チョ・ナムジュのレビュー一覧

  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    中途半端に終わった気もしたけど、だからこそよかったかも。誰もがハッピーになる事は絵空事でしかない題材だったから。

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    2025年07月20日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    これは特別な話ではないのか。男だからわかっていないのか。年代的には他人事ではないのだが。韓国特有の話なのか。

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    2025年07月19日
  • サハマンション

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    ネタバレ

    最終章、ジンギョンが総理館に乗り込んで行くシーンは映画さながらだが、結局ウミもトギョンも生きていたのかどうかわからず、唐突な感じで終わるので不完全燃焼。
    ただしサハマンションの薄暗い感じや湿度、物音、そこでの生活の描写とここに逃げ込まずにいられなかった人の背景などのストーリーと文体はとても引き込まれた。
    チョ・ナムジュはもっと読みたい

    ■214号室、サラ
    「ナプキンを出して鶴を折った。ナプキンとしては厚くてしっかりした紙で、気をつけて折ると十分に思い通りの形に折れた。以後、ヨナは夫に殴られるたびにナプキンで折り鶴を折った。一日に一個だけの日もあれば、三羽、四羽と折る日もあった。窓枠の上に一列

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    2025年07月17日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    ネタバレ

    大変読みやすく、面白いと言う表現は語弊があるけどとても満足度の高いものでした。作品全体を覆う閉塞感はジヨン氏のものなのか。時々涙が出そうになるくらい辛かった。最後の数行の仕掛けは秀逸で、救いの無さに思わずうおーっと声がでた。女性の社会的地位の低さは日本も似たところはあるだろう、だけど慣れてしまって気づかないことがどんだけあるだろう。
    救いはジヨン氏のお母さんが学歴もない中、家庭を切り盛りし商売を成功させ、アホボンな旦那に一撃かますとこ。ほんとカッコよかったね!

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    2025年06月09日
  • 彼女の名前は

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    これも『82年生まれ、キム・ジヨン』からの流れで読んだ。同じ作者の短編集なんだけど、どれも読んでて苦しくなるような話が多くて1話読み終えるたびにけっこう疲弊した。なので進むペースは遅くなったけど、そのぶん一つひとつをちゃんと受け止めながら読めた気もする。

    苦しさのなかに、ほんの少しの希望が見える話もあって、ただ絶望を突きつけられるだけじゃないのが救いだった。中には連作っぽくつながっている話もあって、小説としての構成も面白い。

    フィクションなんだけど、全然他人事に思えなかった。描かれていることの多くが、今も現実に起きていることなんだと思いながら読んでた。社会の側が当たり前のように押しつけてる

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    2025年05月13日
  • 彼女の名前は

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    28の物語を収めたこの短編集では、28人分の女性の人生の一部分がそれぞれ描き出されています。いずれも、韓国の現代社会に生きる女性たちの、きっとリアルな生き様で、国を超えて共感できる部分も少なくありません。
    セクハラとたたかう女性、結婚が招く理不尽さにあえぐ女性、労働環境の改善を訴える女性。日常のつらさに直面して、切り開こうと努力する、あるいは受け入れて消化する、彼女たちの問題への対処のスタイルはそれぞれだけれども、芯があってその道行きを応援したいと静かに思う。女だからではなく、人として当たり前のしあわせを掴んで欲しい、と思うから。

    最後の一編は小学生の出馬宣言で締めくくられます。どこか背伸び

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    2025年05月11日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    話題の本なのでチェック。読みやすいのであっという間に読み終えられると思う。

    韓国の物語ではあるが、日本とそう変わらないと思う。そして、ここでキム・ジヨンの遭遇する苦難はこのように“わざわざ文章化して発表されなければ「あたりまえ」とか「仕方ない」で片付けられるような透明なハードルであろう。

    俺は男だが、彼女らのことを追体験するように没入できた。

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    2025年05月06日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    すごくわかる、共感する
    韓国の文化が知れておもしろい
    子を持つこと、働きながら子供を育てること、いまタイムリーに自分が悩んでいるところだから刺さることが多かった
    解決はしない問題。

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    2025年04月22日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    タイトルは聞いたことがあったが、今回読書会の課題図書、という縁があって読むことができた。たいへん身につまされ、身になるよい小説。題材はフェミニズムだが、多くの社会システムによって弱者にされてしまっている人たちの告白ともとれる。やはり不寛容さには不寛容さで臨むべきだが、トランプのアメリカが究極の不寛容さを炸裂させている中、少しずつ良くなってきた世界がまたも弱者を増やす方向に動いていることに、心を痛めている。考え、行動し続けるしかないですね。

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    2025年04月19日
  • 耳をすませば

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    ネタバレ

    2010年代の物語。
    当時は様々なサバイバルオーディション番組が制作されていたのは知っていたけれどこの賭博のオーディションは新しいな、と設定が興味深かった。

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    2025年04月07日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    ネタバレ

    初韓国文学、初フェミニズム小説。
    読む前はタイトルに惹かれただけで、フェミニズム文学とは知らなかったけど、読んでいくうちに日本でも同じようなことが起きているなと思った。

