武富健治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
作者がまじめなのかなんなのか??と思った。シュールで結構笑えるところもある。
ガロのにおいもすこーしするような。。。
すごい作品なのに、きっとたくさんの人に読まれる(理解される?)作品ではないだろうな。読み手を選びます。仕方ない。論理を理解するために頭フル回転です。。とても疲れますが、本を読む人ならついていけると思う。確かに、文芸漫画と言っても過言ではない。
鈴木先生が生徒を手の内に入れるのがうますぎるからか(必死なのだが)、少しもやもやする。だけど、鈴木先生(作者)ほど「人間」について考えに考えているなら、当然かも。
下手な自己啓発系の本よりずっと、効きます。本質を理解すれば応用はいくらでもできるから。逆に本質を理解しておかないと、理解不能なことに対しすぐに思考停止して、常識や世間に自分を開け渡すことになってしまう。そしてそのような思考(停止)は大変に危険である。現代をサバイバルする(特に思想のあり方)ための本として読みました。
自分で考え、その言動に責任を持ち、人生を切り開いていく。既存のものにすがる時代はもう終わっているのでは。 -
Posted by ブクログ
ネタバレあの「鈴木先生」が帰って来た!
アクション誌に不定期掲載されていた「鈴木先生 外典」が1月に公開となる実写映画に合わせて単行本化。
収録されているのは「@真説!ポケットにナイフ」「@体育祭、五月晴れ」「@紺野…演劇特訓!秋の邪念」「@戸塚24才、3-Cクラス会へ行く」の4編です。
「@真説!ポケットにナイフ」
かつてからあった独立した短編「ポケットにナイフ」を「鈴木先生」の中の作品として再構築させた作品。
地続きの物語として、各キャラクター達のBeforeがいたるところに挿入されていて面白いです。
さらに「普通」の代表のような関先生の「心の声」により、作品がよりポップなものになっています。
以前の短編とは全くの別物として読むことが出来る一方で、ポケットにナイフのメインテーマは損なうことなく、同じかそれ以上のわかりやすさで読者を導いてくれているのが素晴らしい!!
そして、小川蘇美が、なぜあのとき制服のポケットにバターナイフを忍ばせていたか、その理由も明かされます!
関先生版「鈴木のバッカヤロォォ」(笑)、「明日も我々は教え続ける!」は、関先生が言うとなんだか笑えます。桃井先生の体調不良につながるオチまで含めて、徹頭徹尾抜け目無い作品です。
「@体育祭、五月晴れ」
主人公は優等生揃いの2-Aの中でも、さらに手のかからない部類にに入ると思われる、陸上部・梨本(ナッシー)。
作者の武富先生の自伝的要素が強い作品であるとのことです。
悩みの対象が多く、その複雑さから始めはこの作品が何を意図しているのかわかりませんでした。
ただナッシーの場合のマイナス思考からの脱出の鍵は、小さな支えや幸福にまずは気づくこと。
(鈴木先生の魔法の言葉や、お母さんの愛情のこもったお弁当、浜口や山口の気遣いなど)
そしてそれを根気よく拾い集め、明日はまた悩むかもしれないが「でも今は幸せ それでいい」「苦しいのは今だけ だったらこれでいい」と、瞬間瞬間を受け入れる考え方へと変化させることにあったようです。
なお作中の鈴木先生の魔法の言葉は、胸に留めておきたい素晴らしい言葉です。
また、この世界では「古代戦士ハニワット」がテレビ放送されているようですよ!(特撮かアニメかは不明w)
「@紺野…演劇特訓!秋の邪念」
映画につながる、立てこもり事件の前後のエピソード。
主人公は紺野です。
演技に関しては1年のときすでに鈴木式の指導を受けていた「スペシャル」な紺野ですが、女子への興味に関してはどこにでもいる「普通」の男の子。中学生男子らしい、妄想やそれに続く自己嫌悪が初々しくもあります。
人が何か物事にあたるとき、そこにひとつの感情(この場合はエロ)があったからといって、それしか感じていないと他者が断じて語ることは本当に愚かな行為ですね。
それに気づいて、紺野の迷路に迷い込んだ心を解きほぐしてあげた中村もまた、カミサマ!!美しい!!
ちなみに自分は竹地タイプで、むやみにプライドが高くて、発する言葉にヒネたところがあるようです。
「@戸塚24才、3-Cクラス会へ行く」
まさかの戸塚が主人公。3-Cの同窓会編!!
鈴木裁判欠席のくだりも本人の口から語られます。
生徒たちの10年分の変わらない部分、成長した部分も見れて、おまけ的エピローグとしても楽しめました!
スキャンダルネタ大好きな青木と野方も、10年でほんのちょっとだけ成長!?
ですが3年で鈴木学級にあたり、かつての中村や神田のように「キレイになっていく青木、野方」というのも見たかった気がします。
このときの戸塚の口からも「@体育祭、五月晴れ」の梨本同様の「それでいい!」というワードが飛び出します。
西の「ロボットだの宗教だの」のくだりは、そのままネット掲示板の、うわべだけをすくったような「鈴木先生批判」に対する返信ですね。
今まで鈴木先生からは一方的に教えられることばかりだったのですが、「カラオケ論」に関して、初めて完全に自分があらかじめ持っていた意見と同じだったので、それが嬉しかったです。
鈴木先生や小川のその後など、ここでは描かれなかったキャラクターのその後も気になります!!
以上、本編では聞けなかった様々な「心の声」を聞かせてくれた4人。
でもまたいつか、心の汗をかきまくりながら教え続ける、そんな鈴木先生の「心の声」が聞ける日が訪れることを祈っています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ柳染の背景に山本沙羅の立ち姿が麗しい、武富健治先生の短編集。
鈴木先生と同時期または直後に描かれたという「心の問題」と「ごめんねロック」、「連鎖の形」。
「心の問題」は、鈴木先生と同様に、細やかな心の機微を扱う作品ですが、そこからの転がり落ちるようなオチにも注目。絵もかわいらしい感じです。12年後に何が起こったのかも気になります。
「ごめんねロック」は、関先生と役者が同じという体で、疲れから安易な目先の解決策へと逃げてしまう教師の話で、教員向けの雑誌に掲載されたもの。足子先生を思い出します。
今回初めてタイトルが与えられたという「連鎖の形」。藤井誠二・著『「「悪いこと」したら、どうなるの?』に収録されているものです。加害者、被害者、それぞれの家族、少年院の教官。緻密な取材の元、だれにも寄ることのない公平な視点で描かれた作品です。
原作付きホラー短編群は、ジャンルと絵の相性の良さを感じさせる作品ばかり。「まりをつく」「赤い卵」「食堂にて」とか怖すぎです。ときどきでいいからホラーも描いてほしい!
「右馬之佐東行日記(うまのすけあずまゆきにっき)~首なし猫~」は先生のライフワーク(?)の一つである作品。今回は縦書きです。読後のスッキリいかない不安定な心持ちを楽しんで下さい。