大島清昭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ハウダニットに徹している感じだろうか。例えば、このロジックでこの犯人ならフーダニットを期待する読者はお呼びじゃない。その上で、ホワイの部分さえ、とってつけたような、明らかに破綻した(この理由なら最後の殺人は、自殺の偽装が完璧でなければならないはずである)理由が提示されるだけのいい加減さだから、ミステリとしては過大な期待はしないほうがよさそう。モキュメンタリーホラーとしては良い味を出してて楽しく読んだ。けれども、クトゥルー神話からの引用だよ? 愉しかったけれどさ、リアリティを気にしてはやれないはずで、こんなのとモキュメンタリーを組み合わせるのかい? とは思う。
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Posted by ブクログ
怖い話が読みたくなって(わたしは時々そういう衝動に駆られるのだが)手に取った一冊。
怪談ルポライターの呻木叫子が、自宅で意識不明の状態で発見された。
姉と連絡が取れないことを不審に思い、一人暮らしの姉を訪ねた弟が見つけたのだ。
そのときの彼女の様子というのが、想像すると本当に恐ろしくて、よくその後普通に生活できるなと思うくらい異様だったから、初っ端から怖くなってしまった。
殺人事件が起こる4つの話はすべて、小説の部分と呻木叫子が執筆した記事の2部構成だ。小説の部分では実名で語られる登場人物が、記事の中ではイニシャルになっているので、そこの部分が多少読みづらく感じたが、リアル感が増すし、こう -
ネタバレ 購入済み
最後
終盤最後の何ページまでかは非常に楽しく読みました。ぐんぐんページめくって、、でも結末。納得できなかったです。一気にファンタジーぽくなるというか、登場人物たちへの感情移入が全く出来ないんです。え、そんなことで殺しを?こんな結末のために何ページも読んでたのかと思うと意気消沈してしまいました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ本や帯の装丁が好みで、あらすじが面白そうだったため購入
全体的な感想としては非常に読みやすい文章で面白い内容ではあった
作者の出身地ということもあってか、舞台となった栃木県の風景描写がとても丁寧で、没入感と臨場感を味わえた
怪異のモチーフだけでなく、時代背景や人物描写をよりリアルに見せるためのアイテムも丁寧に描写されており、しっかりとした取材や調査をされて書かれたのだなと感じた(商業向けの小説を書く上では当たり前のことだとは思うが)
ただ、個人的には最終的に真相解明の時点では怪異はただの装飾となって、もっと現実味のある科学的な解答が用意されているのかと思っていたため、最後の最後まで怪異要素をし