チョ・ナムジュのレビュー一覧

  • 耳をすませば

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    翻訳本を読み始めるとよくあるのが、翻訳にありがちな文体に慣れないことと外国の名前になかなか馴染めないので、最初読み進めるのが困難に感じる。この本もそうだったが、だんだん読み進めると、物語の面白さに引き込まれて行った。
    大人たちの欲望に振り回された少年。大人たちこそが良心の声に「耳をすます」必要があると言うことが、著者のタイトルに込めた意味だろうか。

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    2024年10月05日
  • 私たちが記したもの

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    梅の木の下、誤記、家出、ミス・キムは知っている、オーロラの夜、女の子は大きくなって、初恋2020。女性たちの物語。貧富の格差、家父長制、女性差別の中で生き抜く女性たちのお話。(우리가 쓴 것)

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    2024年08月02日
  • ソヨンドン物語

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    ソヨン洞のマンションが舞台の連作短編集。

    不動産階級社会と言われる韓国。そんな韓国の不動産事情について知りたい時にタイムリーに出版された本なので読んでみた。

    マンションの価格高騰に乗じて不動産投資で資産増やす人、教育に力を入れるママ、貧困に喘ぐ若者などの欲望と苦しみと悲しみと不幸は誰にでも当てはまるリアルさで身近すぎてしんどい。それでも生きていかなきゃいけない人々の人間臭い魅力を感じてぐいぐい読んだ。

    連作短編なので登場人物は何度か登場するが、話によって人物像が違って見えるのも面白い。

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    2024年07月22日
  • サハマンション

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    架空の都市、超格差社会の「タウン」の中でもさらに最下層の人々が住む「サハマンション」。
    職業選択の自由もなく、お金もなく、健康的な暮らしもなく、救いもなく。
    そんな状況が、どこか本当にありそうで、いつかこんなことになる日が来るかもしれなそうで、心がひやっとします。
    架空の国のストーリーだけど、韓国社会の生きづらさや日本での貧困や格差の問題、どこかつながってリアルに感じます。
    それでも、暗くなりすぎないチョ・ナムジュさんの文章に救われつつ、こんな未来がこないことを願います。

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    2024年06月08日
  • 耳をすませば

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    みんなからバカにされている不思議な能力のある少年とその両親、衰退していく市場を盛り上げようと画策する店主、テレビ業界で生き残るために必死なディレクター。
    この3人が関わりながら、いろいろな人たちの利己的な欲望があふれかえり、絡みあっていくストーリー。
    人間の嫌なところを淡々とクールに、おもしろく描いていくところが、チョ・ナムジュさんらしくて好きです。

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    2024年04月29日
  • サハマンション

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    韓国文学に不慣れで登場人物の氏名だけではなかなか性別が見当付けられず、読むのに少し手間取ったが扱っているテーマには共感。欲を言えば、トギョンの描写がもう少し掘り下げられていたらと感じた。高齢者やハンディキャップを持つ人などの連帯の描写が全体的にディストピア小説と思えないほど良かった。

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    2024年02月27日
  • 私たちが記したもの

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    「82年生まれキムジヨン」を数年前に読み、同じ作者の本を手に取った。
    キムジヨンの話よりもより多くの世代・異なる時代を生きる女性がフォーカスされていて、それぞれの女性の生きづらさや時代による感覚の差などがありありと描かれている。
    自身に置き換えて捉えてみても、学生時代女性の生きづらさや親との感覚の相違を感じ、声を大にしていたにも関らず、社会人として生きていくうちに少しずつ諦めが生じていくのを感じるとともに、その諦めがまた未来の女性を苦しめてしまうのではないかと奮い立たされる感覚がした。
    また、同時にフェミニスト的考えを大切にしながらも、周りが見えなくなってしまわないように(男性として生きる生き

