【感想・ネタバレ】ミカンの味のレビュー

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Posted by ブクログ

4人の中学生を通して自分の思春期の頃を思い出した。どこかのグループに属したり、人の顔色を伺ったり、思春期のちっぽけなコミュニティの中でみんな自分なりに一生懸命生きとる。他人の本心どころか自分の本心すらわからない脆くて不安定な日々が思春期だ。

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2023年09月26日

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同じ高校に行こうと約束する四人の、思惑と選択がおもしろい。家庭環境の描写が多く、こどもでいることの制限の多さや不自由さを感じつつも、ラストを読んで、こどもだったときの自分もそれなりに色々考えてやってきたよなぁ、なんて思った。それにしても美味しそうな食べ物がやたら登場してくる!チキン、キムチ、サムゲタン、チキン、チキン、チキン…。あのチキンの描写にはやられた!トッポッキはそこまで好きではないけど、読んでたら久々に食べたくなってきた。

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2022年07月16日

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中学の映画部で仲良くなったソラン、ダユン、ヘイン、ウンジは、「いつも一緒にいる四人」。中学3年生のときに、旅先の済州島で衝動的にある約束をする。
さまざまな感情と計算が隠されたこの約束をめぐって、次々と事件は起こる。
(カバー袖より)

ソランは、ふつうの子。ふつうであることが悩み。
ダユンは、優等生。病気の重い妹がいるため、親にかまってもらえず寂しい。彼氏をとっかえひっかえしている。
ヘインは、ひねくれ者。ウンジに依存している。父親の事業が失敗して没落。
ウンジは、優しい子。いじめ?がきっかけで引っ越してきた。バリキャリのお母さんと祖母と暮らす。

自分の学生時代を回顧しながら読んだ。
そうなのよ、「いつも一緒にいる四人」は仲良し4人組ではないのよ。でもこの枠が壊れたりするのも嫌なのよ。この歳ごろの子ってほんとうにへんなところに頭が回るし、怖いのよ…。この特別な時間を、大切にしてね。

それにしても、韓国の目まぐるしい教育事情には驚いた。お隣の国なのになんにも知らないものだね。「父親どおしでビールでも飲みながら」の下りは心底腹がたったね。全員じゃないと思うけど出てくる男性がわりとクズ。思春期のころは、おじさんなんて嫌でしかなかったもんね。

読後、心のなかで、自分に言い聞かせるように頑張れと言った。

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2021年11月11日

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29.

ミカンの味はここで出てきて
こういう意味だったのかと納得する

映像化してほしいくらいリアルで
ヒリヒリする思春期の子達のお話
それぞれ悩みや環境が違うのは当たり前で
それによって感じ方や考え方が違うのも当たり前で
それぞれにちゃんと理由があって
不安定で強くて脆い友達関係
読みながら何度も泣いてしまった

お話自体はサクサク読みやすくて
訳者の言葉も解説も丁寧で
呼んで良かったなと思える作品でした

サハマンションまだ呼んでないのだけど
読みたい

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2021年07月31日

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チョナムジュさんの作品は韓国社会を表していて、読んでて気づくことが多くて好き。
ミカンの味という、タイトルを後半で回収された時はスッキリした気持ちになった

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2024年02月21日

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k-popが世界を席巻し、日本でも人気を博しているが、実際の韓国の同世代ってどんななんだろう?と思っている生徒に勧めたい。

昔から文化的な影響を受け、似ている部分もあるお隣の国。
読んでいても、4人の女の子の関係性などに頷けるところが多々ある。

でも、高校入試はなく基本的に地域の高校へ進学する制度(その為人気のあるエリアの地価や住宅価格が物凄く高い)や、小学校の授業時間が短い為皆毎日のように習い事や塾に行くところ、などちょっとした違いもある。
また、日本に比べて人との距離感が近い感じがする。結構相手に踏み込んで行く感じや、投げる言葉の強さなど、日本人の感覚(特に若い世代)ではきっと引いてしまうようなところも、読んでいて興味深く感じた。

