ロバート・ルイス・スティーヴンスンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ冒険小説の古典的名作「宝島」の作者スティーブンソンが書いたミステリー風の小説。
ボヘミアの王子フロリゼルの関わる二つの奇妙な事件が収録されている。
メインキャラクターはフロリゼル王子なのだが、章によって違う登場人物の視点での物語になる。
19世紀のロンドンとパリが舞台。
序盤のフロリゼル王子は、自ら刺激を求めて危ないことに首を突っ込んでゆく感じで、お付きの臣下ジェラルディーン大佐が諫めても聞かないタイプでなんと
なく漫画「レベルE」のバカ王子とダブってしまって、あのキャラクターの元ネタはこの王子なのかと思ってしまった。
しかし、後半の章になるにつれ高潔で正義感の強い人物になってしまい、さ -
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Posted by ブクログ
ネタバレジキルとハイドとはこういうことだったのかぁ。
人間の心とは複雑なもので、決して平面的に見られるものではないってことか。
立体的だから、どこか一カ所の側面ばかりに重心を置いたら転がっちゃう。
その正反対の自分と向き合わないと、バランスがとれない。
善人と悪人は表裏一体かもね。
自分でも信じられないくらいの汚い部分があるから、それを発散させることで善人である自分を保っていられるのね。
つまり善人でいるには、自分の汚い悪人の部分もちゃんと知っておく必要がある。
…じゃあ善人代表のキリストが人間だとしたら、自分の邪悪な側面をしっかりわかってるってこと?そうじゃないとおかしいもんね。人に説法する -
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Posted by ブクログ
小学生の頃に一度読んだことがある。今回は『ナボコフの文学講義』予習の意味もあって再読することにした。
「ジーキル博士とハイド氏」といえば二重人格の話だということは誰もが知っている・・・・・・のだが、これ、ある意味凄まじいネタバレではないだろうか。もし予備知識が全くない状態であれば、もっともっと面白かったと思う。ぜひ発表当時に読みたかった。
巻末の解説には「あまりにも有名すぎて、かえって読まれることの少ない名作」とあるが、全くその通り。『フランケンシュタイン』を読んだ時も全く同じ事を思ったのだけれど。B級ホラー的なイメージばかりが先行しがちだが、実際に読んでみるとギャップに驚くのではないだろ -
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Posted by ブクログ
読んでない名作古典を読んでみようコーナー。善悪の戦いや二重人格の話というより、変身願望や偽善(人の弱さ)の話という印象でした。かなり有名になので仕方ありませんが、ハイドの正体が中盤まで伏せられている構成だから知ってるとちょっぴり損。ハイドの起こしたのに良く似ている事件が、最近ニュースで散見されるのに少々憂鬱な気分になりました。
ジーキル博士の放蕩生活の具体的中身が伏せられているのはカットされたのか仕様なのか。ジーキル博士の「欲望を我慢できない」性格に共感してしまってちょっと反省。二元論で語るならジーキル博士が欲望に敗北(堕落)する理性(良識)、ハイド氏が我慢の効かない衝動の塊だと私は思いま