柴山桂太のレビュー一覧
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新自由主義のようなリベラルな考え方が、実は同じような価値観を押し付ける帝国主義的な考え方ではないか?と言う視点は面白いと思いました。
とは言え、世界で盛り上がりを見せているナショナリズムが単純に正解と言うわけはなさそうですし、それぞれの国の文化や習慣と言った内的なものと、地政学など外的なものを、その国にとってベストな政策を選んでいく必要があると理解しました。
個人レベルの話としては、グローバル化により株価は上がっても、実際に多くの国民は苦しんでおり、一人一人は弱い国民が団結して中間団体を形成し、資本家や国に立ち向かうと言う形が必要なのかもしれませんが、それも今やなかなか難しそうです。
地域や -
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警告の書、世界経済という視点からグローバリズムという経済活動を検証する
グローバリズムがもたらしたものは、経済の自立を失い、国家主権さえ失ってしまう状況である。
EUは、グローバル資本主義のもとに完全な自由貿易、経済的国境の撤廃がもっとも進んでいる地域。
圏内で関税をなくし、通貨を統合した。しかし、その結果なにが起きたか。各国は通貨の切り下げなど金融緩和や財政出動もできず、独自の産業政策も不可能になりました。
EUでの勝者は、ドイツだ。ユーロ安でドイツの輸出産業は大いに潤った。経済危機に瀕した国々を低賃金で下請けのように使いユーロ圏がドイツにとって開かれた市場であることをフル活用している。
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ネタバレ現在の行き過ぎた(と個人的には思っている)グローバリズム、自由主義経済については懸念を感じている。という意味では自分は保守なんだと思う。一方で、本書にも書かれている通り、本来反対すべきグローバリズムを今の保守派が進めているのは、やっぱり謎。
言葉の響きで単純に「よいもの」と思い込んでいるわけではないだろうし、必ずしも個人(および企業)が自己の利益のためのみに利用しているだけだもなさそうな。そんな謎に対する1つの考えも述べられています。
個人主義、民主主義の行き過ぎ、識字率、劣化(本書ではエリート・指導層の劣化とあったが、国民全体の劣化ともいえるのではないか?)といったいろんな要素を絡めて考えて -
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経済音痴の私にとって衝撃的。確かに今の世界は何かがおかしいとはぼんやりと感じていた。本書は、現代の格差の拡大や危機の恒常化の原因がグローバリズムにあり、それが社会を破壊していることを、5人の筆者が座談を通じてわかりやすく説いている。新自由主義(ネオリベラリズム)が制約のない自由として席捲し、隣国同士の経済戦争につながっていることは、EUに見られる。われわれは真の民主主義を守るために、各国がネーションごとにまとまり、独自に規制を定め、グローバリズムから脱却することが必要。しかし世界のエリートの大半はグローバリズムを正しい方向に導く道だと信じているとのこと。…ところで情報のグローバル化は避けられな
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ネタバレグローバリズム、新自由主義を否定的に捉えた一冊。
普段からグローバル至上主義とも言える風潮に浸っているため非常に新鮮な内容であった。
本書を通じて、グローバリズムの弊害を以下のように捉えた。
・格差拡大
国境を越えて経済活動がされるため、資本を持つ大企業が残り中小企業は潰れる。
さらに大企業の中でも資本家と労働者の格差が広がる。
(さらに生産量が増え供給力が上がることでデフレに繋がる)
また、同様に大国が富み、小国は貧しくなる。(搾取される)
本書では、「経済戦争」というワードが使われていたのが印象的。捉えようによっては経済を武器にした帝国主義なのではないか。
・伝統や人間関係の崩壊
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7人の著者によるTPPのデメリット、危険性を説く警告書。舌足らずな部分は見受けられるが、論旨自体はそれぞれ納得がいく。TPPは国家間の交渉ではなく、グローバル企業の利益誘導という漠然とした印象は間違っていなかった。
・アメリカの「年次改革要望書」(勧告書)は国家の主権の領域に及んでいた。
・非関税障壁=規制や制度
・国民皆保険制度の空洞化(公的医療保険の給付範囲の縮小)
・長谷川三千子:翻訳作業とは翻訳される言語と翻訳先の言語との間で綿密な概念の検討が行われ、双方ともに厳しい知的吟味にさらされる過程である。外来の語彙や概念が触媒となり、土着の文化が活性化され、発展し、多様化していく。
