西口一希のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
マーケティングについて、実践的な内容が体系的にまとめられている一冊。
この手の本はBtoC向けの印象が強く、BtoBで1顧客を深耕していくような場合には適用しにくいことも多いが、本書の「N1から始める」という考え方は、ソリューション提案にも活かせると感じた。具体的な顧客を深く理解し、そこから便益と独自性のあるビジネスアイデアを生み出し、プロダクトアイデアとコミュニケーションアイデアに分けて磨いていく流れは実践的。
特に、アイデアに再現性があるかを問い続けること、行動データと心理データの両方を見ることは、顧客起点の提案活動にそのままつながる。自分の仕事でも、N1理解から課題の質を高めていきたい。 -
Posted by ブクログ
日々の営業活動の中で視点が狭まった時にもう一度読みたいな。ITメーカは企業文化としてプロダクトアウトで語りがちなので…顧客起点・お客様を真ん中に置くというスタンスは忘れないでいきたい。
★見直しポイント:顧客セグメント、ストラテジーマップ、ケーススタディの後の実践の章
・BtoCの話としてイメージしていたが、BtoBでも結局同じことに気付かされた
→エンドユーザーのインサイトがどこにあるのか、ストーリーを深堀していく
・パナのケーススタディ
→営業は売って終わり。しかもステークホルダーが多いというのはIT業界に身を置く者として実感としてそう。CSやSEのほうが、売った後のエンドユーザーのことを理解している。組織を横串で繋ぐものは"顧客理解"であるべき、は刺さりました。
・外れ値
→カスタマーとして、ユニクロのインタビューを受けたことがあって、その時に"外れ値"について聞かれたことを思い出しました。
エアリズムのマスク、売上的にはそんなにヒットせずだったが、私は日常使いというよりサウナの中で使っているよ、温度の高いサウナ好きなんだけど唇まわりは皮膚が薄いから暑すぎるとダメージ食らう、その点エアリズム素材のマスクは濡れても絞ったら全然呼吸できる布マスクなので便利的な話、凄く深堀された記憶。
営業は売上を上げることが主務。マーケットの傾向に上手くハマった事例を取り沙汰することも多く(その方が売る牌が多く見えるから)、外れ値は重視されないがち。肝に銘じたい。 -
Posted by ブクログ
新サービスの立ち上げに関わることになり、マーケティングに入門するために購入した一冊。
マーケティング関連の本が乱立しており、何を学べばいいのか迷子になっている人に向けて、コンパスを授けるような内容。
とにかくマーケティングは、「顧客」に向けて「価値」を「創造」すること
顧客を起点に考えて、価値を見出してもらえるよう、必要なことをすべてするのがマーケティング
これがマーケティングの原則であり、原則を意識することでシンプルに考えることができ迷わなくなる。
巷で紹介されている様々なマーケティングのテクニックは、あくまで顧客に価値を届けるために手段であることを忘れてはいけない。
またマーケティングの原則は、キャリヤや人生においても活かせるものがあり、自分のようなお客様の課題を解決することを生業にするエンジニアにこそ、この本を強くお勧めしたいと思った。 -
Posted by ブクログ
ブランディングの主たる目的は、商品・サービスを売るためではなく、あくまで商品・サービスを記憶し、識別しやすくするためのものです。ブランディングそのものが、買ってもらうための「便益」になるわけではありません。
BtoC(消費者向け)、BtoBを問わずほとんどのカテゴリーにおいて、購入される理由、継続的に購入してもらえる理由は機能的な便益や独自性です。ブランディングとしての記号化は、それらの便益や独自性を競合や同類から区別するものです。
ブランディングは、付加的な価値として情緒的、感情的な好感度を生み出すことはできますが、好感度だけでは購入にはつながらない可能性が高いことを理解しておく必要があります。そもそもの商品・サービスの便益や独自性が弱ければ、ブランディングに大きな投資をして、ブランドに対する好感度などを向上させられたとしても、継続的な購入にはつながりません。