    ネットでフェミニストはバカにされる対象だし、逆差別という主張はレディースデイ、レディース割への反論でも記憶に新しい。ミソジニー的な犯罪や発言は溢れかえっているし、2025年の今の日本でもホット。
    なぜここまで性別で揉めるのかと考えると、解説にあるように自分にはない特権を持っていると捉えてしまうことが発端で、女性だけでなく多岐にわたるマイノリティへのヘイトの多くがこれ。
    それってつまり、みんなが苦しんでいる証拠かなと。政治や経

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    2025年04月01日
  • 彼女の名前は

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    それぞれの話の背景には住宅格差、厳しい学歴社会、就職難、ストライキ、デモ参加などが見え、日本社会ではそれほど馴染みがないこれらに「韓国って日本より過酷だな」と呑気に思ってしまうかもしれない。しかし解説にある通り、男女格差は日本の方が遥かに遅れており、危機感を持ちたいところだ。韓国のジェンダーギャップ指数が日本を上回ったのはこの本の女性たちのように声を上げ続ける人がいたからだ。著者がこの本や『82年生まれ、キム・ジヨン』を書いたように、作家たちが世界に発信し続けているからだ。

    28人の韓国人女性たちの声が聞こえる。日本人であっても女性ならばきっと誰かに共感し、互いを抱きしめ合いたいと思うだろう

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    2025年02月17日
  • ソヨンドン物語

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    金を前にすると人は変わる、ということを実感した。
    ソウルにある架空の街ソヨンドンが舞台の作品。
    それぞれのストーリーによって同じ人でも描かれ方が随分と異なっていた。
    様々な視点から見ないと人は理解できないんだな、と学習。
    「街」という舞台を利用した面白い作品。

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    2025年02月16日
  • ソヨンドン物語

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    ソヨン洞のマンションを舞台にした連作短編集。
    書評家の三宅香帆さんがこの作品を韓国版タワマン文学だ!と言っていて、興味が出て読みました。

    もっと下世話な話なのかと勝手に想像していたのですが、実際読んでみるとソヨン洞という架空の都市を舞台にして人の感情の機微を繊細に描いた作品でした。とても面白かったです。
    作者のチョ・ナムジュさんは日本の読者への後書きの中で「私が伝えたかったのは、個人ではどうすることもできない時代と社会の不幸を前に、我々はどんな選択をできるのか、どんな態度をとるべきかという悩み、さらには人間らしさを失わずに生きる方法に対する問いかけでした」と述べています。
    作中でテーマになっ

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    2025年02月12日
  • ソヨンドン物語

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    韓国ソウルの架空の街を舞台にした不動産連作短編集。所得格差、価値観、マウンティング、教育、介護…暮らしを構成する光と影が炙り出されていて、不動産業をかじった身として苦しくなる部分もあった。再開発のひずみは東京でも同じこと。

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    2025年02月09日
  • ソヨンドン物語

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    捉えている問題の鋭さも、関係性によって見え方の変わる登場人物たちの書き分けも見事なのだが、読むのが苦しい物語たちだった。

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    2024年12月03日
  • ソヨンドン物語

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    気が滅入るような重いテーマだが、登場人物が交錯するストーリーの展開がテンポよく最後まで読ませ、読後に課題を読者に置いていってくれる手法。さすがチョ・ナムジュ。
    不動産投資巡る話だが、その中の人間関係の描き方に奥深さを感じる。
    誰もがこの問題に対しての主人公であり、登場人物が変わるごとにこの問題の様々な課題をバトンを渡すように展開している。
    私は特に塾の経営者の生き方、そして生き方の変化がこの問題のシンプルな部分を表しているように感じた。

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    2024年11月27日
  • 耳をすませば

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    翻訳本を読み始めるとよくあるのが、翻訳にありがちな文体に慣れないことと外国の名前になかなか馴染めないので、最初読み進めるのが困難に感じる。この本もそうだったが、だんだん読み進めると、物語の面白さに引き込まれて行った。
    大人たちの欲望に振り回された少年。大人たちこそが良心の声に「耳をすます」必要があると言うことが、著者のタイトルに込めた意味だろうか。

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    2024年10月05日
  • 私たちが記したもの

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    梅の木の下、誤記、家出、ミス・キムは知っている、オーロラの夜、女の子は大きくなって、初恋2020。女性たちの物語。貧富の格差、家父長制、女性差別の中で生き抜く女性たちのお話。(우리가 쓴 것)

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    2024年08月02日
  • ソヨンドン物語

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    ソヨン洞のマンションが舞台の連作短編集。

    不動産階級社会と言われる韓国。そんな韓国の不動産事情について知りたい時にタイムリーに出版された本なので読んでみた。

    マンションの価格高騰に乗じて不動産投資で資産増やす人、教育に力を入れるママ、貧困に喘ぐ若者などの欲望と苦しみと悲しみと不幸は誰にでも当てはまるリアルさで身近すぎてしんどい。それでも生きていかなきゃいけない人々の人間臭い魅力を感じてぐいぐい読んだ。

    連作短編なので登場人物は何度か登場するが、話によって人物像が違って見えるのも面白い。

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    2024年07月22日