トマトスープのレビュー一覧
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ネタバレバトゥのキプチャク遠征からグユクのカラコルム帰還決定までを描く第6巻。
早々に退場してしまったけれど、コルゲンもまた魅力的だった。その死と遺志を受けて、向かう先を見据えたグユクの立ち姿がまた良い。
彼らに比べ、主人公・シタラの方はというと、大きな動きを取りづらいこともあり、出番は少なく、その計略は(今は)地味にも感じられる。しかし例えば、キプチャクに往かせたシラを見送る独白の凄まじさ、その孤独や虚しさ。それを見ると、この物語がきらびやかな表舞台に立つ男たちのための物語ではなく、シタラやドレゲネ、オイラト族の娘たちのような、虐げられる女性たちの物語なのだと改めて思わされる気がする。 -
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「その血と記憶はいつだって 征服者(モンゴル)を見ているぞ」(p133)
とうとう出たね。理念と武力で抑え込んだかのように見えても、その大地に染み込んだ血は乾くことはなく、首を垂れて近侍するその者の記憶は塗り替えられることはない。
英雄チンギス・カンの子のひとり〈コルゲン〉は庶出であり、母はメルキトから降ったダイル・ウスンの娘クラン。彼の中には征服した者と降った者の両方の血が流れており、その血の記憶が彼個人を繊細にせしめている。「母上はメルキト族の人々を守るために父上に嫁いだ その末に僕が生まれて 今こうして別の人々を組み伏している…」(p98)と西征の途上で想いを馳せるコルゲン。当時の人 -
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「新しいモンゴルを作る」(p22)
オゴタイにはそのための素養は備わっており彼自身にもそれが見えているのだろう。
皇后ボラクチンも聡明であり、帝業を妨げるものは排さんとする。
「今やモンゴルは広大な世界を手に入れた」(p61)
帝国の都「カラコルム」の建造にも着手し、街道が整備され遠く離れた人と物が行き交うようになった。
「交易の「道」 生産の「都市」 これこそ大カアンが望んだモンゴルの姿だ」(g80)とボラクチンが語るように、歴史上でも未曾有の大国家建設は着々と進んでゆく。
華々しく発展を遂げるモンゴルだが、憂いが無いわけではない。
「後継者だ 大カアンの そして私の」(p84)
い -
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以前、Xで1話の試し読みを読んだことがあり、「面白いなぁ〜」という印象があった。
今季アニメ化されると知り、1〜最新刊までまとめて購入。そして一気読み。やはり第一印象から変わらずおっもしれ〜〜〜。
高校受験レベルの世界史知識しかない私でも、「見たことある名前だな…」がたくさん出てくる。学生の時にこの漫画があったら、世界史の授業がもっともっと楽しいものになっていただろうなぁ。
現在の世界史の教科書に、数ページ、もしくは1行・1単語しか載っていないかもしれない。
けど、その数行にはシタラたちが、今の私たちと同じように考え、悩み、苦しみ、そして復讐に生きた数十年があることを思う。
最期を見届ける -
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アニメが放送されているのは知っていましたが、観てはいませんでした。
ところが、先日(中森明菜さんを観ようと)Mステを観ていましたら、SEKAI NO OWARIさんが本作アニメのオープニングテーマを歌ってらして、そのあまりの素晴らしさに感動して、アニメを観始めましたw
そしたら、面白かったんですよw♡
で、原作本も読み進めています。
まずタイトルの「天幕」ですが、この場合はモンゴル人のテントを指します。そして、「ジャードゥーガル」とはペルシャ語で「魔女」という意味だそうです。
なぜモンゴル人のテントで、なぜペルシャ語なのかは、物語上のポイントです(ので秘密ですw)。
そして、こ -
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ネタバレめちゃくちゃ面白かったので感想。
これは、モンゴルに征服されたペルシャの少女が復讐を誓い、「知恵」を武器に帝国を内側から崩壊させるため暗躍する物語。
復讐もの自体は定番のテーマだけど、この作品の何が面白いって、複数陣営が入り乱れる政争を見事に描き切っているところ。
巨大なモンゴル帝国は、当然一枚岩じゃない。
誰が悪で誰が善という単純な話でもなく、全員がそれぞれの目的や野望を持って動いていて、その無数の思惑が重なって「歴史」という大きな流れができていく。
その中で主人公は、モンゴルが積み重ねてきた征服の歴史に人生を奪われた一人として、復讐を胸に暗躍していく。
もちろん、そんな大帝国を維持している -
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物語に振り落とされぬように!