筆者が所属していたプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)でも、1990年代から、ブランドエクイティの概念はマーケティングに導入され、活用されていました。ですが、厳密な調査を土台に運用されていました。
具体的には顧客が実際に認知しているブランドのイメージである結果としての「ブランドエクイティ」と、企業視点で顧客に認知してもらいたい期待としての「デザイアード・ブランド・エクイティ(望ましいブランドエクイティ)」を分類して運用していました。
しかし、多くの企業では、このような区別はなく、「顧客が既に持っているイメージ」「企業が発信するイメージ」「企業として顧客に期待するイメージ」「売り上げや利益に貢献するイメージ」「売り上げや利益に貢献しない(するかどうか分からない)イメージ」などが一緒くたにされ、無用な混乱と誤解が起こっています。
「ブランディング」とは、BRAND=あるべき姿を規定し、形にし、ING=あらゆる活動を通じてそれを伝達、浸透させることです。
ブランド・マネージャー認定協会によれば「ある特定の商品やサービスが、消費者・顧客によって『識別されている』とき、その商品やサービスを『ブランド』と呼ぶ」とされています。
つまりブランドとは、消費者や顧客から自社の商品・サービスが、他の企業の商品・サービスとは「違うもの」として認められることで成り立つものです。ですから、ブランディングとは単に認知を高めることではありません。
アップルをはじめ、現在成功しているブランドの多くが独自性のあるロゴやネーミングをつくり、最初から消費者や顧客が識別しやすくしていたという点は重要です。ですが、必ずしも、それが直接的に売り上げを上げたり、顧客を増やしたりする要因にはなっていません。
自社の商品・サービスと他社のものとが明らかに区別されること、消費者や顧客に「その企業ならではのもの」として認識させるための取り組みがブランディングです。そこでは、自社が伝えたい企業や商品の価値と、顧客が購入したり、使用したりするにあたって必要とするイメージを一致させることが大切です。
他社と区別できると、集客、販促、PRといったマーケティング全域において優位性を保つことができます。「このカテゴリーなら、このブランド」といったイメージを定着でき「顧客から選ばれやすくなるため、市場競争力が高まります。
ブランティングの3つの目的
①プロダクト(商品・サービス)の記憶化と想起性の確立
・顧客が価値を見いだす機能的な「便益」と「独自性」の特定
・価値となる機能的な「便益」と「独自性」の記憶化と想起性の確立
・商標の法的保護
→購入の継続性
ブランディングがもたらす6つの効果
(1)競合からの区別化
ブランドネームやロゴ・意匠などで、他競合とは区別されて認識されるようになる。
(2選択意思決定の単純化・固定化
顧客の認知が整理されることで、再び同じ物を選ぶようになる。
(3)顧客のロイヤル化
商品・サービスの便益と独自性が記憶され、ブランドロイヤルティー(継続購入、購入頻度、購入単価)が形成される。
(4)価格優位性の獲得
同じ品質・スペックの商品について、競合よりも高い価格で販売が可能になる。
(5)価格競争の回避
「顧客にとっての価値」を無視した価格競争に参加する必要がなくなる。
(6)プロモーションコストの削減
(1)~(5)の結果、販売促進のコストを低下させられる。
②情緒的・心理的価値の提供
・機能的な便益と独自性に付加する、「情緒的・感情的な便益と独自性」
→付加価値の創出
③インナー、モチベーション、リクルーティング
・ビジョニング、モチベーション、リクルーティング
ブランディング実施の3つのステップ
ステップ1:商品・サービスの便益と独自性の明確化
ステップ2:その便益と独自性を「誰に」伝えたいのかを、カスタマーダイナミクスのフレームワークを用いて明確化する
