あらすじ
はじまりは中国妖怪を模倣した連続猟奇殺人事件だった。全裸遺体の入った棺が、市内で次々に発見された。動機の見えない一連の殺人を繋ぐものは、現場に残された中国妖怪「地羊鬼」の名前のみ。新米刑事・八木沢は、警部補・林原とコンビを組み、捜査を進めるが、事件の全容はもはや人間の手に収まらないものになっていた――。密室、呪術、バラバラ殺人……謎と怪異が溶け合う未知のホラーミステリー。
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Posted by ブクログ
連続未解決事件、中国の妖怪、怪奇現象、都市伝説などホラーとミステリー好きにはたまらない要素がたくさん詰め込まれた作品でとても面白かった!!
物語の合間に、その地域に伝わる都市伝説をインタビュー形式で載せていたのもその後のストーリーに繋がる良いスパイスになっていて読んでて飽きない。
10年前の連続児童殺害誘拐事件と地羊鬼事件、その被害者が関わっていた自殺として処理されていた事件、いろんな謎が謎を呼び、そして起こる怪奇現象。。
容赦なく人が亡くなってしまうから恐怖が増した。
そしてまさかの結末……
私も船井が怪しいと思っていたけれど、まさかまさかの林原だったとは、、、!!!
でも船井もやはりどこがネジが外れていて、こんな2人と組まされていた八木原が不憫で仕方ない。
事件解決後、せっかくこの2人から離れていたのに署長の余計な命令のせいで、なぜか大地羊の無念をはらすために連続児童誘拐殺人事件の再捜査をせねばならず、そして最終的には命を落とす結果になるとは不運過ぎる。
林原の家で、林原と船井が今までの悪事をペラペラ話してたのも、最初から八木原を生かして帰すつもりはなかったということかと後になって分かりゾッとした。
生前、八木原が“何故あんなに林原と船井は仲が良いのか”と不思議がっていたけれど、恐らく“殺人”という黒い絆で結ばれているからだろうと思う。
船井の奥さんが林原を毛嫌いする理由がハッキリとは描かれていなかったけれど、こんだけ人を殺めていたら何かしら不穏なモノが憑いてるかもしれないし、もしかしたらそれを感じとっていたのかもと思った。
エピローグを読むからに、やはり林原には何か憑いているようだし。
今後、もしかしたら災いが降りかかり良い最期は迎えられない気がするし、船井も恐らくはその最期をこの目で確認したいと心密かに思っていそう…
林原の言う、「殺人は初めてではない」というのはもしかしたら両親は事故ではないとか…!?
読み終わって感じたことは、
どんな妖怪や幽霊よりもこのサイコパスな2人が一番怖い。
Posted by ブクログ
今までのシリーズとは別の新作。前作も読みましたが、こちらは間違いなく最高傑作。最後に「怖っ!」と震えて終われて、妖怪、呪い、幽霊と盛り盛りで、満足感が凄いです。次回作も買います!
