チョ・ナムジュのレビュー一覧

  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    読みやすい!面白い!と引き込まれたのも束の間、主人公が直面してきたモヤモヤとハテ?のオンパレードに読んでる自分も次第に胃が痛くなる。

    自分の中にあるそのモヤモヤも悔しさも気持ち悪さも自分自身が経験してきたことの延長だからなのだろうか。しかも、言語化されてない、エピソード化すらできていない自分の記憶がフタを開けられてしまった気分にもなる。

    これが世界中で読まれているというから、またすごい。ちょいちょい挟まる時代解説やデータに日本はどうだったかな?と考えながら読めるのもいい。いまを生きていくために必読の一冊だった。

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    2024年10月19日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    韓国のフェミニズム小説と称される本作品

    私は1982年生まれの主人公より少し年上だけど、フェミニズムもミソジニーも意識することなくやってきた
    あまり積極的に生きてこなかったし、真ん中あたりでふわふわと生きてきたからかもしれない
    まったくないわけではないけれど男尊女卑って昔の概念、という感覚だった

    そりゃ「弟はいいなあ、なんで男子っていうだけで許されるんやろ」と思うことはあった
    でもこの小説のように、“男子は食べるのが先”“形がちゃんとしているものを食べられる”“箸や靴下、下着の上下は男子はちゃんと組になっているが女子はバラバラなのがふつう”といった差別は受けたことはなかった
    女の子の出生

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    2024年09月09日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    憤りと情けなさと嫌悪感と、内から湧き上がる怒りのような悲しみのようなマグマのような感覚は世界中どこの女性も共通なんだと感じた。フェミと呼ばれ忌み嫌われる人たちのことを他人事のように感じて生きてきたが、私の中にも基本装備としてフェミニズムが搭載されていたことを知った。読む前には戻れない。

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    2024年08月15日
  • 彼女の名前は

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    読みやすいーバリエーションが豊富で、いろんな女性の立場を知れてもっと沢山彼女たちに会いたくなる。友達にもおすすめした。

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    2024年08月11日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    ずっと読みたい本として意識していたもの。

    1982年から2016年までの韓国社会。
    主人公は弟と差がつけられながら育てられ、就職活動も苦戦し、入社後はセクハラや性別による給与差があり、子供を持つようにプレッシャーを受け、子育てしていると、自立しないママ虫と言われる。そうした中で精神疾患を発症。
    他人の人格になって、言えなかったことを言うようになって、周囲はその遠慮のない発言に困惑する。
    物語はその治療にあたる医師の視点で病歴、生育歴として語られる。

    少し前の話という感じもあるものの、現実にはまだまだこんなことはある。女性の給与は男性と同じにはならず、職種による違いというが、女性はその職種に

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    2024年08月10日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    この話がフィクションかと思うくらい韓国の社会を描いていて辛辣で、この後どうなるのかも分からなくて女としてなんとも言えない気持ちになった。女が無力だなと思うことがあるけれど、さらに過酷な人生を生きていると感じた。どうしたらいいとかどうすればいいなどということは分からないけれど、これを多くの男性が読んで考え方が変わってくれるといいなと思うしかなかった。やっぱり無力だ。

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    2024年07月28日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    表紙のイラストが目に止まり、帯を見て読み始めたら止まらなかった…!
    今回、初めて韓国小説を読んでみて、
    韓国だけでなく日本でも起こりそうだな…と共感することがあり、身近な物語のように感じた。

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    2024年07月10日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    斎藤真理子氏の翻訳が非常に良いと感じた。日本語の作品であるかのように全く違和感が無く作品に没入できた。訳文の日本語が濃密である。訳者注が本文の語の後に〔 〕で簡潔明瞭に説明されており、韓国固有の慣習や制度などの理解を助けてくれた。読書中の私はすっかり韓国社会の一員なったかのように、小説世界に没入した。

    韓国文学は今まで読んだことが無い。最初の数ページで登場人物の名前が混乱する。しかし、それを把握した数ページのちには物語の内容に背筋がゾッと凍った。さらに読み進むと、今度は胸がえぐられるような心の痛みを感じるようになった。そしてやがて、日本も本質的に同じなのではないか、と深刻に考え始めた。ペ

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    2024年05月30日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    kpopが身近にあって、「韓国は大変だよ」の声が聞こえてもどこか信じられずキラキラして見えた隣国

    その「大変だよ」の部分が言語化された本だった

    女性が生きていく目線での韓国を知ることができた気がする

    遠くない国、文化の国だからこそ共感できる部分もあった


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    2024年04月20日
  • 彼女の名前は

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    『82年生まれ、キム·ジヨン』の作者による短編集
    様々な女性たちへ実際にインタビューした話が基になっているからか、一話ずつ心にせまる切実さがあった
    不当な出来事に流されず声をあげ続ける韓国の女性たち
    道筋は厳しく、険しいものも多い
    自分がまだ十代や二十代前半だったころに“若い女”というだけで軽んじられた経験を思い出した
    この本に勇気をもらい、何だか励まされた
    日本もまだまだ変わっていかなければいけない、と思う

