フランクハーバートのレビュー一覧
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デューン初期三部作の第二部。
第一部の広大な世界観や英雄譚は鳴りをひそめ、権謀術数の渦巻く淡々とした展開が続くばかり。冒頭の著者ご子息による前書きのせいもあり(正直、あの前書きはいらなかったなぁ。。)、なんだか読むモチベーションが上がらず、上巻は割りと読むのがキツかったです。ただ、下巻に入ってからは、鬱々とした雰囲気こそ変わりませんが、話がトントンと進んでいき、終盤の手に汗握る展開には、流石!と感嘆するばかり。
予知とは運命のようなもの。望まない予知、逃れられない運命に悩むポールの苦悩や計り知れず。しかし、最後にみた予知と異なる出来事は、ある意味ではポールの役割に終止符を打ちましたが、彼を運命の束縛から解き放ったのもまた事実。第一部から続く彼の苦しみは救われたと思うと、読み終えた意味はあったと思います。
どうやらこの二部は第三部へと続く、架け橋的な扱いとのこと。うーむ、読まねば。 -
Posted by ブクログ
映画化もされている「デューン 砂の惑星」最初のシリーズが展開があり、世界観に惹き込まれる要素がたくさんあって面白かった分、その続編である「砂漠の救世主」上巻は、帝座についた主人公ポールの葛藤、ポールに対し謀をめぐらす関係者たちの会話や心情など展開はゆっくりでそれぞれの心情や状況にフォーカスをあてている。
ポール側にとっての行く末が明るくないことへの描写も多く少し暗い。前作のほうが変な高揚感があって読む手が止まらない感覚があった。
しかし前作でまだ生まれていなかったアリア(ポールの妹)が出てくること、そして思い出のダンカンが偶人(クローンという理解でいいのだろうか)として出てくること、前作では見ていない別の能力をもつキャラクターが登場したりと、飽きることはない。
自分はこのSF大作のなにが好きなんだろう?
まずは、DUNEの世界での宗教がイスラームを彷彿とさせること。使われる単語しかり、信者の行動パターンしかり、著者はアメリカ人のようだがイスラームへの畏怖なのか描写がすごく緻密で面白い。そして"預言者"が皇帝となるところまでは一旦、サクセスストーリーなのだから、西洋人がこれを描いているのが少し不思議にも思える。そして皇帝になったと同時に"預言者"でもあるポール(ムアッディブ)という人物によって宗教と政治が関係する中での統治がなされているのも面白い。
あとは、前作の感想でも描いたようにアラキスという過酷な環境をもつ惑星の中で水がいかに貴重か(今作では帝国の大天守?に水がいかに使われているか=贅沢、富の象徴)、植物をどうやって育てるか(今作では植物の栽培に少しずつ成功してるように見えた)、そして相変わらずスパイスが全てを動かす貴重なリソースであることなど、その世界の中で国の統治、権力を持つものに必須となる素材がどう影響していくのか、といった、深めていけそうな要素もたくさんある。そこは少し世界史で学んできた論理をファンタジー世界に当てはめながら考える感じで楽しい。
下巻は展開がもう少し進むのか?積読してある本を開くのが楽しみ。 -
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DUNE 砂の惑星の続編上巻。冒頭にいきなり作者の息子さんの言い訳的な解説文が入っていて面食らった。発表当初(1969年!)、この続編は英雄譚を望むファンの期待を裏切って大批判を浴びたそうだ。が、ちゃんと読んだらそんなに悪いもんではないんですよ、と息子が言っているわけだ。
実際読んでみると、息子の序文は全くの蛇足であるとわかるのだけど、確かにポール・ムアディップの帝位継承から12年後の物語は、帝位をめぐる権謀術数が主な場面であり、ほぼほぼ密室で会話する人々の裏の読み合いでページが埋められていて、映画で言えば5分くらいではないかと思われるシーンに、上巻の1/5くらいが使われる心の中の声のしつこい描写に、当時のファンのがっかり感もわからいでもない。が、帝国の興亡史として捉えるなら、ヒーローから皇帝になってしまったポールのウジウジもまた一興だろう。 -
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シリーズはまだまだ続くが、「砂の惑星」としては最終巻。
デヴィッド・リンチ版、ヴィルヌーヴ版の映画で散々観ているので、プロットに関してはすでに知っている。
この巻でハルコンネン男爵の甥であるフェイド=ラウサが登場する。
一方ポールは、フレメンの宗教的指導者となっていく。その過程で以前の部下であったガーニーと再会する。
力をつけたポールは、皇帝との最終決戦へと突き進む。
有名な作品なのですでに知っている部分が多い。
ただ、絶大な人気を誇る古典なので、読んでおいてよかった。
1960年代はレイチェル・カーソンなどの影響で環境問題が盛り上がっていた時期であり、本書もその影響を受けているという。
この状況は現在も似ている。地球温暖化や緑化活動といった課題は、主にビジネス方面のトレンドではあるのだが、とにかく、キーワードではある。
映画はそれほど環境問題については強調していなかったが、それでも砂漠の惑星が舞台で、「水は大切だ」といったことを再三にわたって言うのだから、無関心ではないだろう。