モンゴル内で最大軍事力を誇っていたトルイが没し、その妻であるソルコクタニ・ベキから悲願の『原論』を取り戻したファーティマ。
ソルコクタニ・ベキはこのままドレゲネとオゴタイの子・グユクと結婚して歴史の表舞台から退場するかと思われたが、機略によってトルイ‘家’を守ることに成功する。ここ、テストに出るからね。
出身であるメルキト族を滅ぼしたモンゴルに沸々と叛意を抱くドレゲネはファーティマと結託し、夫・オゴタイならびにモンゴルへの敵意を深める。その宿願を果たすべく皇后ボラクチンに近づき、握った弱みをちらつかせて第二妃の地位を手に入れる。ここも、テストに出るからね。
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とんでもなく美しい絵。版画のようなタッチで、中東の少女の人生を描くのにこんなにマッチした絵柄はないと思った…!
奴隷という身分にありながらも、「知」を武器に孤独に戦うシテラがどのようにして復讐を遂げるのか遂げないのか、いつまで孤独でなければならないのかが気になる。
ストーリーは描くべきところに集中して描かれている印象で、冗長なところが全くない。
結果、テンポも良くて非常に読みやすい!
チンギスカンの息子を見せつつ、「原典」を求めるに至った経緯を説明するところなんて、複数の情報提示を兼ねていて説明上手な漫画だなと思った。
ストーリーのわかりやすさや読みやすさも勉強になりそうb -
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揺るぎ無く面白すぎる!
率直にかなりディープな歴史マンガだから絶対に万人には受けないと思うけど、多少なりとも歴史が好きとか、『大奥』みたいな女性同士が権力を争う群像劇が好きとか、アジアンテイストのファンタジーに興味があるとか、もしもそれらに多少でも引っかかるものを感じたならば是非とも一読を薦めたい作品。
個人的にはむやみやたらなアニメ化や実写化はNo thank you.な方なんだけども、本作は今夏のアニメ化では是非とも大大大ブレイクを果たしてもらいたい。楽しみにしています!
今巻での大きな出来事といえば、チンギス・カンの四男にして才気煥発「炉の主」であるトルイの死でしょう。トマトスープ先生 -
Posted by ブクログ
1巻では主人公であるシタラがファーティマになるまでを丁寧に描いていたが、2巻でもう1人の重要人物であるナイマン族の娘〈ドレゲネ〉がモンゴル帝国の大カアンの妃に収まるまでを濃密に描き上げている。
ふたりに共通しているのは、大事な居場所や親しい人達をモンゴル族に奪われており、その憎しみや怒りが未だに心中を吹き荒れていること。
暴風雨を呪いで起こすことができるという「ジャダ石」を偶然にも手にしたファーティマが偶然にもジャダ石を捜していたドレゲネと出逢うことになるのはもはや運命。
草原の覇者・モンゴル族がいよいよ金国征伐に乗り出す前夜。帝国の内外に嵐の気配が迫りつつある。
1巻でも象徴的だったが -
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あたくし、中学生時分に『蒼き狼と白き雌鹿Ⅳ』という歴史シミュレーションゲームにドドドハマりしたことがありまして、それがきっかけのひとつで大学の史学科を選んだくらいの影響を受けまして、なんなら在学中も一番興味があったのはモンゴル帝国史だったりしました。
それから早ウン十年、社会人デビューと共にすっかり勉強する習慣がなくなったあたくしはあれだけ覚えた年号もなんもかんも抜け去ってしまいましたが、それでもこの作品はあたくしの意識の奥底に眠る、歴史好きの血を沸騰させてくれたんだ!!
まだまだ全然冒頭だし可愛らしい画風に騙されていたけど、めっちゃ丁寧に練られているであろう考証とトマトスープ先生の中世ユ -
ネタバレ
知らなかった事を後悔する面白さ
世界史の教科書ではさらりと触れただけの、モンゴル帝国のイスラム世界侵略。当時の奴隷身分だった主人公シタラの境遇や、主人である奥様との絆によってめちゃくちゃ感情移入させられるし、ムハンマドの「学び」に対する考え方に共感もさせられます。
見捨てればいいだけの奴隷を命懸けで庇った奥様……
「私の娘」という最後の言葉に涙腺が緩みました。
シタラの当面の目的は奥様の本を取り返す事でしょうが、シタラが仕える事になる「ソルコクタル・ベキ」もまた聡明かつ優しくて、シタラは奥様と同じ様に、いつの間にか彼女を慕うようになりそう。
知らなかった「世界史の裏のリアル」が知れる、読んでなかった事を後悔する面白さです!