【感想・ネタバレ】静かなる大恐慌のレビュー

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Posted by ブクログ 2012年11月21日

当然と思って疑ってないことをひっくり返してくれるような、そんな嬉しい本に時々出会いますが、この本はまさにそれに当てはまります。

このデフレで内需の成長が望めない中、またこの円高の環境下で、日本が生き残って行くには、海外に出て行くしかない。グローバル化は当然の流れであるとみんな思っているし、僕もそう...続きを読む思っていましたが…

グローバル化が進むということは、国と国との間の利害関係が明確に発生し、それが軋轢を生むという事。
この風潮は第一次世界対戦前の世界といっしょだそうです。

昨今の中国との関係もまた違った視点で見れるようになります。

名著だとおもいます。再読して、もう一度今までの視点を整理したい。

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Posted by ブクログ 2012年10月25日

日本の経済事情に限定せず、資本主義とグローバル化の向かう先を論じる。
経済面からだけでなく政治面や人間の感情も交えて分析している点がとても良い。
グローバル化は決して歴史の必然ではなく、不況の今こそ経済のあり方を考え直す必要がある。

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Posted by ブクログ 2012年10月21日

経済の本でありながら、いまの日中関係の緊張を深いところで理解するためには必須の一冊。20世紀初頭の第一次グローバル化の帰結(世界恐慌・世界大戦)と同じ結末を現代の第二次グローバル化も、もたらすというのが著者の主張。たぶん、この著者の危惧するところが、次々とあたっていくのではないか。そうならないよう軌...続きを読む道修正するためにも、みんがが早くこの本を読むべき。

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Posted by ブクログ 2013年07月17日

グローバル化が世界をリスクに貶める。
それは今までの歴史が物語ってきた。

過去の教訓は生かされなければならない。
過去起きたものより大きな波がきている。
それを断ち切らなければ、今まで以上に大きなショックが全世界を覆うことになるだろう。

政治と経済が密接に関わっているからこそ、グローバル化は国境...続きを読むを越え、国境を塞ぐ大きな壁になる。

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Posted by ブクログ 2013年02月16日

グローバル化は永遠に続かない。100年前の1913年、イギリスを中心に電話が普及し、「全世界の様々な産物を、ロンドン市民はベッドで朝の紅茶をすすりながら電話で好きなだけ注文することができた」とケインズは述べている。英国発のグローバル化がバブルを生み、1930年代の大恐慌、40年代の第二次世界戦争に繋...続きを読むがった。 グローバル化で栄華を誇った英国が「文明国間での戦争は決闘のように時代遅れのもの」と戦争は有り得ないと信じていたのは1913年のこと。その1年後、第一次世界大戦が始まった。ソ連崩壊で始まった第2次グローバル化、インターネットによるバブルが、2008年の米国発の株の暴落、世界的な経済危機に繋がっている。 必ずグローバル化は反転し、保護主義が台頭する。そのとき、世界はまた戦争を繰り返すのか?

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Posted by ブクログ 2013年02月03日

 安倍政権の「アベノミクス」が声高に叫ばれる日本の現状と、アルジェリアの事件をみて、本書を思い出し、昨年読んだ本書をもう一度読み直してみた。
 本書は昨年9月の発行であるから、夏には脱稿していただろから、今年の激動する世界を的確に予言しているようにも思えた。
 昨年本書を読後の「レビュー」は以下のと...続きを読むおり。
 『本書は、最近読んだ経済書の中で読後に一番印象に残った。
 「グローバル経済」が世界を覆っている現在において、マスコミでは「経済危機」という言葉が乱舞している。その対象はヨーロッパ、アメリカ、日本、中国と世界中が舞台だ。
 それぞれ「原因」と「対策」も語られているが、本書はその全体像を「そうかこういう視点で見るべきなのか」と教えてくれるように思えた。
 著者の専門は「経済思想」だそうだが、「マルクス」が神通力を失った現在において、本書の指し示す視点は説得力がある。
 本書は「グローバル化」を否定しているものではない。ただ「グローバル化」のもとでは、「事前に対策をとることは不可能」な構造のもとで「世界経済が脆弱に」なっているというのだ。
 そして過去の「グローバル化」を分析し、その帰結として「第一次世界大戦」が起きたことをその経済的背景から分析している。
 また現在の世界の情勢を「経済戦争のはてに」と経済と国家の視点から解析しているが、そこからの「グローバル化は大きな政府に帰結する」との結論には同感の思いをもった。
 「国家と資本主義、その不可分の関係」では、いかに資本主義が脆弱なシステムであり、「安定性を担保しているのは国家」という関係であるかがよくわかった。
 「日本経済の病理を診断する」における「グローバル化のもたらす社会対立を抑えるためには小さな政府ではなく大きな政府が必要」との結論には、思わず頷いてしまった。
 ただ、本書の「グローバル化」「大きな政府」「グローバル化は福祉国家に行き着く」との道のりは、現在の世界情勢を見ると、まるでロープの上の綱渡りのような極めて危うい細い道のようにも思える。
 本書は、末尾にケインズの言葉「将来に向かっての次の一歩は・・・思想から生じるに違いない」と引用しているが、たしかに本書は単なる経済書ではなく「経済思想書」であると思えた。
 本書を、現在の世界をどう捉えるのかという視点から多くの示唆を与えてくれる良書であると高く評価したい。本書を読んで今後の世界は決してバラ色ではないことを痛感した。』
 本書は、現在でも、まったく古さを感じないどころか、激動の現状を的確に分析しているようにも思える。
 だとしたならば、やはり世界は今後、さらなる激動に陥るのだろうか。 アメリカ経済もようやく上向きに向かっているようにも見えるし、欧州経済も小康状態で、一時の危機を脱出しているようにも思えるが、本書で明らかにされている世界の現状は、大状況では問題は全く解決の道に進んでいないことを示唆している。
 本書は世界の現状をするどく分析した良書であるとあらためて高く評価したい。