もっとアジアの文学が和訳されると、読書の世界が広がると思う。
2024.1

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2024年01月21日

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ネタバレ

4人の少女たちの中学〜高校に至るまでのそれぞれに事情や利己心を抱えてある約束を叶える青春小説 すっかり親の世代に共感を覚える

登場人物の1人ウンジのお母さんはこう言うのがじわっと来る

“ヘイン、今は生きていけそうになくて、世界が終わったみたいに思うかもしれない。私もそんな時があった。(略)でも、見てよ。こんなに元気み生きてるじゃない。何とかなったよ。それでも生きていけるんだよ。(略)“

相変わらず碌な男は出てこないけれども 少女漫画っぽくて漫画化されないかな、池辺葵さんあたりで

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2023年08月16日

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うまく出来てるお話だった。それぞれの家庭状況の違い、論理では解けきれない心の機微や矛盾、思春期の少女のとらえどころのない浮遊感が上手く書かれていた。プロットのまとめ方も良かった。
ただ、よく悪くも無難というか、ガツンと残るものがなかった。

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2023年05月02日

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読みやすい文章だけど、大人たちと、思春期の子供たちという構図だけではなく、大人側のさらされている社会構造や、いずれそこへ向かう世代への教育という形で現れる圧力など、それぞれの感情が織り込まれていて、他作に通づる深みがあった。

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2023年02月01日

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若い時のヒリヒリした感情を思い出しました。
自分だけではどうにもならない悩みは歳をとっても変わらないけれど、あの頃の未知で幼くもある時代の選択や決断はなんで輝いて見えるのだろう。

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2022年09月18日

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カルチャーとか常識とかは違うはずなのに思考や行動がすごく共感できるのが不思議。
パラレルワールドのお話みたいでおもしろかった!

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2022年06月19日

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読み終わったあとミカンに関する章を読み返しました。
4人の少女たちの進路決定に至る、それぞれの性格、心情、思考が表れている気がして。

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2022年06月11日

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それぞれの事情を抱えながら、未熟でありながらもその時にできる最善の選択をしていく過程がとても丁寧に描かれていて共感ができた。
そして時代背景が現代の韓国社会であるため、今の韓国社会がどのような問題を抱えているのかなど、リアルな韓国を垣間見ることができた。
あと表紙のデザインが可愛いと思ったら大島依提亜さんのデザインだった!

“成長はときに手に負えなくて、孤独なことだ”

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2021年11月24日

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チョ.ナムジュさんを連読中。
その中でも82年の次に良い。
思春期の葛藤がわかりやすく、韓国と日本の教育の違いも垣間見える。

この方は決してフェミニズムばかりを書きたいわけではないと知った。

どうしても82年のイメージが強いので、
どこかしらに男女差別、フェミニズムを表現している箇所を探してしまうと面白くなくなってしまうと思う。

この作品は、あくまで思春期のありのままを表現したもので、誰しも覚えのある感情がうまく表現されていて、この方の小説家としての良さもきちんと現れている。

ところどころ、男尊女卑の夫が出てきたり、色付けにこの方のフェミニズム論がさり気なく盛り込まれてるのも、さすがだなと面白かった。

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2021年11月07日

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中学生、という繊細で激しい時代の苦悩や葛藤、嫉妬や煮え切らない感情の渦。それでも進むしかない光の時期を、とても見事に描いている。時代も国も環境もちがうけれど、かつての自分を思い出してしまう。こんなにも危うくて孤独な時を誰しも乗り越えてきたんだと。
ミカンの味、という核になりうる出来事をタイトルにしているのも良い。
韓国の教育事情や現代日本にも未だ残る性差別もよく描かれていて、誰しも感じる生きづらさが見事に表現されている。
切ない気持ちのまま一気読み。
彼女たちの未来が明るければ良いのに。

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2021年06月16日

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ソラン、ダユン、ヘイン、ウンジは中学で同じ映画部に入った。そして二年生が一年生に押し付けていった文化祭で企画を考え展示し催した。文化祭の行事で苦労した四人はそれからだんだんと仲良くなっていった。それぞれの家庭にはそれぞれの問題があったし、学業成績にはみんな追われていた。そんな中で一番成績のよいダユンが、外高(特殊目的高校の一つの外国語高校)に行かないという…。四人それぞれの悩みやそれぞれの家庭環境を描き、少女たちの友情を描いた小説。韓国の教育制度の厳しさや貧富の格差や男女差別もあらわに見える。ベストセラーになった「82年生まれ、キム・ジヨン」の作者。

