あらすじ
大正三年、帝大講師の南辺田廣章(みなべだこうしょう)と書生・山内真汐(やまうちましお)は、信州・諏訪大社の麓に降り立った。伯爵家に代々伝わる「鉄環(かなわ)のお役」を果たすために。神域の山で禁足地を犯した二人は、山奥の秘村に“来訪神(オトナイサマ)”と遇され、囚(とら)われる。臥龍洞で風の神を祀るその村では、十二年に一度の“奇祭”が今まさに執り行われるところだった――。鉄環の謎と因習の裏に秘められた真実を暴く民俗学ミステリ。
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Posted by ブクログ
廣章先生がいる手前、らしく無いとも思うが、子どもを助けたのはらしいと思う。
まあ、見過ごせる事でもなく。
もし廣章先生だったとしてもでもやり方違えど見過ごさないだろうな。
理由があったものが時と共に風化するならまだしも我がものにするとは。
村のために出来る事が沢山あっただろうに。
金子を着服するだけならまだしも自分達に都合のいい祭りにして人を傷付けるのを楽しんでいる。
同情の余地がない。
真汐の腕前が凄い。見事。
黒曜は助からなかった。
けど、村の未来と結麻と黒曜の心は救われた。
決して無駄では無い。
真汐の目の良さをどうとらえたらいいか悩んでます。
耳のいい人鬼が居たから目がいい人鬼が居てもおかしくない。
けど真汐の目の良さはただの人の範疇なのか。
拾われた先が人鬼を研究していた場所の始末班。
ただの偶然ですましていいのか。
重要なのは出自ではなく育った場所なのか。
まあ、ただの人であっても真汐は凄いと思うし、人鬼が関係してても納得する。
南辺田家は良いところですね。人も良い。
人柄も生きる術も学べる。良い学び。
禽獣操練所のもととなる場所があったとは。
しかも薩摩。でも納得。確かに最初から薩摩は話に出てたからね。
Posted by ブクログ
伝統(風習)を重んじること、残してゆくこと、繋いでいくこと
全てが正しいわけではないと思ったし、残すべき文化は紡いでゆくべきだと強く思った。
民俗学ミステリ、、、おもしろかった⭐︎
Posted by ブクログ
奇譚蒐集録第三弾。舞台は諏訪で、十二年に一度の祭りに遭遇した二人がまたも悲しい事件に巻き込まれていきます。もう三作目になると、きっとこの中で亡くなってしまう人がいるんだろうな、と予測を立てて衝撃に備えてましたが、やはり切なかったです。このシリーズはまだ続きそうなので、心を強くして楽しみに待ちたいと思います。
Posted by ブクログ
前二作のグロテスクさを期待して読んだので肩透かし感はありましたが、これはこれで引き込まれるストーリーと真汐の活躍がかっこよくとても面白かったです。
Posted by ブクログ
奇譚3作目。なんかどんどんマースニーニが好きになっていくのはあの子がいたおかげだからかな。
鉄環が鉄環だけで存在する意味を考えた時には震えた。
伝統を否定せずに、新しい形に作り変えていくっていうのは実社会にも置き換えられることだし、だけどそれって勇気がいて難しいことだよなぁなんて思っていたところに村人の蜂起は勇気をもらった。
Posted by ブクログ
真汐ちゃんんんんんんんん!!
と、ついつい叫んでしまうわ(うるさい
しかもこれまた続くのね??そうなのね????
わたしは中世ヨーロッパの民俗学の研究室にいたことがあるけど、こういう神事にまつわるアレコレって万国共通だなとおもう。なんでか人を贄として捧げがちよね…(そしてそんな中でも富を得ようとするくそみたいな大人もさぁ)
真汐ちゃんは全員は救えずとも今度は二人を救えたからそんなに悲しまないで…!とその手をぎゅっと握ってあげたいわ。しかし人鬼こええええええ(褒めてる
Posted by ブクログ
奇譚蒐集シリーズ三作目
今回は、信州の山奥で12年に一度開かれる独特な祭りを舞台にしている。
これまでのように、人鬼に関連する話でありながらも、次の物語へ繋がるような余韻を残す終わり方であった。
物語で出てくる藤の滝は、もし本当にあるなら一度訪れてみたいと思った。
Posted by ブクログ
奇譚蒐集録シリーズの三作品目。
毎回、世界観を理解するまでに結構な時間を要してしまうのですが…。後半、物語の核心に触れてくるとどんどんページが進んでいきます。
今回も、ラストは切なくて涙が出ました。