チョ・ナムジュのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ成功しなくても夢が叶わなくても、日々は続いていく…
子供のときにソウル五輪で体操するコマネチに心奪われてから、マニは体操選手になる事を夢見る。母の勧めで体操教室に通い始めたが実はそこはエアロビ教室だった。でも夢は諦めない。
母の大きな期待を背負い、私立の体操部のある学校へ転校する。そこで実力の差を思い知ってしまう…
30半ばになりマニはリストラにあう。裕福とはいえない暮らしの中での出来事に母に叱咤される。
現在のマニが子ども時代を回想しながら物語は進んでいく。
世の中には夢を叶えられなかった大人のほうが多い。夢を諦めた後も日々生活は続いていく。
描写がリアルでマニに共感しながら読めました。
ソウル五輪で急速に経済発展を進めた裏では、住民の立ち退きなど影の部分もあったんですね。
後書きもおもしろかった。
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Posted by ブクログ
ネタバレえ、ここで終わり?!
というところでブツっと終わった。
(全部で253ページあるけど、物語は195ページで終わる。あとは著者後書きとか解説。)
なるべく直訳になっているせいなのか、
???となる文章がちょこちょこあった。
内容自体は、少し前の日本を見ているようだし、
私も昭和かよ。みたいな文化が残ってる会社で働いているから、想像より「酷い世界だ、、!!」とはならなかったかも。(感覚が麻痺してそう、こわっ。)
といいつつ最後はすっごい胸糞。
キムジヨンの精神科医の先生(男性)。
「私は精神科医だし、妻も病んでいた時期あるから子どもを持つ女性の大変さなどはよく分かってるだよね。」的なこと言っておきながら、女性スタッフが出産を機にやめるとなったら
「彼女は顔も可愛いし服装もおしゃれだし私の好きなエスプレッソの量もよく覚えてるし良い人だった。でもやっぱ育児の問題があると困るなぁ、、次は未婚の人探さなきゃ。」
という発言。
可愛いとか言ってるのキモいし、コーヒーは自分で入れろだし、子育てする女性に理解あると言っておきながら自分ごとになると結局疎ましいんじゃん。っていう。
滅んで欲しいと思いました!!!! -
Posted by ブクログ
読んでいて何やら胸がチクチクするものの、言語化できない感じがあり、しかし最後まで読んでも結局言語化できないのでは、と思いつつ読み進めた。
本書の感想になるのかならないのかよくわからないが、私自身は自分があまりメンタルが強くないと感じており、しかし長年の人生経験から(?)自分のメンタルを平穏に保つための、適度な人間との距離感を維持できているように感じる。
感じてはいるのだが。しかし一方で他人を(自分勝手な)枠組みの中に閉じ込めていないか。他人を閉じ込めることで自分の平穏を保っているという面が、絶対に無いとは言い切れない気がする。本書には様々な関係性の枠組みが出てくるが、その中であっち側とかこっち側とか、上とか下とか、そういう枠組みが出てきて、物語としてみると確かに「それって少しおかしいんじゃないか」とか感じたりするんだけど、私自身が今まで生きてきた中でそうしたこと(あっち/こっち、上/下)を思ったことが無かったとは言えず、むしろある程度そうした枠組みを(心の中で)保つことで自分の精神を保たせてるのではないか、という疑念が湧いてしまって「チクチク」したのだと思う。
救いだったのは、チャニのママ/ギョンファ/院長先生の言葉
「でも完全な他人事なんて、この世にはないのよ。歳をとると、そういうのが増えていく。それが正しいことでもあるし」(p.202)
きっとギョンファが抱えている問題は何も解決していないのだろうけど、最後にこの言葉が聞けたのは救いだった。そういうふうに歳を重ねていければいいなあと思う。 -
Posted by ブクログ
チョ・ナムジュさんといえば、著書「82年生まれ、キム・ジヨン」がベストセラーとなり、多くの国で翻訳、映画化にもなったのでご存じの方も多いと思います。