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    2024年03月24日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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     知らなかった。私より一回り若い1982年生まれのキム・ジョンが生まれた頃の韓国では、女の子が生まれるとお姑さんに「申し訳ありません」と涙をこぼしてあやまり、二人めも女の子だと「この次には男の子が生まれるから」と「優しく」慰めてもらい、三人めも女の子だと分かると母親は自らその子を無きものにし(中絶し)ていたなんて。実際、90年代の初めには男女の出生比は、男児が女児の二倍以上だったそうだ。このような事情で、次女として1982年に生まれたキム・ジョンの妹になるはずだった子は抹殺され、その下の弟は無事に歓迎されて生まれた。そして、家族の中では、炊きあがった温かいご飯が父、弟、姑の順にいつも配膳され、

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    2024年03月20日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    読書記録8.(再読)
    『82年生まれキム・ジヨン』

    主宰している読書会にて
    1月の課題本とした
    『82年生まれキム・ジヨン』

    随分と前に読んだので読書会の為に再読しました

    コン・ユさん&チョン・ユミちゃんの映画は韓国での公開初日に現地で見た記憶

    本の内容と映画は少しだけ違う展開で終わりますが、姉弟との少女時代、ジヨンの母親、家父長制、仕事、結婚、出産、育児から仕事への復帰といった中での社会の不寛容、女性の生きづらさが描かれます

    読書会では
    同じアジアの家父長制が残る日本でも
    同じような時代を経て来ていることや
    「そこまで気にすること?」と思う意見がありつつも
    「当たり前のこと

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    2024年02月11日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    面白かった。

    今も自分には見えてないだけであって社会に根付いて存在して(しまって)いる差別的な物事の仕組みや見方、その在り方。

    少なくとも自分の振舞いはどうあるべきか、どうありたいのかを考え続けていきたい。

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    2024年02月01日
  • ミカンの味

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    4人の中学生を通して自分の思春期の頃を思い出した。どこかのグループに属したり、人の顔色を伺ったり、思春期のちっぽけなコミュニティの中でみんな自分なりに一生懸命生きとる。他人の本心どころか自分の本心すらわからない脆くて不安定な日々が思春期だ。

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    2023年09月26日
  • 彼女の名前は

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    60名余りの女性の話。どの話もわたしの話か?とおもった。グループカウンセリングみたい。わたしたちの世代が、もやもやや違和感を言葉にして心の中から外に取り出して、共有する作業が、次の世代の勇気になると信じて。

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    2023年06月18日
  • 私たちが記したもの

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    "人にはどうにもできない領域が確かにある。そんなときにできることは、待つこと、備えること、すっかり絶望してしまわないこと、かすかな運がめぐってきたときに受け入れ、感謝し、そのすべてが自分の努力の結果であるかのように装わないこと。涙が止まった。"(p.169『オーロラの夜』)

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    2023年03月14日
  • ミカンの味

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    同じ高校に行こうと約束する四人の、思惑と選択がおもしろい。家庭環境の描写が多く、こどもでいることの制限の多さや不自由さを感じつつも、ラストを読んで、こどもだったときの自分もそれなりに色々考えてやってきたよなぁ、なんて思った。それにしても美味しそうな食べ物がやたら登場してくる!チキン、キムチ、サムゲタン、チキン、チキン、チキン…。あのチキンの描写にはやられた!トッポッキはそこまで好きではないけど、読んでたら久々に食べたくなってきた。

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    2022年07月16日
  • ミカンの味

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    中学の映画部で仲良くなったソラン、ダユン、ヘイン、ウンジは、「いつも一緒にいる四人」。中学3年生のときに、旅先の済州島で衝動的にある約束をする。
    さまざまな感情と計算が隠されたこの約束をめぐって、次々と事件は起こる。
    (カバー袖より)

    ソランは、ふつうの子。ふつうであることが悩み。
    ダユンは、優等生。病気の重い妹がいるため、親にかまってもらえず寂しい。彼氏をとっかえひっかえしている。
    ヘインは、ひねくれ者。ウンジに依存している。父親の事業が失敗して没落。
    ウンジは、優しい子。いじめ?がきっかけで引っ越してきた。バリキャリのお母さんと祖母と暮らす。

    自分の学生時代を回顧しながら読んだ。
    そう

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    2021年11月11日
  • ミカンの味

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    29.

    ミカンの味はここで出てきて
    こういう意味だったのかと納得する

    映像化してほしいくらいリアルで
    ヒリヒリする思春期の子達のお話
    それぞれ悩みや環境が違うのは当たり前で
    それによって感じ方や考え方が違うのも当たり前で
    それぞれにちゃんと理由があって
    不安定で強くて脆い友達関係
    読みながら何度も泣いてしまった

    お話自体はサクサク読みやすくて
    訳者の言葉も解説も丁寧で
    呼んで良かったなと思える作品でした

    サハマンションまだ呼んでないのだけど
    読みたい

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    2021年07月31日
  • 彼女の名前は

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    もともとは2017年の1年間、京郷新聞に連載された記事だったが、ノンフィクションの色合いの強いそれらの掌編を小説に再構成したそうだ。

    実際に訳者あとがきで、元の記事と小説の同じ部分が比較されているが、小説の方がグッと言葉や情景が読者に迫ってくる。

    一番最初の短編が、セクシャルハラスメントを訴えた女性の話でとても重い内容だが、それは作者がこの本が直視するのが辛いほどの現実が目の前に広がる本なのだ、ということを伝えたかったからだという。

    しかし、韓国でこの本が出版された2018年を境に、当地ではMe,too運動が盛んになり、女性の地位向上が促進された。だから、現在の韓国の状況とこの本に出てく

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    2021年06月09日