アベツカサのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「小説」という形をとっていること、「未発表」であり「前日譚」であること…を踏まえてどんな世界観だろう?と興味深く読みました。
フリーレンの世界観の1つに「静謐」と「諦観」というものがあると思います。魔法や時間軸の自由さという点で、ファンタジーではあるのだけれど、そこには浮世離れした途方の無さを打ち消すくらいの強さで、実人生を生きている人間の感覚…つまり、命の儚さや、みんないつかは終わる、変わらないものなんて無いという無常感、孤独感、一種の諦観…そして、何より「愛」…そんなものがあるように思うのです。それが、物語りの核となり、沢山の人達を惹きつける要因にもなっているかと。
そんな世界観を、小説という形の中でも活かせているな、と思います。
個人的には、最後の「葬送」という章が良かったかな。(短編集になっています)
各エピソードの前章的な位置付けですね。
読む前の後とでは、キャラクターの理解がより深まります。
「葬送のフリーレン」という作品が、アフターファンタジー、後日譚という形になっていることを考えると、前日譚と位置付けるこの作品は、対として楽しめるのではないかな、と思いました。
ちなみに、長寿の動物種は心拍数が少ないという傾向がありますが…起きるのが苦手というフリーレンの心拍数と血圧を調べて、なんなら血液検査もしてみたい…と思いました。。。人とは何がちがうんだろうか。。。謎ですね。 -
ネタバレ 購入済み
良質な前日譚
幼い頃のフェルン、ラヴィーネ&カンネコンビの馴れ初め?にまだ単独行動中のシュタルク、Web人気の高い断頭台のアウラ様と場所に揺られて夢をみるフリーレン(フランメお師匠つき)、といった視点の短編集です。
転んで服を汚してしまったフェルンが服を綺麗にする魔法を欲しがったり、模擬戦で命乞い⁇をし、唯一の弟子に必殺・投げキッスを伝授するフランメお師匠等とか、本編を彷彿とさせるエピソードも上手く入れています。
これはこれで良い番外編でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ感想
エルフの寿命は千年くらいだと思っていたけど、フリーレンって千年以上生きていたのね。
誕生日やポーカーで身ぐるみ剥がされるとかちょっとしたエピソードが面白い。
あらすじ
魔王直下の大魔族のアウラとフリーレンは戦う。シュタルクとフェルンも格上の魔族と対決して勝ちを収める。フリーレンは魔力を抑える訓練を師匠フランメから科せられる。それは魔族を欺くための技術だった。アウラは魔力の天秤にかけ、勝ちを確信したがフリーレンの隠し持った魔力が凌駕して、フリーレンが勝利する。
フリーレンたちは吹雪を抜けてなんとか辿り着いた勇者の剣を守る北の街で山の主を倒す。僧侶のザインを仲間にする。 -
Posted by ブクログ
フリーレン…待ってた。
幻想の中、結婚式を挙げる2人…
これって、どちらも望んでいたこと…なのかな?
でなければ、同じ「夢」の中にはいないよね。
だけど、そんな夢の中でも闘いの気配はあるんだね。
偶然だけど…25回目の結婚記念日。
跪いて…なんて劇的なプロポーズはなかったけれど、紛れもなく「人生が変わる瞬間」はあった。
振り返れば、あっというまにも思えるし、長いようにも思える…人生って、まさに「夢」のようでもあるね…フリーレン…千年生きても、ヒンメルへの想いが変わらないのだとしたら、充分に「人間を知る旅」の目的は果たせたんゃないかな。
追憶と共に「今」を生きるフリーレンの側には、共に生きる彼らが、今も生きている…。
「死」は物理的ないものにすぎず、次元が変わるだけだよ…どこかでそう読んだけれど、本当にそうかもしれないね。。。だとしたら、生きて思う限り、対象も生き続けている…そういうことだね。 -
Posted by ブクログ
ヒンメルならグラオザームの完璧な幻覚だろうと抜け出せるとは思っていたけど、抜け出さないままに反撃するとは思わなかった…。もうあんなのズルじゃん…
ただ、グラオザームの側も何かしらの奥の手がまだ存在していたのかな?それを使わなかったのはそれが必要な程に追い込まれていたわけではないから?
この時代に戻ってきたフリーレンを始末するのが元々の計画だった筈。でなければ未来にて魔王が討たれてしまうから
だというのに、フリーレンが未来に戻ったからってあのようにあっさり引き下がったのは気になるな。グラオザーム達はこの戦いで何を得たのだろう?
119話からは普段通りの短編的エピソードが続いたね
印象深い描写としてはヒンメルの像がこれまでの像とは全く異なる造形をしていた点か。フランメなんて性別すら変わっていたし
英雄として祭り上げ過ぎてしまったが為に本来の姿から掛け離れてしまった。それは感謝よりも信仰が主となってしまった事で起きる現象と言えるのかもしれない
ヒンメルへの感謝がないわけじゃない。でも、彼の偉業を伝える事ばかりに重きを置くとあの様になってしまうのかな?
100年程前の姿を残そうとしたヒンメルですらああなのだから、更に昔の時代ならどうなってしまうのやら
長い時を経た存在を度々扱う本作だけに、あの描写は色々と思う処があったね
あと、小さなエピソードではシュタルクの誕生日を祝う話は温かい気持ちに成れるものだったね
以前はどうやって祝うか祝われるかと挙動不審になる事も有った2人だけど、流石に年季が入ってきたのか割合スムーズにお祝いしているね
だからフェルンがシュタルクに渡すプレゼントは彼をよく見ているから渡したいと思う物になって
ボロボロになるまで使い古した革手袋、そこに頑張りの証を見るからこそ、また頑張れるように新しい物を渡したい
フェルンの静かな愛情を感じられたよ
124話と125話はこれまでとはかなり毛色の違うエピソードに。というより、これは126話から始まる長編の前フリか
旅人が立ち寄る事が少なくなり寂れつつ有る何処にでもある村。そこに異変を見るなんて本来は有りえない
そんな村に潜んでいたのが『影なる戦士』か…。任務の詳細も知らされず普通の村人に擬態して暗殺を続ける
そのような背景を知っても、ラダールがシュタルクを一瞬で倒せる程に強かった点には驚かされる。おまけにシュタルクさえ突破されれば魔法使いであるフリーレンは為す術が無いのだから『影なる戦士』という存在の厄介さを思い知らされたよ
同時にそのような存在を世に放つ帝国への警戒度も上がった印象
だから直後から始まる帝国を相手取った新たなエピソードも緊張感が途切れぬまま
唯一の癒やし要素はユーベルとラントが再登場した点か
ユーベルってばラントの事好きすぎじゃん…。てか、新しい衣装も良いね
さておき、話の筋としてはどうやらゼーリエの暗殺疑惑が持ち上がっているようで
作中最強キャラではないかと思われるゼーリエを殺せる人物なんて居るとか想像できないし、また彼女を殺す事でどのような得があるのかという疑問も湧く
それでも魔導特務隊や『影なる戦士』が魔法使いにとって脅威と感じられるのは否定しようがなく
これから描かれるのは魔物ではなく人間の恐ろしさを感じる物語であるのだと判る序幕だったよ