Posted by ブクログ
ホラー、心霊スポット、呪い、中国妖怪、連続猟奇殺人…。興味をそそられるワードたち。
話が進むにつれて、怖くなる作品でした。
様々な要素が混ざっていて、とても楽しめます。
ホラー多めですが、新米刑事視点で話が進むミステリーでもありました。
でも、いちばん怖いのは
ホラーじゃない部分なのかも知れないですね。
Posted by ブクログ
ミステリーをやりつつ、ホラーもしっかりやってて、最後はすべての余韻をホラーで押し流していくような話。色々あったけど読み終わった後の後味の悪さと薄ら寒さはホラーだなぁーと思った。
個人的にミステリーの皮を被ったホラーは好きじゃなかったんですが、この本に出会って考えを改めました。面白かったです。
Posted by ブクログ
この作者さんの他の小説、淡々とした語り口に怪談や怪奇現象と人間の犯人がいたりと両方楽しめてかなり好きだったのでこちらも読んでみた
女刑事さん、最初の廃墟の病院で笑ってたりかなり変だったからこの人が犯人の場合もありそう…と思ってたら黒幕だった
密室の作り方が言葉だけの説明だからなかなかピンとこなかった(いまもよくわからない)
Posted by ブクログ
怪異譚は大好きですが、大抵日本の伝承ですよね
中国の怪異譚は全く知らなかったので新鮮で楽しめた
ホラー色もそこまで強くないので、苦手な人でも読めると思います
Posted by ブクログ
感想
ミステリ本来の楽しみもありつつ、最後まで読んだらこれはホラーだったと思い知らされた。
ゾクッとする読後感。
事件の猟奇性と動悸の乖離は賛否ありそう。
個人的には逆に狂気的にも感じたし下手に狂った動悸を捻りすぎると冷めちゃうからなんとも言えないかな。
あとなんで校庭の棺を『弐』にしたんだろう。
これ、作中で言及されてたら読み落としてるだけだからめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。
ほぼ同時に設置したとしても場所的に一番最初に発見させる可能性がいちばん高い校庭に『壱』を置く方が効果的じゃないかな?と思ってしまった。
『弐』にすることによってもしかして『壱』があるかも、『参』やそれ以降があるかも、ということを示唆したかったのかと思うけど。
ラストがとても良かった。
ミステリよりホラーが主体な感じもしたし、密室トリックという点でミステリとして遜色なく楽しめた。
Posted by ブクログ
う〜ん微妙…。ミステリ、オカルト、意外性、色々と要素を入れたが上手く纏まらずにとっ散らかってる印象を受ける。オカルトに見せかけたミステリ、もしくはその逆という内容の面白い小説は色々あるが、これは個人的にあんまりだった。
味方に犯人がいたというどんでん返しが見所だと思うんだが、登場人物が少ないせいでそこまで意外性が無い。過去3件の密室殺人も読み応えが足りない。(マッチポンプ推理なので当然だが)
倫理観の無い犯罪者を野放しにするというストレスを打ち消すほど結末が強くないのが一番問題かも。
主人公が警察にしては純真すぎる。途中のたびたび挟まる自戒パートはこの可哀想な結末に向けてのものだろうが、それが成長を促すものではなかったというのもストレスだったな。
Posted by ブクログ
途中までよかったのに、最後ちょっと残念。
小学生誘拐殺人で性的暴行したのは誰なの?
林原がそれより前に殺したのって誰なの?
なによりサイコパスが過ぎる感じがした。
Posted by ブクログ
ホラー下地のミステリーとして読んでいくと?となるけれど、ホラー小説として読むと大変楽しい。
多分オカルトを否定しつつも都市伝説とかの噂ではなく生活の下地として浸透している部分が見えるかなのではと思う。小説だから端折っているとはいえあまりにも簡単に受け入れすぎている気がするし。
現在に起きた儀式的な殺人事件の源流を探すために、過去の同じ場所で起きた事件を捜査する主人公と、憧れを深めていく先輩の刑事。凄惨な現場なのに、主人公の安直さというかアホさがあって重くならずに読める。
最後は、ああとなりつつも呪いの使い方に驚いたけれど、畑の箇所を読む限りそういうことかと怖くなる。
Posted by ブクログ
読みやすくおもしろかった
ミステリ要素は微妙 密室トリックはショボい
が、この作家ならではの後味の悪さがとてもよい
呻木叫子と対決してほしいけど瞬殺しそう
Posted by ブクログ
途中まではすごくストーリーが好みでおもしろく読んだが、オチがそうくるか〜〜という。
