元は別荘だった。迫力があって夜には何か出そう。天文部の合宿が行われる。書道部が使ったあとはきれいだが、演劇部が使った後だとひどい状態らしい。
【片瀬暁彦/かたせ・あきひこ】天文部の先輩。とても無口だがそこはかとなく表情に変化はある。千春には気になる先輩ではあるようだ。星に関心を抱くようになったきっかけは二階堂くんで千春における那彩と似たような感じ。
【ゴルゴ】天文部の二年生。名前はオンラインゲームのハンドルネーム。
【紗希/さき】小学校での友人。中学は女子中でバレーボール部に入った。
【俊太/しゅんた】小学五年生のとき少しだけ親しかった。モテるタイプのようだ。卒業後は疎遠。
【千春/ちはる】主人公。長谷川千春。一人っ子。北中学の一年生。天文部はとても居心地いいのだけど一人だけ知識や関心が薄いのでときおり取り残される。
【ツム】天文部の二年生。名前はオンラインゲームのハンドルネーム。
【天文部】北中学の天文部は、三年男子二人、二年生は男女二人ずつ四人、一年生が二人の全八人。二年生の四人は漫画部も兼任しており天文関係の漫画・アニメを研究している。
【那彩/なさ】藤沢那彩。千春の同級生。父親の影響で星好きだった。弟が(たぶん)三人いる。
【二階堂直紀/にかいどう・なおき】天文部の先輩。誰に対してもですます調。「熱い」が口ぐせ。五歳の誕生日に望遠鏡をもらって星に興味が出た。
【葉山/はやま】天文部の顧問。理科教諭でいつも白衣。夫も教師で県内の私立高校体育教師。
【星に願いを】《ひょっとして、具体的な願い事が浮かばないのは、今この瞬間が満ち足りているからだろうか。》p.163
【マイマイ】天文部の二年生。名前はオンラインゲームのハンドルネーム。アルビレオ(はくちょう座の頭)が推し。
【モアイ】天文部の二年生。名前はオンラインゲームのハンドルネーム。
【わかっていません】県立科学館のプラネタリウムの太陽系惑星ツアーのプログラムの解説で連呼される言葉。宇宙にはまだ謎ばかり。
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