・日本 -
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当然と思って疑ってないことをひっくり返してくれるような、そんな嬉しい本に時々出会いますが、この本はまさにそれに当てはまります。
このデフレで内需の成長が望めない中、またこの円高の環境下で、日本が生き残って行くには、海外に出て行くしかない。グローバル化は当然の流れであるとみんな思っているし、僕もそう思っていましたが…
グローバル化が進むということは、国と国との間の利害関係が明確に発生し、それが軋轢を生むという事。
この風潮は第一次世界対戦前の世界といっしょだそうです。
昨今の中国との関係もまた違った視点で見れるようになります。
名著だとおもいます。再読して、もう一度今までの視点を整理した -
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本書は、反TPP論者で評判の中野剛司氏と経済思想家柴山圭太氏の対談をもとにしただけに、一般人にもわかりやすい内容となっているが、その内容は深く、またおもしろく、そして興味深く、高く評価できると感じた。
本書では、現在の世界経済の現状について「世界がグローバル化のわなに落ちた」と喝破している。柴山氏は「グローバル化は経済危機の原因であって、グローバル化を経済危機の処方箋とはできない」と語っている。そのわかりやすい主張は説得力があると感じた。
また、危機の根本原因を「グローバルインバランス」と分析していることも、興味深い。世界的なマネーの流れが危機の原因であるならば、小手先の各国別の対処ではど -
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ネタバレグローバル恐慌の真相
■合計196ページ
一章:グローバル化の罠に落ちたアメリカと世界 42ページ
二章:デフレで「未来」を手放す日本 66ページ
三章:格差と分裂で破綻する中国とEU 40ページ
四章;冬の時代のための経済ナショナリズム 46ページ
本書は2008年度に起こったリーマンショックによるグローバル恐慌の要因を、
1989年冷戦集結後にアメリカやEU、中国各国のグローバル化の弊害を基に
言及した本。
アメリカの経済格差や日本の政治問題(デフレ対策)について述べたあと、
中国の民族問題についても触れているところは非常に興味を持った。
・日本経済の安定化
→公共投資増によるデフ -
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ネタバレ・グローバル化というものが今始まったものではなく、第一次世界大戦前や第二次世界大戦前において起きていたものだという見方、考え方に驚きました。ITの進歩も含め、過去のグローバル化の歴史がそのまま現在に当てはまるとは思っていませんが、歴史に照らし合わせることができる部分が多分にあるという点では、面白い観点だと思いました。
・アメリカの住宅バブルという幻影がリーマンショックを引き起こし、現在のヨーロッパ経済の不安を引き起こしている点についての記載については自分の考え方を確認する意味でも読んで良かったと思いました。また、デンマークなどの福祉国家がうまくいっていた要因として、アメリカの住宅バブルの恩恵 -
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新自由主義とかいうものが何なのかもよく分かっていない状況で読んだ。
経済に対する規制を外して、より開かれた状態にすること。そしてそれは、グローバリズムによって国外にも扉を開き、世界を組み込んだ市場経済を作り出す。労働力は自由に移動するし、企業はより広くマーケットを拡大できる!
やたら持ち上げられる新自由主義に対する切り込み。めちゃくちゃ要約すると、輸出にばかり目がいって、短期的な利益ばかり出そうとするから、内需を生む賃金の上昇が起きない(コストとしか見なされないから、労働力に投資しない)。大金持ちは簡単に株式で富を増やすが、その会社がどうなろうが責任は持たない。格差は大きくなるし、賃金上が -
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エマニュエル・ドット氏と日韓の論客がグローバル資本主義のの行方を語ります。バブルとその崩壊を繰り返し、大企業によるの寡占化、短期利益を求めての目先のパイの奪い合い、株主はクリックひとつでやめられるが従業員はそうはいかない、国家という枠内でのガバナンスの欠如などの問題を洗い出し、それでもネオリベラリズムを支持するのはエリートが内向きな小さなグループに閉じこもって統治を放棄していると糾弾。
一般人もそれで良しとしてしまうのは、子供の頃貧しかった高齢者が今を豊かだと感じていることに加えて、ハンナ・アーレントの「全体主義の起源」を挙げて論じている。
2014年6月発売の本書ですが、ドット氏の「新自由主