このあたりの状況も、このタイミングで映画化を進めた一つのポイントかもしれない。
小説としてはSFでありながら、さまざまな要素を詰め込んでいるのがおもしろい。なによりも、子どもの頃から知っていながら、いまだに読み通していなかった作品をようやく読み終えたということで、個人的な満足感がある。 -
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パート2の映画公開を控えて、気になっていた「デューン 砂の惑星」。アマプラで映画パート1(デビッドリンチ監督じゃない新しいほう)を観て、このダークさは原作でこそ味合わねばと思い手に取ってみました。
シリーズ化されているデューンですが、第一弾の「砂の惑星」の小説の発行が1965年と知って、こんな作品が自分が産まれる前に世に出ていたのかと、びっくりさせられました。
出てくるキャラクターは、救世主として覚醒していく(のであろう)主人公ポールと、「魔女」と呼ばれる母親、わかりやすい敵ハルコンネン男爵など、どいつもこいつもキャラが濃く、それぞれの事情と野望と愛憎を絡め合いながら、裏で“静かな”丁々発止のやりとりを繰り広げていきます。
すごい世界観なのに、派手なシーンが少なく、確かにこれは映画にしにくいと思うけど、スターウォーズなどに影響を与えたのもよく理解できました。
強烈に面白い!というわけではないですが、気になる世界観ではあります。
とりあえず次、中巻読んで、映画のパート2を観てみたいと思います(逆がいいのかな?)。 -
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映画『DUNE 砂の惑星』Part1を先に観ていたことが、原作のSF独特の世界観をイメージする手助けになって、思っていた以上に読みやすかった。映画を観たときにも感じたけれど、SFというよりもファンタジー的な要素も強くて、それがこの作品の魅力だと思える。
映画ではこの上巻よりももう少し先の話が描かれていたが、ポールの未来が視える存在としての覚醒は、映像ではわかりにくかった。ハルコンネンによる陰謀に巻き込まれたアトレイデス家の嫡男という感じで、まだその能力が、目に見える形では現れていない印象だったけれど、原作では明らかな覚醒が描かれていて、今後の展開に期待が高まる。
3/15にPart2公開予定なので、月末までに残りの中巻、下巻を読み終えてから、映画を観に行きたいと思っている。
原作も映画もとても楽しみだ。 -
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フランク・ハーバートによるSF大河、『デューン 砂の惑星』の続編・下巻。
予知した悲劇的な未来に抗おうとするも、その"運命"から逃れる術が見出せず苦悩するポールに、旧勢力の策謀が迫り来る。その行き着く先は―――。
「悲劇の第二部」と呼ばれるに相応しい悲しく辛い物語。前作のようなスペクタクルな要素は無いに等しく、ひたすら為政者ポールの苦悩を描いた内容となる為、前作のような展開を期待するのはNG。
予知した悲劇的な未来に抗えず、次々と現実のものとなっていく中で現れる、予知には無かったいくつかの出来事。これらが未来を変える"希望"となるのか・・・。次作も新訳刊行予定とのことで、映画と併せて待ち遠しい限り。 -
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フランク・ハーバートによるSF大河、『デューン 砂の惑星』の続編。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による映画化作品の前編が公開され、後編が待ち遠しい今、「もしかしたら続編の新訳(or旧訳重版)が出るかも?」と期待していたら、やってくれました我らがハヤカワさん。ということで、読んでみることに。
前作で、精強な砂漠の民<フレメン>を率いてハルコンネン軍と皇帝直属の親衛軍<サーダカー>を打ち破り、皇帝の娘(プリンセス・イルーラン)を妃にして皇位の座に就いたポール・ムアッディブ。彼を伝承にある救世主<リサーン・アル=ガイブ>と妄信するフレメンは、聖職省から教導団を宇宙各地に派遣して聖戦を敢行、ポール帝の下に人類を一つにした。
そんな圧倒的支配の中、ポール帝によってその権力を奪われた旧勢力(ベネ・ゲセリット、航宙ギルド、ベネ・トレイラクス)と、皇位の座に就くための道具としか扱われず、忸怩たる日々を過ごすポールの正妃イルーランは、ポール帝に対する陰謀を企てていた―――。
前作で<クウィサッツ・ハデラック>の力で「アトレイデス家を旗印に、狂信的で戦火と流血に塗れた宇宙規模の"聖戦"が繰り広げられる未来」を"視た"ポール。その未来予知のとおり行われる、フレメンによる聖戦。ポールには、まだ血に塗れた未来しか"視えない"。
そんな中、航宙ギルドから偶人<ゴウラ(=本人の死体から復活させられた存在)>が献上される。その姿形と言動は、先の戦いで命を落としたアトレイデス家の家臣で、ポールの剣術指南役であったダンカン・アイダホそのものであった。何かの策謀だと理解しつつも、ポールはこの"旧友"の姿をした<ゴウラ>を受け入れる。揺れ動くポール、そして妹のアリア。この選択がどのような結末を辿ることになるのか―――(後編へ)。