ロバート・ルイス・スティーヴンスンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
子供の頃に「宝島」を読んだことがある。子供向けの「宝島」は第三者がストーリーを語るスタイルで、主人公の少年ジムの冒険物語として書かれていたように思う。今回、改めて原作の宝島を読んでみると、子供の頃の印象とは随分違う印象を受けた。語り手は第三者ではなく、主人公のジムだったり医師だったり、時折作者が登場する。ジムは子供だったような記憶があるが、もう少し年上の少年で、年齢以上に機転が効いたり洞察力があったり、行動力があって、大人のような印象を受けた。ストーリーも宝を手に入れるまでのドタバタが長くて(騙したり騙されたり、色々な仕掛けがあって、面白くて飽きないけれど)、宝探しの部分は意外とアッサリした感
-
Posted by ブクログ
アタスン氏の語りにより進められる、博愛家で有名なジーキル博士と残忍なハイド氏の奇妙な関係。なんとなく二重人格の話?という印象を持っていたのですが、読んでみると、そんな単純な話ではありませんでした。
良い人と思われたい。だけど、欲望のままに自分を満足させたい。清さや愛を求める心と、罪や享楽を求める欲望を併せ持つのは、いたって普通な人間の姿だと思います。だけど罪にふけりすぎると結果自分自身を滅びへと招いてしまう。でも相反する二つの心を持っているのはつらい。人の持つ葛藤をこの物語はよく現していると思います。
そう、そして、ジーキル博士に言いたいのは、そんな罪人のあなたを主は愛している、ということです -
Posted by ブクログ
ネタバレ【本の内容】
街中で少女を踏みつけ、平然としている凶悪な男ハイド。
彼は高潔な紳士として名高いジーキル博士の家に出入りするようになった。
二人にどんな関係が?
弁護士アタスンは好奇心から調査を開始するが、そんな折、ついにハイドによる殺人事件が引き起こされる。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 -
Posted by ブクログ
ある日弁護士アタスンは友人との散歩の道中で、薄気味悪い奇妙な建物に住む冷徹で悪魔のような男ハイドを知る。
その晩、金庫からアタスンは古くからの友人で立派な人格を持つジキル博士から預かっていた遺言状を見返した。そこにはジキルに万が一のことがあった際、全財産をハイドへ譲るよう書いてあったからだ。アタスンはハイドと会うことを決心する。例の建物の戸口でハイドに会えるが、やはりジキルには会えない。
それから1年後、街ではある凶悪な事件が起こる―。
人々の救済に尽力し、人格的にも優れたジキル博士。その対格にいる、背丈も風貌も様変わりした純粋悪のハイド。自身のなかの善を知り認めながらも、悪を抑えきれない人 -
Posted by ブクログ
11月15日の夕方に、池袋東武の本屋に寄って、そうだあしたのメロディアスライブラリジキルとハイドなんだよなーと適当にありものを買った。
光文社の古典新訳ってむかしカラマーゾフの兄弟を買ってすごいひどい目に遭って、なんとなくあの表紙の装画自体避けてたんだけど、単に訳の選び方だから文庫レーベル関係ないよな……とはおもったけどやっぱ他の文庫でジキルとハイド見つけてたら光文社で買わなかったとおもう。装幀もなんか小説っていうよりビジネス本みたいにつるつるしててわくわく感無い。
内容はなんていうか、頭のとこのアタスン氏とエンフィールド氏のおさんぽのくだり、特に共通の関心事も無いし他人に会うとほっとするくら -
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレまたレビューで無知をさらけだしにきた。
善と悪との絶えざる闘争。人間は善と悪という二元性を併せ持つ存在として描き出される。
私のお気に入りは、変身がたび重なる中でジキルがアタスンに対して、「自分で自分が信じられない」と言い放って、現実世界についての判断をゆだねてしまうシーンである。
これはまさにスティーブンソンが、善と悪との闘争の中で、自分を見失う人間の姿を克明にえぐり出した場面と言える。
人は、認識において「一貫性」を求めたがる。ある部分までは、理性的な判断によって対処が行われるが、対応できない部分に関しては、拒絶し遠ざける傾向にある。善と悪という正反対の事象が並立し、自己矛盾を日々生 -
-
-
-
-