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Posted by ブクログ 2013年01月08日

グローバル化or脱グローバル化 どっちが良いの?って、話。

歴史的な観点とか使ってて面白かったです。

あと、印象深いのは、貨幣以外での価値も考えたらどうだろうってくだり。
これは、以前読んだ数冊でも言ってた。

まあ、私は投票するとか、転職するとかくらいしか、行動する選択肢はないかな。

あと、...続きを読む分かりやすかったです。

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Posted by ブクログ 2012年12月23日

今のグローバル化の流れはどこまで進むのだろう、と漠然と感じていた疑問に対し、グローバル化はずっと続くのではなく、別のシナリオもあり得るのだ、ということをとても分かりやすく説明されていて、腑に落ちました。

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Posted by ブクログ 2012年12月22日

グローバル化の進展によって効率化圧力が高まり、格差が拡大することによって社会が不安定化することから、これを安定化させるために福祉の充実が求められる。したがって、グローバル化を求めるなら「小さな政府」ではなくむしろ「大きな政府」を指向しなければならないとする作者の立論は、これまでの「常識」からすると非...続きを読む常に意外だったが、かなりの説得力を感じた。
経済学で主流の計量分析ではなく、歴史パターンの分析による論の展開というのも、新しい視点を与えてくれていい。
短いながら好著。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年08月25日

国家資本主義と、自由資本主義。
保護主義と、国家思想の対立。

国家主権 民主政治 グローバル化 のバランス。

資本主義の本質は、借金返済。
投資での発展。

深化するグローバル化→製造力の流出→国内、地方の疲弊→内需縮小。
恩恵を受ける者とそうでない者の格差も生み出す。

海外依存の高さによる、...続きを読む世界的恐慌での日本の反動ダメージの増加。

グローバル化終焉のサイクルは不可避。 過去二回は世界大戦での終焉。 今回は静かに終焉を迎えられるのか?
その後にどう対応するか?

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Posted by ブクログ 2012年11月12日

非常にわかり易く丁寧に書かれた本でお勧めなのですが、
日本の現在の官僚主導の立法&行政システムで公共投資やら
大きな政府やらに向かうと、危険が更に増幅されます。

もう、根っこの原因を取り除く時間がなさそうなので、
絶望の未来になりそうです。

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Posted by ブクログ 2012年11月05日

資本主義経済の不安定性、それを何とか安定させるため政府機能が肥大化せざるを得ないこと、などが前半では大変分かりやすく説明されています。で、そのことをどのように評価するか、また、どのように克服するか、資本主義経済に代替するどの様な社会を構想するか、という後半部分になると、著者の価値観による説明になって...続きを読むいると感じます。その価値観を全面否定する気はないのですが、現代日本の問題は、著者のような価値観を持つ者とそれと正反対の価値観を持つ者とが併存しており、両者が併存して生きていける社会を構築していくのか、一つの価値観による社会を構築していく方法が果たして存在するのか、という点が最大の課題だと思うのですが。という訳で、とりあえずポランニーを読んでみます!

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Posted by ブクログ 2012年10月31日

■グローバル経済

A.グローバル化は決して一直線に拡大していくプロセスではありませんし、歴史の揺るがざる必然というわけでもありません。
グローバル化はその過程で国家の対立をむしろ高めてしまう。
歴史を振り返れば明らかなように、グローバル化は歴史上、何度も起きては崩れてきました。

B.将来に向かっ...続きを読むての次の一歩は、政治的扇動とか時期尚早の実験によって生ずるのではなく、思想から生じるに違いない。

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Posted by ブクログ 2012年10月30日

グローバル化について、いい勉強になる本。関係ないけど、本書でも引用されてるし、シュンペーター読まにゃいかんかな。

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Posted by ブクログ 2012年09月18日

柴山先生の授業聞いてるみたいな内容。
「市場経済」の視点から見れば規制を取り払って市場に任せた方が効率的かもしれない。しかし「資本主義」の視点から見れば市場への一任は効率性と引き換えに不確実性を極端に大きくしてしまう。
資本主義では将来に対する期待や予測によって投資や消費が行われるため、本質的に不確...続きを読む実性が大きい。その不確実性が時折引き起こす経済ショックから国民の生活を守るためには国家による規制が不可欠となる。しかしグローバル化は国家間の緊張を増長すると同時に国内の格差を拡大し対立を激化させることで健全な民主政治を破壊してしまう。
これからの経済のあり方は単純に二つに分けると、①さらにグローバル化を押し進め、過酷な弱肉強食の世界で効率性を重視した競争を繰り返す「グローバル経済路線」と、②社会の公正と安定、健全な民主政治の実現のためにグローバル化や効率性追求とはほどほどに距離を置く「国民経済路線」が考えられるが、今の日本は間違いなく大好評絶賛グローバル経済路線驀進中!
ほんまにそれでええんかい?みたいな話です。

