伊藤由佳理のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
今までありそうで(あったかもしれないが)見つけられていなかったテーマ。いろんな分野の先頭を走る研究者が各々愛する論文を語るという、極めて興味深く面白かった本。各々の研究テーマが違うのはもちろん、各々の研究者の感性や語り口がそれぞれ全く違っていたのも面白かった。一般向けに少し噛み砕いてくれている人もいれば、専門用語もりもりで愛が溢れている人もいた。どちらも素晴らしいと思う。いわゆるオタク文化にも通ずるところがあると感じた。専門家から見た「私見を含んだ」サイエンス的エッセイは非常に面白かった。
大学時代を振り返ると、論文を読むのは嫌いではなかったし、面白かったがやはりどこかタスクの一つになっていて -
Posted by ブクログ
著者の伊藤先生とお近づきになり、非常に魅力的な方だったので拝読した。
色んな人生、色んな研究があり、まさに高校生にとってこういう刺激は必要なのではないかと感じた。
どうしても授業は知識を教えることが主になり、その知識を使って何ができるか?何が見えていないことで研究されているのか?という、いわば将来的な知見を築くのが難しい面がある。研究への道を志すには、魅力的な研究世界に出会うこと、そしてその謎解きの一員になりたい、私もそれを知ってみたい…と思うきっかけが大切だと私は思う。
現在、研究職は難しいという面が世間では猛プッシュされており、魅力よりも保守に走らせる情報が多過ぎるように感じる。本当にや -
-
Posted by ブクログ
タイトル通り、数学の美しい側面を極力わかりやすく解説した本。群論は高校数学以前には顔を見せなかった現代数学だ。
高校までの数学からは跳躍した概念ゆえか、わかりやすく書かれていることはわかるものの、理解が及ばないところがあるというのが正直な感想。
しかし、行列の有用性などは深層学習が幅を利かせる現代では万人がおさえておくべきかと。(いまは高校で行列を習わない、というのは衝撃だった)
そして終章は著者の思いが込められた熱いもので、読む者の数学への憧憬を駆り立てる。高校数学でつまずき、苦手意識を持っていたが改めて数学への興味を再燃させられた。 -
Posted by ブクログ
理系の女性研究者のエッセイ集.
とはいうものの,大学では文系出身者あり,複数の企業等での勤務経験者あり,留学経験者あり,と多様な生き方を垣間見られて,固定観念的な進路に圧迫されているような中学生高校生あたりにもっと自由な生き方を教えてくれる.
大学生(学部生)でも同じような読み方はできるだろう.
大学院生も思い悩んだら,11人分の生き方,考え方で気分が楽になると思う.
自分が学んできたことが自分を支える本質になることが見える.
話の構成は人によりけりなので,正直,上手な人もあればそうでない人もあるが,いずれにせよ2時間ほどでゆっくり読めるはず. -
Posted by ブクログ
ネタバレ本屋で目に付いたので手にした作品。
そもそも「女性」研究者の話だとは思わずに読んでしまいました。
様々な分野で活躍する研究者の話がまとめられていますが
それぞれの方のカンタンな研究内容の説明と経歴を書くだけで終わっており
研究者を目指したが故の苦悩などほとんど描かれていませんでした。
もっと生々しい話を読みたかったなぁと個人的には思います。
研究者という道を選んだ以上これは諦めなければならなかったとか
こういうことでは悔しい思いをしたけれどもこれこれのような
結果を残したことで満足することが出来たというような
悪い事も良い事もあまり描かれず中途半端になってしまっていたように思います。
どの方も