柴山桂太のレビュー一覧

  • 静かなる大恐慌

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    ■グローバル経済

    A.グローバル化は決して一直線に拡大していくプロセスではありませんし、歴史の揺るがざる必然というわけでもありません。
    グローバル化はその過程で国家の対立をむしろ高めてしまう。
    歴史を振り返れば明らかなように、グローバル化は歴史上、何度も起きては崩れてきました。

    B.将来に向かっての次の一歩は、政治的扇動とか時期尚早の実験によって生ずるのではなく、思想から生じるに違いない。

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    2012年10月31日
  • 静かなる大恐慌

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    グローバル化について、いい勉強になる本。関係ないけど、本書でも引用されてるし、シュンペーター読まにゃいかんかな。

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    2012年10月30日
  • 静かなる大恐慌

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    柴山先生の授業聞いてるみたいな内容。
    「市場経済」の視点から見れば規制を取り払って市場に任せた方が効率的かもしれない。しかし「資本主義」の視点から見れば市場への一任は効率性と引き換えに不確実性を極端に大きくしてしまう。
    資本主義では将来に対する期待や予測によって投資や消費が行われるため、本質的に不確実性が大きい。その不確実性が時折引き起こす経済ショックから国民の生活を守るためには国家による規制が不可欠となる。しかしグローバル化は国家間の緊張を増長すると同時に国内の格差を拡大し対立を激化させることで健全な民主政治を破壊してしまう。
    これからの経済のあり方は単純に二つに分けると、①さらにグローバル

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    2012年09月18日
  • グローバル恐慌の真相

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    日本も世界もこれまで滅茶苦茶な経済政策を実施してきた以上、もはや将来がバラ色になる処方箋はないということを自覚しなければならない。今、できることはこれ以上悪くなるのを如何に食い止めるかといた消耗戦しかない。しかも瀕死の日本経済であれば、応急処置にすぎない金融緩和と財政出動のセットによる施策もやむなし。待ったなし。グローバル化が進展する中でのデフレの必然。グローバル化故に国民の経済格差を縮小できない中国の苦悩。ケインズ主義的な不況対策は国民が統合化された福祉国家でしか成立しない現実。興味深い内容が随所にちりばめられている。新たな視点で多くを学ばせてもらった。

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    2013年01月09日
  • グローバル恐慌の真相

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    ネタバレ

    若干よみずらさはあったものの、対談形式で用語も丁寧に例を交えて解説されている。
    経済学に関心のある人は読みやすいが、日本がどのようにしていまの「失敗」に突き進んできたのか、世界の反例を挙げながら解説している。

    ただ、若干読みずらい。

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    2012年05月08日
  • グローバル恐慌の真相

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    中野剛志氏と柴山桂太氏のシンプルで本質を抉る対談集である。

    新自由主義イデオロギーに毒されたヤスモンのエセ学者さんたちの言っていることに騙され続けている日本社会にとって、青天の霹靂なことばかり著されている。

    しかしながら、根拠となる事実は、西欧資本主義社会が過去、積み重ねてきたものである。

    アダムスミス、ケインズ、カール・ポランニー、シュンペーター、フリードリッヒ・リストなどなど、そんじょそこらの偏向してしまう日本のヤスモンの経済学者とはまったくことなる異能の社会科学総合学者さんが分析してきたことに基づいている対談は読み応えがありました(笑)。

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    2012年05月04日
  • グローバル恐慌の真相

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    グローバル化を標榜するからには、グローバル化に反対し、保護主義を主張する筆者らの意見をきちんと理解したい。しかし果たして内需主導で我々は生き残れるのか?