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2021年06月08日

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“「ちゃんと二つの手があるのに自分の食事も作れない人間は、みんな出来損ないなんだよ」”(p.77)


“何もせず何の考えもない人が、わかったような顔をして後ろ手に組んで他人のことをあざ笑うものなんだよ。何もせず、何の考えもないから。”(p.92)

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2021年05月19日

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韓国でたくましく育っていく少女たち4人の物語。「私の青春はどうだったろうか…。」と回想して読んでみたが、主人公それぞれに感情移入できる点があって、読み応えがあった。

やっぱり温かい家族に恵まれること、それが何よりもの幸せで、感謝すべきことなんだと思った。

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2023年07月19日

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「82年生まれ、キム・ジヨン」がとても面白かったので他の作品も気になり購入。

リアルな女子中学生たちのお話。
私にもこんな時があったなぁ、と思いながら読んだ。

フェミニズム的な内容がさりげなくあったり、韓国と日本の教育の違いなどを知れて面白かった。

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2023年06月02日

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ネタバレ

入試制度や家庭の経済事情など韓国の社会問題が子どもたちの日常に大きく影響しているのがわかった。母親たちの大変さも描かれている。みんな生きづらさを抱えている。高校の入学式、4人それぞれの話、ミカンの話(済州島への旅行と約束)、もう一度、入学式。そして後半での種明かしにびっくり。最初は、なんとなく一緒にいて仲がすごく良いわけでもなく悪いわけでもなく。約束をして秘密の共有でさらに結束を深めた。そういう中高生の行動や感情のリアルさにすごく共感できた。入学式で4人で写真を撮るシーンが好き。

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2023年01月25日

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出生率が0.84という韓国。若者、特に女性にとってどんな社会なのか知りたくて読みました。
父や弟の食事を作らされたり、受験競争が激しかったり、BTSに夢中になったり、断片的に考えさせられる事がありました。ストーリーは面白いとは感じなかったのは、私の年齢によるものか。

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2022年01月23日

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82年生まれ、キム・ジヨンの作者だということで読んでみた。
主人公はソラン、ダユン、ヘイン、ウンジの4人の中学生。
ソウル郊外の住宅地に住んでいる。
病気の姉妹がいたり、片親だったり、父親が仕事に失敗したり、それぞれ事情を抱えながら、思春期真っただ中である。
親への反抗、友達付き合い、言葉に表せない不安や、苛立ちなどを抱え、幼い頃の出来事などをフラッシュバックさせながら描いていく。
そんな中で迎える高校進学という問題、解説を読み、あれっと思ったのは、韓国では高校受験はなく、学区全体で抽選で各校に配分されるという。
そんな中でも、専門的な人材育成を目的にした学校や、優秀な生徒を集める英才高校などは、志願者を募って選抜するという制度がある。
なので勉強のできる生徒は、進路に少し悩むというわけだ。
そういう事なども絡まって、話がこじれたりする。
そして、友達とこじれた、良い塾に通いやすいようになどの理由で、結構簡単に引越しをしてしまうのだ。
日本でも学区の関係で、住所を移したりすることはあるけれど、韓国はなんて身軽なんだ。
思春期の女子ほど扱いにくいものはないのは全国共通ではある(かつての自分も含めて)昔とは全然条件が違うけど、根本的な部分はいつの時代も同じだなぁ。としみじみとしてしまった。

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2021年09月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

韓国社会、子ども達のリアル。
思春期の感情は複雑で、傷付きやすい。
他人と社会と家族との狭間で、何とかやっているのは子どもも大人も同じだなと感じた。
映画部で文化祭の準備をした事も、4人で旅行へ行った事も、進路を決めた事も、全て自分達で考え行動している。
結末に少し驚いたけど、自らの意志を貫く姿は単純に凄かった。

