ロバート・ルイス・スティーヴンスンのレビュー一覧
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内容は有名なので内容は知っていました。映画や舞台ではジーキル博士を主人公としているものが多いですが、原作では前半は友人のアタソン弁護士からの第三者目線での「善良なジーキル博士と、悪行のハイド氏の関係は?」という謎の物語、そして後半は2つの手紙によりその謎の回答となっています。
私は内容は知っている状況で読んだのですが、知らずに読んだら前半はアタスン弁護士と一緒に謎を不思議に思い、後半はジーキル博士の焦燥感を感じながら読んだだろうなあ。
※※※以下ネタバレしています※※※
私が知っていたのは「薬により、善のみのジーキル博士と、悪のみのハイド氏に分かれる」ということだけだったので「もともとジー -
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ネタバレ 購入済み
「自殺クラブ」という奇怪なタイトルの短編に心惹かれて購入したが、内容はそこまで猟奇的とも思えず、良識の範囲内に止まっている感があった。むしろ、「ラージャのダイヤモンド」の話の広がり方や、ハラハラさせる場面展開の方を面白く読んだ。
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Posted by ブクログ
往来堂書店「D坂文庫2015春」からの一冊。
知らない人はいない名作ではあるけれど、ダイジェスト版でしか読んでない、あるいは読んだがストーリーは忘れた、という人が多いんだろう。かく言うワタシもその一人。そこで、異動と引越しで読書に集中できないときに、これならと軽い気持ちで手にしてみた。
ところが、これが予想以上に面白い。まさに、冒険小説の元祖はここにあり!魅力的な海賊、(意外に残酷なシーンが多い中)成長してゆく少年、見守る医者。逃亡があって、捕獲されて、裏切りがあって、そのまた裏があって。子ども向けの物語に留めておくのはもったいない。
読んでいる間はこの冒険譚の世界にどっぷり浸かって、わくわく -
Posted by ブクログ
名作ブンガク
かかった時間120分くらいか
文学のほうが新書より時間がかかる。
名作だが童話バージョンしか読んだことがなかった本作品については、以前「フランケンシュタイン」をよんだ時から、関連作品として興味をもっていた。
あらすじは言うまでもないが、名士で知られるジーキル博士が、自身の二面性と肉体の可変性を医学的に研究し、ついに自身のもうひとつの人格を肉体として発言させることに成功したものの、最後にはそのもうひとつの人格に肉体?人生?を乗っ取られてしまい、破滅に至る物語である。
読んでいて、たしかに「フランケンシュタイン」と同じように、科学(医学)の可能性への憧憬と恐れがおこりはじめたこ -
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弁護士アタスン氏の古い友人である医者のジーキル博士には恐るべき秘密が隠されていた。
アタスン氏の住むロンドンの街では不気味な人物ハイド氏に関する奇妙不可解な事件が起きていた。アタスン氏は友人であるジーキル氏とハイド氏に謎の接点があることが分かってくる。
アタスン氏はついに友人のラニョン医師の手記とジーキル氏の陳述書から真実を知ることになる。
この『ジーキル博士とハイド氏』は従来より人間心理の二重性に触れた作品として知られている。ジーキル氏は資産家の家に生まれ、幼い頃より努力と徳の節制した生活をしてきた。しかし、彼は欲望に旺盛であり、そういった欲望を節制により抑圧してきたのである。
だが、のち -
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表面では立派な性格を持ったジーキル博士が、一方ではエドワード・ハイドという残虐な殺人鬼としての顔を持つ話は有名だが、改めてこの短編を読んでいてまるで小さな推理小説のようにも思えた。
しかし、私が最もそそられた点は「ジーキル博士の事件の全容」の告白である。
彼の苦悩はまさに宗教的なものであり、自分は二重人格であることを認めてさえいた。まるで「聖闘士星矢」のサガのようである。
薬を飲んで、著名な学者であるジーキル博士の肉体を脱ぎ捨てエドワード・ハイドの肉体を身につける。そしてそれが彼にとっては愉快であった反面、自分を苛んでいたのはもはや絞首台の恐怖ではなく、ハイドであることの恐怖であった。
これ -
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ネタバレ理由なき自殺願望者が集う、ロンドンの街。ボヘミアの王子フロリゼルは、悪の正体をつかむべくロンドンの夜を奔走する。
これも何も知らずに、文庫裏のあらすじだけ見てふっと借りた本(私はそれまで、スティーヴンソンは一冊も読んだことがなかった)。
で、すっかりハマってしまった。
とうにかく私は、こういう話が好きなんである。人間的な感情よりもむしろ、物語としての魅力が詰まった、軽妙だけど割りとこってり系の本が。
この本も読んでいて、会話や文章どころか、行間からも(!)物語の匂いがぷんぷんして、もう堪まらなかった。うーん、最高。物語の香りに酔えた一冊。
でも、多くの人が言っているように、最後がちょっとい -
Posted by ブクログ
いや、面白かった。
古い本だし、読みづらいのは仕方あるまいと高をくくっていたのだが、そんなことはなかった。
読みやすく、しかもリズムのよい展開、ひきつけられる巧みな心理描写で、即座に読み終わった。
数時間だったと思う。中島敦はあんなにかかったのに…笑
有名な話なので結末を知ってしまっていたから、後半に向けて謎がとかれるワクワク感は少なかった。(十分に楽しめたけれども)
もし知らずに読んだら、結末にどれほど驚愕しただろうかと思う。
人間のこころの闇をとらえている。
ひとは誰でも彼のようになりえるのだろう。
もっと専門的な内容かと思ったが、そんなことはなく、エンターテインメント的だった気がし -
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