フランクハーバートのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本日10/15より映画公開の「DUNE/デューン 砂の惑星」原作小説第二部。激動の第一部ラストから母親との逃亡劇、フレメンとの出会い、そして溶け込むまでの顛末。ニュータイプかよと思うほど覚醒しまくる主人公に草。父親からは公爵のポジションを受け継ぎ、母親からはベネ・ゲセリットから通じる認識力の拡大を得るなど、アニメにありそうなサラブレッド的俺TUEE系な展開。しかしお母さんもメッチャ強くてさらに草。フレメンの厳しくも独特な文化との触れ合い、少しずつ明らかになっていく香料と蟲の秘密。憎たらしさを増していく男爵側の連中や、予定調和的に現れた恋人などが物語を盛り上げる。時間移動こそしないが、昨今のタイムリープものを思わせるパラレルワールドの分岐路を意識した主人公の内面世界は、書かれた時期を考えると興味深い。
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Posted by ブクログ
1965年刊。ヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞作品。明日10/15からの映画公開にあわせて読み始めた。砂漠を滑走する巨大な蟲と飛び交う小型飛行機、帝国の支配と土着の民族、そして救世主伝説。どっかで見たぞこの世界観……でもこっちの方がずっと古い小説。読んでいる感覚はSFというより歴史ものファンタジーな感じ。とにかく設定が作り込まれていて圧倒される。1984年のデイヴィッド・リンチ監督の映画版を先に視聴していたので、物語にすんなり入っていけた。原作を読むと、あの映画は再現度が高く、よくできていたことがことがわかる。世の映画ファンにどう評価されているのかは知らないが。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新しいDUNEはどうだろうか?期待が高まる。
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Posted by ブクログ
SF好きにはオススメ。
上巻は、ファンタジーには欠かせない世界観や用語の説明などイントロが長かったが、終盤は展開も早く、どんどん読み進めたくなる。
ファンタジーのワクワクする高揚感だけでなく、ストーリーにおいて"香料"をめぐる経済、貴族とその地の民族との関係性や政治などの要素が濃いことから、与えられた条件、環境下でどのような選択をしていくのが良いのか?どのように危機に対処していくのか?を主人公と一緒に考えていける面白さもある。
また、砂漠を舞台にしていて、中東に興味がある身としてはところどころアラビア語?ペルシャ語?由来の言葉が使われているところも親近感を得られた。
(蛇足: 悪側のウラディーミル・ハルコンネンの名前から、プーチンの顔がチラついて、そこだけファンタジーの世界にひたれない)
全部読み終わったら作者がどのような時代に何に着想を得たのかを調べても面白そうだと思った。
"SFの金字塔"と言われるこのクラシックな作品が近く映画で公開されるので、それも楽しみ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ下巻まで読むと、俯瞰的な視点からこの世界観を捉えられるようになってきた感触があり、同時にどこか既視感を覚えた。この既視感の正体を考えてみると、SF映画『アバター』を観たときに感じたものに近い。
両作品の類似点としては、舞台となる惑星でしか得られない資源を巡る争いに、その惑星特有の部族が大きな鍵を握っているところだと思う。
一方で、両者には対比もある。『アバター』は生態系に多様性があり、惑星そのものが持つ資源や環境の問題に、より強く目線が向けられている。それに対して『デューン』のアラキスには生態系の多様性こそ少ないものの、その分、メランジという資源を巡る政治的な駆け引きがより際立っていた印象を受けた。
SFというジャンルは、舞台となる世界観そのものが物語を形作っていく部分が大きいと思っている。その中でも『デューン』は、設定の奥行きが非常に深い作品だと感じた。