でもこれがこの著者らしいテイストだな、ともおもいました。まだ読んでない著書も読んでみます。
Posted by ブクログ
遺体が入った棺が市内に放置されるという連続殺人事件が発生。手掛かりは人間の臓器を奪うという中国の「地羊鬼」という妖怪の名前のみ。
妖怪をモチーフにしたホラーミステリーという最高の設定。
ただし、後味は最悪と言えるでしょう…
Posted by ブクログ
全裸遺体の入った棺が市内で次々に発見された。動機の見えない一連の殺人を繋ぐものは、現場に残された中国妖怪「地羊鬼」の名前のみ。新米刑事八木沢は警部補林原とコンビを組み捜査を進めるのだが…。
ホラーミステリーと銘打っているのですが、どっちも中途半端な感じ。どうせならホラーに振り切って欲しかった!読後感、あまり良くありません。
最後
終盤最後の何ページまでかは非常に楽しく読みました。ぐんぐんページめくって、、でも結末。納得できなかったです。一気にファンタジーぽくなるというか、登場人物たちへの感情移入が全く出来ないんです。え、そんなことで殺しを?こんな結末のために何ページも読んでたのかと思うと意気消沈してしまいました。
Posted by ブクログ
本や帯の装丁が好みで、あらすじが面白そうだったため購入
全体的な感想としては非常に読みやすい文章で面白い内容ではあった
作者の出身地ということもあってか、舞台となった栃木県の風景描写がとても丁寧で、没入感と臨場感を味わえた
怪異のモチーフだけでなく、時代背景や人物描写をよりリアルに見せるためのアイテムも丁寧に描写されており、しっかりとした取材や調査をされて書かれたのだなと感じた(商業向けの小説を書く上では当たり前のことだとは思うが)
ただ、個人的には最終的に真相解明の時点では怪異はただの装飾となって、もっと現実味のある科学的な解答が用意されているのかと思っていたため、最後の最後まで怪異要素をしっかり混ぜ込まれたシナリオになっていた事に驚かされた
椰子尾署にかけられた呪いの正体は、私の推測では大地が木札や人体模型などに特殊な成分が検出されにくい、人体に悪影響を及ぼす何らかの漢方などが仕込まれているのかと考えていたら、正真正銘の呪詛であったり、また大地の死因も船井の呪詛であったり、恐らく作中で起こった心霊現象も全て本当に起きた事なのだろうと思わせる書かれ方であったり、その辺りは予想と大きく異なる展開だった
個人的に少々消化不良だと思ってしまったのは、まず真犯人である林原の船井に対する真の感情の描写
「何故だかは分からないけれど恋愛感情とは違う感情で入れ込んでしまった」という大まかな設定は、八木沢にとって彼女を「こちら側では無い存在」として描くのにとてもいい役割をしていたとは思うのだが、林原が語った台詞に何だかえもいわれぬ違和感を感じてしまった
また、林原の異常性を示唆するキーワードとして「人を殺すのは初めてじゃなかった」という発言から考察するに、恐らく両親の事も交通事故に見せかけて殺したのではないかと思われるのだが、彼女がそうやって必要に応じて殺人を繰り返す事が出来る人格である描写に、もう少し深く掘り下げがあれば良かったのではないかと個人的には思ってしまった
それと同様に、船井が大地にかけた呪いに関しての説明があまりなされなかった事も少々残念に思ってしまった
もしかしたら私が深く読み込めていない部分もあるかもしれないので、他の読者の感想や考察にも目を通してみたいとは思っているが、取り敢えず一読して感じた私のマイナスポイントである
しかし、要所に挟まれた船井が蒐集した怪談話や、椰子尾署内で起きた怪異の体験談などは、まるで耳袋のようでとても面白かったし、怪異のメカニズムや伝承の流布に触れるような内容であったのも面白かった
妖怪研究家である作者の怪異愛が伝わる作品であったと思う
Posted by ブクログ
推理小説は大抵犯人が捕まって綺麗にまとまり終わる物しか読んだことがなかったから、結末に驚き。
サイコパスと呪いが噛み合わさって、そういう世界観もあるのだなと。心霊現象は信じてないけど、人の念は存在するしそれで人が殺せてしまうのかと、考えてしまった。あと人死にすぎ。
続編でも出て、犯人は捕まって欲しいなぁ。
Posted by ブクログ
内臓が木製の模型と入れ替えらた遺体の入った棺が次々と見つかる。所轄の八木沢刑事は県警の林原警部補とコンビを組み捜査にあたる。
犯人の動機はなんなのか。過去に起きた女児連続誘拐殺人事件と関連はあるのか?
謎自体は魅力的な謎だったが、伝奇的な要素と推理的な要素がどちらも中途半端な感じがした。