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    2023年09月25日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    コンセプトがハッキリしてる 出産や仕事など、様々な場面において女性の立場が弱いことへの問題提起がされており、性別に関係なくハッとする人は多そうな気がする。自分も女性だからわかる部分もあり、一方でいろいろな考え方がありえるかもしれないと思う部分もあり…ただ、いろいろと考えるきっかけとして、良い本だと感じた。

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    2026年01月12日
  • サハマンション

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    この作品、韓国史についてきちんとした知識があればより面白く読めるのだろうなと思う。やや上級者向け韓国文学のように感じたがそういう本こそ読むべきだし、訳者あとがきを読むとわかるように、隅々まで配慮され尽くした素晴らしい一冊なので、星4。

    登場人物の機微の表現にはやはり感服させられるというか瑞々しい。これは訳者である齊藤真理子さんの力でもあるとは思うのですが、もはや二人のプロによる共同作業のパワーが強すぎて、どの作品を読んでも自分の心が今まで見たことのないような感情の動きをするのでいつも驚きます。

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    2022年05月08日
  • サハマンション

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    37.

    すごい。
    自分の中に虚無感と力強い心をどちらも感じる。
    現実世界の問題が物語に詰め込まれてる。
    7年かけて書かれたという事実にも圧倒される。

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    2021年10月07日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    気が重くなるばかりだった。
    ここに書かれていることや気持ちは、日本の女性にも当てはまることが多いと思う。韓国の方が厳しそうではあるけど。

    人の目を気にすることは、心を壊す。
    でも、気にせざるを得ない社会的圧力がある。
    社会で完全な平等はあり得ないから、
    まずは自分が不当な側にいる場合はそれをちゃんと認識すること(1番むずいけど)、
    そして真面目に考えすぎないこと、
    時にはずるく生きる、そうしないとやっていけないと思った。
    だけど、それほどまでに強い心は、いったいどれくらいの人が持てるんだろう。

    これは女性ばかりの話ではない。
    正直、私女だけど、女性で仕事したくない人は、この小説のような環境

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    2026年06月14日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    ネタバレ

    一冊をかけて女性の生き地獄がこれでもかというくらい述べられてきたあとで、最後の一言が本当に恐ろしくてホラーだと感じた。課題の本質はなんら理解されず、また次の世代に受け継がれていく。自分の物語であると感じはしたけど、この地獄を過去に生きて浮かばれなかった女性たちのことを考え、女性に生まれただけで今の時代も変わらず地獄が続くことに絶望してしまった。

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    2026年05月24日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    最初「よくある女性の話だな」と思いながら読んでいましたが、途中からこれが「フェミニズム小説」と呼ばれていることを思い出しゾッとしました。

    淡々とした語り口でありふれた1人の女性の生涯を振り返ることで、改めて自分の生涯を客観視でき、「当たり前」として受け止めていたことが、決して当たり前ではなかったことに気付かされます。

    私は92年生まれの日本人女性で、キム・ジヨンと比べると少し恵まれた環境だったのかなと思いますが、現在2歳の娘たちが生きる未来は今よりもっと言いたいことが言える世の中だといいなと思いました。

    父になった夫にもぜひ読んでもらいたいです。

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    2026年05月23日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    チョ・ナムジュ
    「82年生まれ、キム・ジヨン」

    仕掛けに唸る、設定にうなる。韓国の100万部ベストセラー。

    先に言うと、内容に唸らなかったわけではありません(- -@)。なにを出したいのか、という目的に対しての工夫がキレすぎてて怖いくらい。

    キム・ジヨンは商才のある母親中心の家庭で育った。幼少の頃から弟と自分に関する差、にもやもやしたものを感じていた。

    やがて大学在学中の就職活動で書類選考に落ち続けた上、やっと参加できた企業の面接でセクハラの状況でどう対処するか、という質問をされる。なんとか広告代理店に入り、しっかりした女性課長と良い同僚に恵まれたが、時折り社内外で女性軽視の

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    2026年05月14日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    女性が知らず知らずのうちに多くの人から無意識的に受けていた差別、に対する本
    本編自体は200ページにも満たなく、すぐ読めます
    まあまあでした!