ステップ3:対象者に便益と独自性を伝える上で最も適切な施策を検討する
そこで、NPIの優位性を検証するため、M-Forceとマクロミルで6カテゴリー・ブランドに対する調査を実施しました。調査では対象カテゴリーとブランドのそれぞれで、20年12月に実施した調査で取得した認知度、満足度、好感度、NPS、NPI、半年、1年が経過した後の金額シェアの相関を調査しました。これらのマーケティング指標と市場シェアを、半年後、1年後でそれぞれで比較して相関関係を分析しています。相関性が高いほど、未来の市場シェアを予測する有効な先行指標だと言えます。その調査結果が上表となります。数値が1に近づくほど、相関性が高くなります。
半年後、1年後の市場シェアとNPSを比較した結果、相関係数は0.276と最下位でした。これは、NPSが高くても、顧客自身がその商品やサービスを継続的に購入するかどうかには大きく影響しないことを示しています。
一方で、NPIは市場シェアとの相関性が高く、1年後の相関係数は0.713と最も高い数値を示しました。これは、NPIが市場シェア拡大の先行指標として有効であることを示しており、ブランドの強さや成長性を見極める上で重要な指標として活用できることが証明されています。さらに、u-NPIについても同様に、リピート率や購入頻度と強い相関を示しており、NPSとは対照的に、実際の購入行動に密接に関連する指標であることが明らかになっています。
NPIの割合:高、u-NPIの割合:高
・既存顧客の維持率が高く、継続的な利益の獲得が見込める
・かつ、市場全体の購入意向も高いため、新規顧客の獲得がしやすく、CPA(顧客獲得単価)も低く抑えられる
・既存顧客の離反を上回る新規顧客獲得と高い定着率が見込める理想的な状態
NPIの割合:高、u-NPIの割合:低
・既存顧客のリピートが見込めず、一過性の消費になりやすい
・市場全体の期待は高いため、一定の新規流入は見込めるものの、離反しやすく顧客の入れ替わりが激しい
・広告やPRに多額を投資し、市場の期待は高めたが、商品自体の魅力が薄い場合に起こりやすい
NPIの割合:低、u-NPIの割合:高
・既存顧客の維持率は高いため、一定期間は継続的な利益の獲得が見込める
・市場全体での購入意向は低いため、CPAは高くなる傾向があるが、一度購入されれば定着する可能性は高い。未購入層のNPIが低いままだと、ニッチ化する可能性がある
NPIの割合:高、u-NPIの割合:高
・既存顧客のリピートが見込めず、新規顧客の獲得も期待が薄い
・市場全体の期待が低いため、新規顧客獲得と既存顧客の維持の両方に大きな課題がある
中小企業のブランディングの基本的な戦略
1つめは、「自社の商品・サービスに備わっている強い便益と、他の選択肢を選ばない独自性を定義する。そして、その価値を見いだす顧客を特定し、その顧客層に絞り込み、愚直に提案し続ける」こと。そして、2つめは「価値を見いだしてくれるかどうかが分からない不特定多数に提案するような施策や投資は避ける」ことです。 -
Posted by ブクログ
マーケティング施策立案において、ひとりの顧客を深掘りしてインサイトとアイデアを見つけ出す「N1インタビュー」の具体的なやり方や、企業事例が書かれている。
自分が仕事で携わる商品・サービスでも、「顧客ヒアリングをやるぞ!」となった時に、考え方/姿勢や具体的なヒアリング項目作成において参考になりそう。
とはいえ組織がそう言う方向に変わっていくことも当分なさそうなので、自分のできる範囲でまずは周囲の家族とか友達にN1インタビューを実践して結果を出していきたい。
困難を乗り越えてきたマーケターの生の声や事例を見ると、進めていく勇気ももらえる。どうしても社内浸透を進められなくなった時には、また立ち戻りたい本。
まったく余談だけど、N1分析のスキルとは究極的には相手のことをしっかり観察して、推測するスキルと感じたが、これシャーロックホームズがやってるなと。
(並行して読んでるので勝手に繋がった)