私も韓国ドラマから韓国の文化に興味を持ち始め、音楽とともに文学作品として読んだのも彼女のこの作品が初でした。
今回は不動産ブーム、過熱化した教育熱、所得格差を、連作短編集という形で書かれています。
登場人物もソヨン洞のマンションを介してつながっており、意外な場面で意外な人物が再登場する。
「訳者あとがき」抜粋
このつながりと登場場面により、登場人物の人物像が変化するあたりも秀逸です。
そしてこの作品以降、彼女の作品の翻訳本が出るたび、読んできましたが、
この小説を書いている間はずっとしんどく、つらく、恥ずかしかったです。
「作者の言葉」より抜粋
と書かれていて、韓国の中間層の苦悩を著者自身が深く感じていることが窺えます。
「私が伝えたかったのは、個人ではどうすることもできない時代と社会の不幸を前に、我々はどんな選択をできるのか、どんな態度をとるべきかという悩み、さらには人間らしさを失わずに生きる方法に対する問いかけでした」
「日本の読者のみなさんへ」より抜粋
バブルがはじけて以降、地方では感じませんが、日本でも都市部では想像を超える金額のマンションが売り出され、子どもの教育も保護者の所得と比例していると聞きます。こういう問題提起が得意な著者ならではの作品は今後も楽しみです。
本書は2022年1月に韓国で刊行された作品です。
今年ハン・ガンという韓国の作家がノーベル文学賞を受賞しました。今文学の世界でもアジアの中で一歩先を行っている気がしますね。 -
Posted by ブクログ
“答えられなかった。言ったところで、あなたに理解できるだろうか。大学を卒業もしないうちから、ソウルの超高層複合型マンションの一室を所有することになったあなたに、叔父さんのレストランから伯父さんの会社に転職したあなたに、家族のグループトークに親が載せる海外旅行の写真に、何も考えずスタンプを押せるあなたに、そのすべてがごく当たり前で自然なことだと思っているあなたに理解できるだろうか。”(p.64)
「理解できるだろうか」は絶対に理解されないことを深く思い知っている人の反語表現だ。だから親近感をおぼえた。あなたの孤独や諦念に似たものをわたしも知ってるよ、と。読んでいて悲しくなったがこの部分がいちばん好きだった。 -
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キム・イルは、知能が少し下回るためクラスメイトや
両親からも「ばか」と言われている。
ただ、聴く力だけは誰にも負けなかった。
〈見ないでいることはできるし話さないでいることもできるが、
聞かないでいることはできない〉
P146
周りの大人たちがキム・イルを追い詰めていく。
「スリーカップゲーム」大会を開催し
・客足が途絶えがちな市場を盛り上げよう。
・スリーカップ大会を放送し視聴率を稼ぐ。
・聴力がずば抜けている息子を大会に出場させ
賞金を手にしようと目論む両親。
無言で孤独なキム・イル。
反対に、大いに盛り上がり、そして堕ちていく大人たち。
違う世界で生きられたら、救われていただろうか。
キム・イルの心からの叫びが痛い。 -
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ネタバレ抑圧されたタウンの、階級の底辺でもがきながら生きる人々の話。
ひとつの国家が誕生し、それに立ち会った人々の苦悩と、国の外から逃れサハに行き着いた人たち。
そこで生まれた二世、三世にとっては当たり前の世界が、大人になるにつれ、寛容できなくなっていく様子。
サハの住民それぞれの視点で描かれる。
差別、偏見、抑圧の中で生きるサハマンションの人々のリアルが辛い。とてもフィクションとは思えない。どこの世界でも起こり得ることだ。
韓国での社会問題を多数組み込まれて作られた話という事で、作者の現代社会への問題提起を感じた。
全ての人々の話がラストに向けて繋がる訳ではなく、その世界のマンションの住人のエピソードとして書かれるのでまとまりのなさは感じてしまう。
その全部スッキリ描かれない事が、隣人感、リアルさを醸し出す要素なのかも知れない。
あと、韓国風の名前がその音だけでは男女の区別が付かないのは難しさを感じた。