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    2026年03月06日
  • コマネチのために

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    ネタバレ

    成功しなくても夢が叶わなくても、日々は続いていく…

    子供のときにソウル五輪で体操するコマネチに心奪われてから、マニは体操選手になる事を夢見る。母の勧めで体操教室に通い始めたが実はそこはエアロビ教室だった。でも夢は諦めない。
    母の大きな期待を背負い、私立の体操部のある学校へ転校する。そこで実力の差を思い知ってしまう…
    30半ばになりマニはリストラにあう。裕福とはいえない暮らしの中での出来事に母に叱咤される。
    現在のマニが子ども時代を回想しながら物語は進んでいく。
    世の中には夢を叶えられなかった大人のほうが多い。夢を諦めた後も日々生活は続いていく。

    描写がリアルでマニに共感しながら読めました。

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    2026年02月14日
  • ソヨンドン物語

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    これっていわゆるタワマン文学というやつなんでしょうか。
    私の印象だと2ちゃんねるみたいなので展開される自虐なのか揶揄なのかとにかくネガティブな創作物、という把握なので、これが作者に対する猛烈な侮辱になってたらごめんなさい。
    人生において韓流に全く傾くことがなかったので、韓国の今を知ることができてよかったです。
    私もどこかではいい人だし、どこかでは悪人なんだろうなと、背筋が冷えました。

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    2026年02月10日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    ネタバレ

    え、ここで終わり?!
    というところでブツっと終わった。
    (全部で253ページあるけど、物語は195ページで終わる。あとは著者後書きとか解説。)

    なるべく直訳になっているせいなのか、
    ???となる文章がちょこちょこあった。
    内容自体は、少し前の日本を見ているようだし、
    私も昭和かよ。みたいな文化が残ってる会社で働いているから、想像より「酷い世界だ、、!!」とはならなかったかも。(感覚が麻痺してそう、こわっ。)

    といいつつ最後はすっごい胸糞。
    キムジヨンの精神科医の先生(男性)。
    「私は精神科医だし、妻も病んでいた時期あるから子どもを持つ女性の大変さなどはよく分かってるだよね。」的なこと言って

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    2026年02月07日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    ネタバレ

    本作も数年前に話題になっていたし、私がお邪魔するブログでも結構取り沙汰されていたと思います。

    読みたいなー、読みたいなー、と思っていましたが、今般やっと許容範囲のお値段で手に入れることができました。

    で、読んでみてびっくり。というか想定しておらず。
    これはいわゆるフェミニズムの本であります。そして、とにかく暗い。

    女性という性に対し、後天的に付与された窮屈な立場、逃げ場のない袋小路が淡々と描かれます。こういうのはきっと男性こそ読むべきものだと思いました。

    ・・・
    1982年生まれのキム・ジヨンは、結婚・出産を機に退職し、育児と家事に追われる日々を送る33歳の主婦。ある日突然、他人が乗り

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    2025年11月12日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    意外な終わり方をしていて声もでなかった
    ページをめくったら終わっていた⋯
    日本にもあるけどそれ以上かもしれないテーマの深遠さ⋯

    キム・ジヨン
    三十三歳 三年前に結婚し、昨年、女の子を出産。三歳年上の夫とともに暮らしているが、自分に向かって吐きかけた他人の言葉をきっかけに異常行動が表れる。夫に連れられて精神科を受診 その担当医が書いたカウンセリングの記録という形の小説

    韓国社会における、過去から現在に繋がる女性差別の実態が表現されていて、キム・ジヨンの人生を振り返る形で話が進むフェミニズム小説

    訳者あとがきにもあるように、文芸とジャーナリズムの両方の側面があり、キム・ジヨンが体験してきた悩

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    2025年10月24日