キムチョヨプのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
地上が正体不明の菌類 "氾濫体" に汚染され、地下都市のラブバワに住む少女テリンが、地上世界に憧れ、氾濫体の調査・研究を行う "派遣者" を目指そうとする話
しかし、自身の脳内に氾濫体となる、自分とは異なる意識をもっていることに気づく
脳内にいる氾濫体を呼びやすいよう "ソール" と名付け、コントロールしようとするができず、消すと脅したり、なだめたり、ほっといたりするがやがてソール自身が意思を持って主人公をコントロールしだす
地上を再び人類のものとする目的のもと派遣者となるが、
氾濫体と人間のあいだにたち
葛藤に苦しみながら、心が揺れ動きながら
地上と地下都市の共生や、
氾濫体と人間の共生や、
そして他人との考え方や価値観が異なること、
わかりあえない他者との共存について考えるようになる
希望のある、新たな道のりを歩む的な終わりかたが心地よく清々しい
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Posted by ブクログ
以下、障害への違った視点を教わった。
・障害を治療矯正できなかったものとネガティブにとらえるのではない。
・健常者に近づかせるためのリハではなく、補聴器より表字サービスとか、自分で生きやすい方法を選べるといいんじゃない?
・でも高価な車椅子とか使ってたら、白い目で見られる。非障害者の価値観のなかで生きるジレンマ。
・非障害がつくるもの、思い描くユニバーサルデザインなどゴールを決められて、ユーザー側にいるだけでなく、自分で決めたい。
・障害をオープンにする方が生きやすいと思ってたけど、それが関係性や仕事上の支障になる可能性もある
・障害者は技術を使って、健常者に近づく努力をし、喜ぶ人でないとならない?
・ボーっと過ぎる無意識に通り過ぎる所に障害者は継ぎ目、そこに不備があると知らせてくれる存在。滑らかな自動化された世界でガタツキ、継ぎ目から予想もつかないところへ可能性を広げていく存在 -
Posted by ブクログ
著者の短編集である「この世界からは出ていくけれど」、「わたしたちが光の速さで進めないなら」がとても面白くて、長編も読んでみたいと思い手に取った。
私はキムチョヨプさんの描く文章や世界観、人の心の温かさや愛情深さがとても好きなので、この本も総じて好きだし、好きな作家さんだと思った。
物語は3人の視点で描かれており、3つの物語が繋がって一つのストーリーになっている。それぞれ短編を読んでいるようでもあり、とても読みやすく一気に読める。
ナオミとアマラ、ジスとレイチェルのお話は、特に面白くて引き込まれた。著者は温かくて切なくてどこか悲しい人の感情を書くのが上手だと思う。
あと、著者あとがきの中の「わたしたちがすでに深く介入してしまった、後戻りできない、けれど今後も住み続けなければならないこの地球」、「とうてい愛せそうにない世界を前にしながらも、最後にはこれを立て直そうと決心する人々」という表現が心に刺さった。
ただ短編集にはあった、簡潔で無駄がないのに起承転結がはっきりしている点や、SFならではのワクワクする設定や気持ち、驚きが詰まっている点などの長所が損なわれてしまっていたと感じ、少し残念だった。
丁寧に全ての伏線を回収しようとしすぎて、終盤が冗長になってしまっている感じがした。