トマトスープの作品一覧
「トマトスープ」の「天幕のジャードゥーガル」「ダンピアのおいしい冒険」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「トマトスープ」の「天幕のジャードゥーガル」「ダンピアのおいしい冒険」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
1巻では主人公であるシタラがファーティマになるまでを丁寧に描いていたが、2巻でもう1人の重要人物であるナイマン族の娘〈ドレゲネ〉がモンゴル帝国の大カアンの妃に収まるまでを濃密に描き上げている。
ふたりに共通しているのは、大事な居場所や親しい人達をモンゴル族に奪われており、その憎しみや怒りが未だに心中を吹き荒れていること。
暴風雨を呪いで起こすことができるという「ジャダ石」を偶然にも手にしたファーティマが偶然にもジャダ石を捜していたドレゲネと出逢うことになるのはもはや運命。
草原の覇者・モンゴル族がいよいよ金国征伐に乗り出す前夜。帝国の内外に嵐の気配が迫りつつある。
1巻でも象徴的だったが
Posted by ブクログ
あたくし、中学生時分に『蒼き狼と白き雌鹿Ⅳ』という歴史シミュレーションゲームにドドドハマりしたことがありまして、それがきっかけのひとつで大学の史学科を選んだくらいの影響を受けまして、なんなら在学中も一番興味があったのはモンゴル帝国史だったりしました。
それから早ウン十年、社会人デビューと共にすっかり勉強する習慣がなくなったあたくしはあれだけ覚えた年号もなんもかんも抜け去ってしまいましたが、それでもこの作品はあたくしの意識の奥底に眠る、歴史好きの血を沸騰させてくれたんだ!!
まだまだ全然冒頭だし可愛らしい画風に騙されていたけど、めっちゃ丁寧に練られているであろう考証とトマトスープ先生の中世ユ
知らなかった事を後悔する面白さ
世界史の教科書ではさらりと触れただけの、モンゴル帝国のイスラム世界侵略。当時の奴隷身分だった主人公シタラの境遇や、主人である奥様との絆によってめちゃくちゃ感情移入させられるし、ムハンマドの「学び」に対する考え方に共感もさせられます。
見捨てればいいだけの奴隷を命懸けで庇った奥様……
「私の娘」という最後の言葉に涙腺が緩みました。
シタラの当面の目的は奥様の本を取り返す事でしょうが、シタラが仕える事になる「ソルコクタル・ベキ」もまた聡明かつ優しくて、シタラは奥様と同じ様に、いつの間にか彼女を慕うようになりそう。
知らなかった「世界史の裏のリアル」が知れる、読んでなかった事を後悔する面白さです!