清水朔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ村にまつわる肝試しを中心に話が広がっていくのが面白かったですが、盛り上がりに欠けていた気がします。登場人物が繋がっていますが、短編だからなのか、出された伏線が回収されず、疑問のまま終わってしまった作品もあって、消化不良な部分が残ってしまいました。怪異で突き進むのか、なんかしらの細工があるのか、はっきり分かったら、さらに面白く読めたのかなと思いました。
解説を読んで、コバルト文庫の方だということに気付く、すごく親しみを感じました。昔はめちゃくちゃ読んでました。今は、一般文芸に出ている作家さんの物しか読まなくなってしまいましたからねー。新しい人を発掘する気はないけど、現在進行形で執筆している作家 -
Posted by ブクログ
ネタバレ奇譚蒐集録シリーズの二作目。前作は沖縄が舞台だったけど、今作は北海道へ飛んである集落に伝わる奇習の謎にせまる。その集落の者は鬼に追われているとして、長く定住することを避け、また男女入れ替え婚のような独特の習俗を持つ。一見アイヌだが、アイヌでも和人でもない。すでに二人を除いて全滅した集落の、その絶滅の謎と奇習の意味を解こうとする帝大講師・南辺田廣章と真汐の旅が物語の縦糸で、これに生き残りの青年と大店の娘の悲恋やら、彼の叔母の過去話やらが絡んでくる。盛り込みすぎな気もするけれど、力作は間違いない。ただ前作に比べると全体に薄味。前作が濃すぎたという言い方もできるから、評価は微妙だけれど、肝心な入れ替