大島清昭のレビュー一覧
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ホラー下地のミステリーとして読んでいくと?となるけれど、ホラー小説として読むと大変楽しい。
多分オカルトを否定しつつも都市伝説とかの噂ではなく生活の下地として浸透している部分が見えるかなのではと思う。小説だから端折っているとはいえあまりにも簡単に受け入れすぎている気がするし。
現在に起きた儀式的な殺人事件の源流を探すために、過去の同じ場所で起きた事件を捜査する主人公と、憧れを深めていく先輩の刑事。凄惨な現場なのに、主人公の安直さというかアホさがあって重くならずに読める。
最後は、ああとなりつつも呪いの使い方に驚いたけれど、畑の箇所を読む限りそういうことかと怖くなる。 -
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ネタバレ孤島で館で殺人事件。でもってそこでは昔からのオカルト的な言い伝えがあって、そんな感じの見立て殺人。その30年前に起きた事件を調査しに来たらまたもや殺人事件が。
いいですね。あらすじだけでも大好物です。
オカルトミステリとしては「霊」という存在をあるものとして使ってるのが特徴でしょうか。あと前作となる事件があったっぽくてそちらは未読でしたが楽しむうえでは問題なかったです。
で。面白かったですけども・・・特に中盤くらいまでの展開は大変好みでした。
ただ犯人はあれ推理できる?そんな手がかりというか伏線とかありましたっけ?読み逃したかなあ?いかにもそれっぽい人を除いたらまあこの人なんだろうけど・・そ -
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ネタバレ怪談作家・呻木叫子が取材した4つの怪談とそれにまつわる事件を収録。
8人の女性が殺害され、遺体を解体、遺棄された事件の現場でもある犯人宅、通称「バラバラ屋敷」。事件の15年後、肝試しに訪れた中学生が同級生の遺体を発見する「バラバラ屋敷の怪談」。とある少女の怪異「青いワンピースの怪談」。呻木叫子が取材に行った先で事件に遭遇する「片野塚古墳の怪談」。大学生が友人を探しに異界駅へ行ってしまう「にしうり駅の怪談」。
怖かった。普段ホラーはほとんど読まないものだから、モキュメンタリー(フィクション)であると知っていても怖かった。表題作については、もちろん怪談話自体も怖いのだけれど、それよりも事件の真相を -
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怪談作家・呻木叫子のシリーズ。
なにげなくたまたま選んだのが先日読んだばかりの本のシリーズで結構びっくり。
調べたら今回のは第三弾で先日読んだ「影踏亭」との間にまだ一作あるようで。
おもしろかったです。なんか第一作と比べて話がこなれてきた感じで没入感であったり最後のまとまりがより綺麗になった印象。呻木叫子というキャラクターも前はなんともいえない不気味さみたいなものがあったんですが、今回はそれほど・・・冷静になってみると探偵役というほどでもないんだな。。ていうか前のラストの「ああああああああ」はどうなったんだろうか?読んでない第二作にそのあたりは書いてあるんだろうか?
ところで異界駅のベクト -
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ネタバレ実録系のホラー作家がフィールドワークの最中に、その曰くのある怪談を下敷きにしたような事件があってその裏に・・・みたいな。
その事件そのものはコテコテの密室殺人だったりでミステリ好きとしてはほっこり。そしてどの事件も肝心の部分ははっきりせずに怪異の存在をほのめかして・・・というよくあるつくりと思ったら連作短編で最終話でああああああああああああ
というそういう。
なかなかに面白かったです。主人公である呻木叫子がなんとも不気味に感じました。一話で弟亡くなっても全然心動かされることもなく。終始、人となりがよくわからなくて・・・密室殺人の謎解きとかは短編だけにさらっと軽めですねえ。 -
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久しぶりに読んだホラーミステリー。
分からないままのホラー要素と謎解きがされるミステリー要素が混ざり合う感じは面白いが、やはり怖い(私にとっては)。
シリーズものらしいのだが、この作品から読んでも特に支障はなかった。
八人もの女性を殺害しバラバラにしてあちこちに遺棄するという事件の犯人が住んでいた通称『バラバラ屋敷』に肝試しに行った中学生たちが、鍵のかかった屋敷内で見つけた同級生の生首
血なまぐさい事件が頻発する古墳で起きた、監視カメラに出入りの様子が映っていない被害者の不審死
異界駅『にしうり駅』に迷い込んだ大学生グループの一人が密室状況で殺害された事件
ここには挙げていないが、一番怖か -
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ネタバレ愛媛県山間部にある赤虫村には、独自の信仰と妖怪伝説が存在する。
古くから伝わるクトル信仰と、暴風を呼ぶ「蓮太」、火災を招く「九頭火」、無貌の「無有」……。
フィールドワークの為赤虫村を訪れた怪談作家の呻木叫子は、そこで妖怪伝説の災いを再現するかのような不可能状況下での連続殺人に遭遇する。
『影踏亭の怪談』で新人賞を受賞した大島さんの初長編。
『影踏亭の怪談』と呻木叫子という登場人物を同じくする同世界線でのお話ですが、時系列的には『影踏亭の怪談』よりも前になるのかな。
H・P・ラヴクラフトの作り出したクトゥルフ神話世界に属するような、独自の信仰形態と妖怪伝説の残る村で起こる不可解な殺人事件