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Posted by ブクログ 2018年10月31日

グローバル化と民主政治と国家主権の間には齟齬が存在するため、同時に実現することはできないという。著者は、民主政治と国家主権を選択してグローバル化を断念する選択が望ましいと考えている。戦後のブレトンウッズ体制がそれにあたるが、現在は覇権的地位にある国がなく、経済の発展段階や政治体制が異なる新興国も台頭...続きを読むしているため、きわめて難しい。したがって、今後しばらくは、グローバル化と国家主権を選択して民主政治を犠牲にする路線を進むが、失業対策や福祉政策のための財政が限界に達した時にグローバル化が反転すると予測している。

・世界経済の結びつきが強くなった結果、国家は簡単に戦争に訴えることはできないという主張は、第一次グローバル化の時代にもあったが、第一次世界大戦が起きた。
・1929年の大恐慌によって急激な落ち込みを体験した各国は、通貨切り下げ競争に走り、関税引き上げなどの輸入制限を行ってブロック化を進めた。この結果、有力な海外市場や植民地を持たない日本やドイツは最も打撃を受け、戦争の序曲になった。
・イアン・ブレマーは、ロシアや中国の政府指導の資本主義を国家資本主義と呼ぶ。17〜18世紀の西欧の重商主義、韓国やシンガポールの開発独裁と似ているが、民主化が進んだこれらの国とは違い、ロシアや中国の体制が変わるとは想像しにくい。
・重商主義では、特権を得た一部の商人だけが儲かる仕組みだった。アダム・スミスは国内分業を進めて国民全体が繁栄を分かち合う仕組みに変えることを提唱した。
・ロシアや中国のGDPに占める輸出の割合は30%を超えており、グローバル経済が不調になったときに脆い。
・グローバル化の下で生活が不安定になった労働者の不満を抑えるために、政府の規模は大きくなる傾向にある。域内貿易が盛んな欧州でも政府支出の規模が大きい(デイヴィッド・キャメロン)。
・グローバル化と民主政治と国家主権の間には齟齬が存在する(ダニ・ロドリック)。
・日本の輸出依存度は1990年の10%程度から2007年の18%まで上昇した。1930年代は2割を超えていた。
・社会関係資本の概念では、共同体に存在する規範や互酬のネットワークを資本ととらえ、その維持と拡大のプロセスに注目する。

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Posted by ブクログ 2013年05月30日

2012/9初版の新書。2000年以降のグローバル化を批判する本は色々ありますが、淡々とした筆致が逆に好印象。
引用されたケインズの文章に衝撃を受けた。やはり人間は100年経ても何も変わってない。死んでも判らん、てか。
「ロンドンの住民は、ベッドで朝の紅茶をすすりながら、電話で全世界のさまざまな産物...続きを読むを、彼が適当と思う量だけ注文することができた。同じように、彼は自分の富を、世界の天然資源や新事業への投資に好きなように振り向けることができたし、少しも心を煩わせることなく、その果実や利益の分け前にあずかることができた。」
追伸。
最後に、ソーシャルキャピタルの概念と、その価値を定量的に捉えられていない学問の限界が語られている。

正しく、国民総幸福度の議論そのものだ。これがまた、超難しい。
が、ここを頑張らないと我々の未来もないと思う。

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Posted by ブクログ 2013年05月01日

柴山さんの本は『グローバル恐慌の真相』に続いて2冊目かな
――『グローバル恐慌の真相』は中野さんとの共著だけど。

内容は『グローバル恐慌の真相』とあんまり変わらない。
ゆえに,『グローバル恐慌の真相』を読んだ人は,
敢えて本書を読まなくてもよいと思う。

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Posted by ブクログ 2012年12月18日

グローバル化は必然的に経済の不安定化をもたらし、対応していくためには大きな政府が必要、もしくは、グローバル化は行き詰まり、保護主義など脱グローバル化を惹起すると説く。また、この不安定な世の中では、投資の社会化が課題とのこと。これといって新しいことが書かれているわけではないので、初心者向けかな。

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Posted by ブクログ 2012年11月05日

グローバル化は大きな政府に帰結する、ということと、グローバル化は直線的に起こるわけではないこと、資本主義は本質的に国家資本主義である、ということをつまみ食いしました。ちっともグローバルでない市井の人は、何をすればいいんだろう。

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