佐倉ユミのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレまず冊子に挟まってた栞が可愛かった(笑)
知っている作家さんは半分もいなかったのですが、オレンジ文庫さん何気に好きなので購入して読んでみました。
最初は題材もよく分からないので、ピンと来ないまま何編か読んでいましたが、「サカナ日和」を読んで私の好みな感じだったのと、そこからもう一度振り返って読んでみたらみんな素敵な作品じゃないか!と改めて思えて、そこからは一気に読めました。もちろん好みの問題なので、しっくりくるものもあれば、そうでないものもあり。個人的には「傾城の美女呂姫」「水恋花」「ままならないきみに」「二位の君」が良かったです!水恋花は私好みの嫌ぁーな終わり方だったし、ままならないきみには最後切ないような悔しいような泣きたくなる感じで、二位の君は恋愛なんだけど、キュンキュンするというよりジワァーと温かくなるような優しい恋を感じれました。好きなテイストだとその方の他の作品も読んでみたくなりましたね。 -
Posted by ブクログ
マナーはいらない を読んでいるうちに気になってしまったので購入。
今をときめくあの作家さんの投稿作が読めます。
多分デビュー前の作品だと思うけど、読んだことのある作家さんは「ぽいわー」と、感じる何かがあった。(阿部暁子さん、白川紺子さん)言語化できないけど。
また、読んだことは無いけれど、本屋大賞をとられてるし名前だけは知っていた宮島未奈さんの作品も、キャラクターがめっちゃ好き。河原泉さんの漫画に出てきそう。シュッとしてなくて気持ちポンコツ風味なところとか(褒めてます) 今度長編も読んでみたいと思った。
さすがにディープなSFや歴史小説はなかったけれど、色んな切り口があって面白かった。
「これ、面白いでしょ⁉︎」の、圧を感じて、またそれが良き。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ集英社オレンジ文庫「短編小説新人賞アンソロジー」は、単なる新人作家の寄せ集めではなく、物語が生まれる瞬間の熱量そのものを封じ込めた一冊だと感じた。短編という制約の中で、それぞれの作品は無駄な装飾を削ぎ落とし、感情や主題の核へと一直線に踏み込んでくる。その潔さが、読み手の想像力を強く刺激する。
収録作には粗さも確かに残っている。しかしそれは欠点というより、書きたい衝動が理性より先に走った痕跡のように映る。登場人物の感情がときに不器用で、ときに過剰なほどまっすぐなのは、新人賞作品ならではの真剣さゆえだろう。その必死さが、むしろ物語に嘘のない重みを与えている。
また、短編という形式が際立たせるのは、作家ごとの「視線の違い」だ。何を切り取り、どこで物語を終わらせるのか。その選択一つひとつに、後の作風へとつながる萌芽が確かに感じられる。人気作家の初期作品として読むと、現在の洗練された筆致との対比が興味深く、作家という存在が時間をかけて育っていく過程を垣間見ることができる。
本書は派手なカタルシスを約束する一冊ではない。だが、読み終えたあとには、静かに胸の奥に残る余韻がある。それは物語の完成度以上に、「書くこと」「語ること」への真摯な姿勢が伝わってくるからだろう。
新人賞アンソロジーでありながら、文学の原石に触れる喜びと、物語の未来を想像する楽しさを同時に味わえる、確かな厚みを持った一冊である。 -
Posted by ブクログ
人気作家さんたちの原点となった作品。どの短編も個性的で、とても楽しめた。
短編を書くのってとても難しいのだろうなと、読んでいるだけの私も思う。限られたページの中で、物語を作る。この本の短編はそれぞれ、全く違う良さを持っている。書き方はそれぞれもちろん違うし、少し変わった設定があったり、どこか自分と似たような境遇が描かれていたりする。
作家さんの数だけその色があって、短い物語に込められた熱意や感情がとても伝わってきた。
今までよく読んでいた作家さんはもちろん、この本で初めて出会った作家さんがこの後、どのような本を書いているのだろうと気になり、読んでみたくなった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ普段あまり読まない時代物だったからか、印象に残った1冊
まず、登場人物の名前が綺麗なのが好き
主人公!という雰囲気を特別持っているわけでもなく、物語にすっと入り込める
生きているだけ、という言葉が突き刺さってる。
最近の自分は生きているだけかもって。
ただ、やるのではなく
何かを伝えたい、感情をどうにかしたいという気持ちで何かを作りたいと思った
自分にも、何か熱が欲しくなる
日常が変化していく様子を切り取った1冊は、まだ登場人物が、町が、生きていく気がしている
今の便利な時代もとても有難いけど、昔ならではの趣はこういう本を見る度にいいなぁと思う
物語の世界にトリップしたい時におすすめ -
Posted by ブクログ
新人賞に通る作品って何だろうか。『はじめに』を書かれた三浦しをんさん(選考委員)の答えは「情熱の総量が決め手になることも多い」。「これが好きだ。これを書きたい」という気持ちが籠った作品のほうが、荒削りでちょっとわけがわからなくても、読むひとの胸を打つ。。。のだそう。個性的で「その人にしか書けない小説」。
コバルトという、少女小説というくくりのため、ほとんど読んだことのない、中華ファンタジーとか、王国とかが出てくる話もあった。が、どれも読みやすくて、感情の動きもよくわかり、この短さで、十分伝わるほどの世界観を作り上げていた。ライト文芸と呼ばれるもののほうが、凝った設定、凝った文体で、書くのがよっぽど難しいような気がするのだが、どうだろう。そして、一般小説との違いは。本当に、最近はwebでも、無名の方による、ぐっと惹き込まれる小説があって、新人賞受賞が、並大抵の努力では敵わないものだと思い知らされ、どんどん憂鬱になってしまう。それでも自分の書くものを信じられる人だけが、栄光に辿り着けるのでしょうか。もう、ほんとしんどい。
今大活躍中の、佐原ひかりさんも宮島未奈さんも、原点が垣間見れてよかったけど、心に残ったのは、「夕方の団地って大きな墓石みたいだ」で、始まる『みずいろサナギの伝説』(久賀理世さん)。団地の公園の、水色のおわん型の遊具が、まずよかったし、一つ年上の先輩のあだ名、レジェンドもよかった。