フランクハーバートのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1965年刊。ヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞作品。明日10/15からの映画公開にあわせて読み始めた。砂漠を滑走する巨大な蟲と飛び交う小型飛行機、帝国の支配と土着の民族、そして救世主伝説。どっかで見たぞこの世界観……でもこっちの方がずっと古い小説。読んでいる感覚はSFというより歴史ものファンタジーな感じ。とにかく設定が作り込まれていて圧倒される。1984年のデイヴィッド・リンチ監督の映画版を先に視聴していたので、物語にすんなり入っていけた。原作を読むと、あの映画は再現度が高く、よくできていたことがことがわかる。世の映画ファンにどう評価されているのかは知らないが。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新しいDU
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Posted by ブクログ
SF好きにはオススメ。
上巻は、ファンタジーには欠かせない世界観や用語の説明などイントロが長かったが、終盤は展開も早く、どんどん読み進めたくなる。
ファンタジーのワクワクする高揚感だけでなく、ストーリーにおいて"香料"をめぐる経済、貴族とその地の民族との関係性や政治などの要素が濃いことから、与えられた条件、環境下でどのような選択をしていくのが良いのか?どのように危機に対処していくのか?を主人公と一緒に考えていける面白さもある。
また、砂漠を舞台にしていて、中東に興味がある身としてはところどころアラビア語?ペルシャ語?由来の言葉が使われているところも親近感を得られた。
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Posted by ブクログ
壮大なファンタジーの世界にどっぷり浸かることができた。反撃から決着までは思いの外あっさりしていたのでスッと終わった感もあるのだが、これはこれで良いかなと。
附録にも記載のある通り、本作はヒーローSF物語であると同時に、民族間における宗教の違いもニュアンスとして含んでいる。ヒーロー物語としては、主人公の絶望から覚醒、反撃の狼煙をあげて勝利を掴み取るまでのサクセスストーリーとして十二分に楽しむことができる。生態系SF、というジャンルの確立という意味でも、砂蟲やフレメンの生態、生命の循環サイクルなど世界観の造り込みが丁寧で面白い。
聖書の引用で自明と言えるキリスト教をはじめ、イスラムや仏教、ヒンド -
Posted by ブクログ
ネタバレポール・アトレイデスの一代記は、前作「砂漠の救世主」で完結した、と思っていました。
この「デューン」シリーズ3作目である本作を読んで最も驚いたのは、ポールが生きていたこと。
そして、最も心に沁みたのは、敗残者として描かれていること。
ポールとチェイニーの遺児・双子のレトとガニーマは姿はまだ子供ながら大人を遥かに凌駕する知性と、クイサッツ・ハデラッハたるポールの子として、過去の祖先全ての記憶を胎内にいた頃から有していました。
それが故に、周囲から畏怖されると同時に恐怖され、自我を支配しようとする過去の祖先たちの”声”とも闘い続け、その闘いに勝った二人が得たものは、正直言って誰がどう見ても恐ろし -
Posted by ブクログ
ネタバレデューン三部作完結編。レトは未来視の能力を駆使し、行き着くべき未来へと向かって行動を続ける。
これって、攻略本でこの先の展開とストーリーがすべてわかった状態でゲームするのと同じだ。要所要所でプレイヤーが努力する必要はあるものの、その先の展開はわかっている状態。レトもチートキャラ化するし、なんか、攻略本持って、キャラの性能書き換えてゲームやっている気分になる。
最終的には大団円を迎えるのだが、フランク・ハーバートが神権政治、というより神政治を解として示したのはちょっと意外。第二部では英雄を崇拝することの危険性が描かれていたのに。