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    2012年01月12日
  • グローバル恐慌の真相

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    ネタバレ

    『TPP亡国論』の中野剛志氏と、その知己の柴山桂太氏による対談本。グローバル恐慌の真相を「政治経済思想」という観点から分析したもの。

    私にとっては、2011年最大の衝撃作です。目から鱗というよりも、頭を後から殴られたような衝撃を受けました。私が日頃より疑問を抱いている世界経済の仕組みを理解するのに役立ちました。なお、評価を4にしたのは、私の中で本書を消化しきれていないためです。

    それにしても恐るべきは、中野氏の洞察力と深い知識。TPPは、日本の抱える問題の一つに過ぎない。今後の同氏のご活躍を期待したい。

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    2012年01月03日
  • グローバル恐慌の真相

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    世界経済が「グローバル化」に向けて加速している。
    その「波」に乗り遅れれば、取り残されてしまう。
    そんな「強迫観念」じみた考えから抜け切れていない日本人には、対処療法的な本。

    世界を一元的なシステムで管理するなんて無理な話。
    そういった「理屈」を、歴史や著名な経済学者の言葉や、各国の思惑・国柄などから紐解いていく。

    頭でっかちになりがちな経済論だが、この本はより「人間側」にたった経済理論が展開されていて、読んでいて「そうだよなぁ」と一人ごちてしまった。

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    2011年12月18日
  • グローバル恐慌の真相

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    若手の研究者ふたりによるグローバル経済を主題にした対談です。

    著者の一人中野剛志氏はTPP反対派の急先鋒として有名になりましたが、この本を読むと本質は学究的な人なのだと分かります。
    内容は経済学と言うよりも経済思想寄りで、リーマンショック後の世界的な不況をマネーの動きだけではなくその裏にある思想から捉えようと言う試みと言えます。

    グローバル化は過去何度も起きている、誤解されがちな保護主義の本質、自由貿易が帝国主義へとつながっている、と言った議論は刺激的で、ある種人間存在の本質を掘り下げるような深い分析には唸らされました。

    ただ、著者二人は基本的な認識がほぼ共通していて、どの発言が中野氏の

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    2011年12月17日
  • 新自由主義と脱成長をもうやめる

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    対談、書評など既存のコンテンツで構成されていて、似たような記載が多く、深堀が足りない感じであった。気になる気ワードはいろいろ出てくるので参考にはなります。

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    2024年11月24日
  • 新自由主義と脱成長をもうやめる

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    読んでる分には面白いんだけど、対談や鼎談は体系的な知識の獲得とか思考を深めるのには向いてない。話し手それぞれの認識レベルに相当な差があるので、読んでいて混乱する。この本の主題である新自由主義ですら、各人のイメージするものがバラバラで、新自由主義=積極財政みたいな「どっからそんな発想が出てくるの?」という発言まで出る始末。面と向かっては批判しにくいのか、意見の食い違いがあってもなんとなくスルーされてしまう。
    なので読後感としては散漫な印象が残る。
    とは言え、以前の単純な右と左の概念では人の志向が説明できなくなってきていることはよくわかった。トクビルがアメリカの教会組織で見出した中間団体が民主主義

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    2024年09月13日
  • 新自由主義と脱成長をもうやめる

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     中間団体はグローバルと新自由主義に対抗するために必要な存在。
     本来自民党はこうした中間団体を守るための政治をしていた。


     聞く力は必要なこと。
     しかしあらゆる意見を聞くということは、その実現が叶わなかった場合の責任が問われてしまう。
     相手の意見を聞くよりも、自分の意見を通そうとする強烈な指導者としての魅力とは、関わる者の思考を止めさせ、目的に協力させることが出来る。一般人の教養を失わせしめるリスクはあるものの、分かりやすく、明確に目的を達成するためには、ある程度、意見の配慮より、実現の早さを目指す度胸も必要。
     岸田総理には、有権者の意見を聴きながらも、確かに自己表明を貫く度胸を期

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    2024年08月25日
  • 新自由主義と脱成長をもうやめる

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    岸田政権 新自由主義=アメリカ化 からの転換  
     改革(自己責任 無駄を省く 開かれた トップダウン)が下火に
      新自由主義:政府の需要創出による経済けん引、所得の再配分 1970代後半
     聞く力=矛盾した要望のバランス取り→わかりにくい→支持率低下
     国際秩序作り:グローバル化 企業や資本家が政府に圧力 庶民の声→中間団体
     日本の新自由主義 中間団体=既得権益層=隣の公務員=抵抗勢力への嫉妬心 
     今の若者は社会を変える から 自分を変えるに 変化 目標は 上からのミッション 