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2021年09月18日

Posted by ブクログ

韓国でベストセラーとなり、チン・ユミ、コン・ユ主演で映画化もされた「82年生まれ、キム・ジヨン」の著者チョ・ナムジュの2021年出版小説。

中学3年の時の済州島への卒業旅行での約束を鍵に、映画サークルの女子4人のそれぞれの視点から物語が紡がれていく形で話が進んでいく。
それぞれに問題(現代の女の子達のよくある現実なのだと思う)を持ちながら、懸命に未来への生きる希望を見つけようとする彼女達を応援したくなった。

まだ2作しか読んでいないが、この著者は、現代の様々な人の心情を浮き彫りにした物語を描くのが素晴らしいと思った。

超個人的な意見だが、日本よりももっと極端な社会(良いことも悪い事も)の韓国では、週末のデモもよく行われており、人々が声を上げれば変えていける世の中になってきているように感じる。日本では、まだ「言っても無駄」な感じが強いか?皆が普通に希望を持って生きられる社会になる為に、毎日の自分の行動が、良い方向への小さな歩みとなるようにと願う。

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2021年09月18日

Posted by ブクログ

中学から高校になる過程の少女たちの複雑な内面は、どこの国でも一緒だな~

親との関係、友達との関係。
仲良し4人グループの中でもちょっとしたすれ違い。

確かに甘酸っぱいミカンの味なのかな。


名前が似てるから、誰だっけ?誰だっけ?と登場人物を確認しながら読みました。

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2021年05月12日

Posted by ブクログ

中学生女子四人が主人公の小説なので、YAかなと思ったけど、どうなんだろう。
それぞれの女の子が抱える悩みや家庭の事情もリアルだし、子どもには読ませたくないような表現もない。読める子どもは読んだらいいと思う。
でも、なんだか、一人一人に共感できる感じが薄い気がする。主人公たちと共鳴するような感覚はなかった。
これは私個人の資質、あるいは年齢によるものかもしれないが。

入試でなく内申と面接だけで決まる韓国の高校入試制度は、反抗したい思春期の子どもにはかなりハードだと思う。日本もジェンダーギャップは大きいが、家庭内で父親がかなり威張っていて誰も逆らえない感じは昭和の雰囲気に似ている。
子どもの学歴を良くするため、母親が情報収集して熱心に取り組むあたりは日本の中学受験にも似ている。

しかし。中学や高校の時の友情など刹那に過ぎず、皆それぞれバラバラの人生を歩むんだから、こんなことしない方が良いよ、新しい環境で新しい友達を作ったらいいじゃない?と思ってしまうのは年をとったからかなあ。

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2021年05月09日

Posted by ブクログ

高校進学を控えた4人の女子中学生を主人公に、それぞれの視点から“いま”を描いた作品。4人それぞれがなにかしらの悩みを抱え、不満や憤りを感じて生きている。一番多感な時期の少女たちの思いがみずみずしく、だが生々しい面も隠さずに描かれている。この作者ならではのフェミニズム的視点からの鋭い描写ももちろん盛り込まれている。韓国の進学事情には疎いため、巻末に付された訳注に助けられた。

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2021年05月04日

Posted by ブクログ

娘の中高時代を思い出すような本だった。物事の良し悪しもまだよくわからない思春期の女の子達が、本能的に過ごす日常。育った環境や性格もみんな違う4人が自分で進路を決めていく。

女性が女だからと言われる事の多い韓国や日本。それでも自分の意思を主張して行こうという風潮が韓国には感じ取られる。日本だとなんだか炎上しそうだ。

10代の子達が自由に生きられる時代に…と切に願う。

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2021年04月25日

Posted by ブクログ

初韓国文学。
トッポギって、おやつ感覚で食べる物なのか…
そんなどうでもいい事を思いつつ、
学生の時の一緒になになにしようね!どこどこに行こうね!!と言うあの感覚…
大人になってくると何故だかその群れてなす事が煩わしくドライになっていくのに、何であんなにも友達と一緒にいる事に真剣にひたむきだったのか
少女達が段々と熟したみかんになるように、それぞれが色んな事を考え体験して大人になっていく。
もう二度と戻れないあの時の場所だからこそ、読んでいて猛烈に懐かしくなった。

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2021年04月25日

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