作中で断片的に仄めかされる歴史や、この世界に至るまでの背景がしっかりと存在しているからこそ、目の前で展開される本筋の物語にも厚みが感じられ、より楽しむことができた。このように、本筋とは直接関係しない背景や設定まで時間をかけて描写できるのが、小説という媒体の強みなのだと思う。 -
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壮大なファンタジーの世界にどっぷり浸かることができた。反撃から決着までは思いの外あっさりしていたのでスッと終わった感もあるのだが、これはこれで良いかなと。
附録にも記載のある通り、本作はヒーローSF物語であると同時に、民族間における宗教の違いもニュアンスとして含んでいる。ヒーロー物語としては、主人公の絶望から覚醒、反撃の狼煙をあげて勝利を掴み取るまでのサクセスストーリーとして十二分に楽しむことができる。生態系SF、というジャンルの確立という意味でも、砂蟲やフレメンの生態、生命の循環サイクルなど世界観の造り込みが丁寧で面白い。
聖書の引用で自明と言えるキリスト教をはじめ、イスラムや仏教、ヒンドゥ教など様々な宗教価値観を絡め合わせて煮詰めたような宗教観。未来系ファンタジーは何でもありと思いつつ、ちゃんとした裏付け…らしきものがあっての世界だからこそ人を惹きつけ、ある意味で納得感のあるストーリーになると思う。そういう意味でも本書のストーリーは面白く、数々の賞を受賞してきたことも納得である。 -
Posted by ブクログ
ネタバレポール・アトレイデスの一代記は、前作「砂漠の救世主」で完結した、と思っていました。
この「デューン」シリーズ3作目である本作を読んで最も驚いたのは、ポールが生きていたこと。
そして、最も心に沁みたのは、敗残者として描かれていること。
ポールとチェイニーの遺児・双子のレトとガニーマは姿はまだ子供ながら大人を遥かに凌駕する知性と、クイサッツ・ハデラッハたるポールの子として、過去の祖先全ての記憶を胎内にいた頃から有していました。
それが故に、周囲から畏怖されると同時に恐怖され、自我を支配しようとする過去の祖先たちの”声”とも闘い続け、その闘いに勝った二人が得たものは、正直言って誰がどう見ても恐ろしいビジョンにしか見えない計画の始動でした。
同様の能力を持つ叔母にして摂政のアリアは、祖先の”声”に自我を支配されてしまい、「忌み子」と化して暴政の限りを尽くしますが、夫ダンカン・アイダホの死を知って泣きじゃくることで自我を取り戻し、これ以上の暴走を止めるべく、宮殿の窓から飛び降りて自害。ベネ・ゲセリットの祖母ジェシカは、政治的意図を持って各勢力に近づき権謀術数を弄しますが、最終的に双子の意図を読み解くことはできず、双子の計画に飲み込まれていくことになります。
そして、ポールは自分の息子であるレトから、「未来の責任を背負う覚悟がなく、計画を実施する前に逃げ出した敗残者」と指摘され、かつて自らが君臨していた宮殿の前で、無惨な死を遂げます。
ポールは英雄でも名君でもなく、ただの中途半端な覚醒者に過ぎなかった、という残酷な結末。
どこにでもある英雄物語にはしたくなかった、という原作者の意思を強く感じます。
物語のラストシーン、皇帝に即位して自己の長期政権を維持することを猛々しく宣言するレト。その背後には、暗澹たる未来しか見えてきません。
「デューン」シリーズはこの後も続きますが、どんどん重たくなっていくんだろうなぁ・・・ということが明らかな幕切れです。ガニーマの方の未来が気になります。この後の作品が新訳版で出るかどうかわかりませんが、この先も読み続けるか、うーん悩むところだなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレデューン三部作完結編。レトは未来視の能力を駆使し、行き着くべき未来へと向かって行動を続ける。
これって、攻略本でこの先の展開とストーリーがすべてわかった状態でゲームするのと同じだ。要所要所でプレイヤーが努力する必要はあるものの、その先の展開はわかっている状態。レトもチートキャラ化するし、なんか、攻略本持って、キャラの性能書き換えてゲームやっている気分になる。
最終的には大団円を迎えるのだが、フランク・ハーバートが神権政治、というより神政治を解として示したのはちょっと意外。第二部では英雄を崇拝することの危険性が描かれていたのに。