     成長を正しく目指す=成長ばかり(=新自由主義)にこだわらない
     イノベーションは意図的に創出できない

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    2024年06月29日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    表紙の写真で分かるように、エマニュエル・トッドが表看板の本だが、彼が語る場面は、他の著者よりそう多いわけではない。

    グローバリズムが経済的繁栄をもたらすという理論は、じつは根拠がなく、逆に世界に不公平と混乱をもたらす元凶であることを、座談会およびそれぞれの論文でわかりやすく説いた本。

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    2017年09月01日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    「グローバル資本主義によって経済は成長する」と信じられてきましたが、実際のデータを客観的に眺めてみれば、真実はまったく逆であって、「グローバリズムは成長を鈍化させる」
    グローバル資本主義を推し進める人々は、ビジネスに自由さえ与えれば富も雇用も創出され、最大限の成長があると信じてきた
    アメリカにしても日本にしても「国による産業保護」という規制が成長を生ん
    アメリカが、実は世界で最も強力な産業政策を行っているのです。インターネットにせよ、半導体にせよ、航空機にせよ、研究開発を支援したのは国防総省や軍などの政府機関
    グローバリズムは国境を前提にしないものであって、国境が存在することを前提とした上で、

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    2016年11月22日
  • TPP 黒い条約

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    7名の方々がTPPについて反対の方向で書いているので、合意に至ってしまった現在、どうなっていくのか非常に気になる。
    また、新聞・マスコミが取り上げる内容がいかに偏っているかを改めて認識。一般市民が得られる情報って限られるので、「興味を引くための内容」を掲載するのではなく、「国民が知っておくべき内容」を載せて欲しいものです。

    個人的には、
    ・施 光恒さんの「棲み分け型の多文化共生」という考えが好き。
    各国、各地域毎にそれぞれ自前のやり方があり、それらを尊重しながら、各国と交流する。良いところは積極的に学んで自国に合うように翻訳して還元する。
    ・やはり「日本良さって何だろう?」ともう一度考え直し

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    2015年12月31日
  • TPP 黒い条約

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    衰退するアメリカ。そのアメリカ依存から抜けられない日本。この構図のなかで、いま、アメリカが日本を徹底的に搾取しようとしている。それがTPPの正体だ。TPPが日本の成長を助ける自由貿易協定だというのは真っ赤な嘘。99%のわれわれ国民に対して、1%のグローバル企業・超富裕層が仕掛けた罠なのだ。その内実を国民に知らせぬまま条約批准に向かって突き進む政府。黒い条約・TPP締結後の日本はどうなるのか?

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    2013年10月24日
  • 静かなる大恐慌

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    グローバル化と民主政治と国家主権の間には齟齬が存在するため、同時に実現することはできないという。著者は、民主政治と国家主権を選択してグローバル化を断念する選択が望ましいと考えている。戦後のブレトンウッズ体制がそれにあたるが、現在は覇権的地位にある国がなく、経済の発展段階や政治体制が異なる新興国も台頭しているため、きわめて難しい。したがって、今後しばらくは、グローバル化と国家主権を選択して民主政治を犠牲にする路線を進むが、失業対策や福祉政策のための財政が限界に達した時にグローバル化が反転すると予測している。

    ・世界経済の結びつきが強くなった結果、国家は簡単に戦争に訴えることはできないという主張

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    2018年10月31日
  • グローバル恐慌の真相

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    トリレンマ理論では、国際的な資本移動の自由、為替の安定、各国の金融政策の自律性の3つを同時に確保することはできない。戦前の金本位制では、為替を固定し資本の移動を自由にする代わりに、各国の経済政策は自由にできなかった。この体制下で第一次グローバル化が起きたが、国民生活が不安定になった。戦後のブレトンウッズ体制では、ドルで為替を固定し資本の移動を制限する代わりに、各国の経済政策を自律的に行えるようにした。70年代以降にドルが弱くなると、この体制を維持できなくなった。ニクソンショック以降は、為替の安定化をあきらめる代わりに、金融政策の自律性と資本の移動を認める体制になった。途上国は投資を呼び込むこと

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    2018年10月31日