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大正三年、帝大講師の南辺田廣章(みなべだこうしょう)と書生・山内真汐(やまうちましお)は、信州・諏訪大社の麓に降り立った。伯爵家に代々伝わる「鉄環(かなわ)のお役」を果たすために。神域の山で禁足地を犯した二人は、山奥の秘村に“来訪神(オトナイサマ)”と遇され、囚(とら)われる。臥龍洞で風の神を祀るその村では、十二年に一度の“奇祭”が今まさに執り行われるところだった――。鉄環の謎と因習の裏に秘められた真実を暴く民俗学ミステリ。
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Posted by ブクログ
今回も良い作品だった。 救える人が今回はいて良かった。長野方面の山々に登ることが多いから、色々な思いを感じる機会が増えそうだな思った。
真汐ちゃんんんんんんんん!! と、ついつい叫んでしまうわ(うるさい しかもこれまた続くのね??そうなのね???? わたしは中世ヨーロッパの民俗学の研究室にいたことがあるけど、こういう神事にまつわるアレコレって万国共通だなとおもう。なんでか人を贄として捧げがちよね…(そしてそんな中でも富を得ようとす...続きを読むるくそみたいな大人もさぁ) 真汐ちゃんは全員は救えずとも今度は二人を救えたからそんなに悲しまないで…!とその手をぎゅっと握ってあげたいわ。しかし人鬼こええええええ(褒めてる
異様な祭りの、一筋縄ではいかない正体が、徐々に明らかになる過程はスリリング。大ネタもあって、この部分の完成度は三作の中でもいちばんではないかな。その分、説明的な会話が延々続くことになるが、これは仕方がないし、この手のお話が好きな人なら苦にならないだろう。ただ、終盤の展開はあざとすぎる。見せ場が欲しい...続きを読むのは解るが、筋の展開がぎこちなくて、無理矢理感は否めない。あげく、泣かせてやろう的に人死が出るのは、さすがに興ざめ。
廣章先生がいる手前、らしく無いとも思うが、子どもを助けたのはらしいと思う。 まあ、見過ごせる事でもなく。 もし廣章先生だったとしてもでもやり方違えど見過ごさないだろうな。 理由があったものが時と共に風化するならまだしも我がものにするとは。 村のために出来る事が沢山あっただろうに。 金子を着服するだ...続きを読むけならまだしも自分達に都合のいい祭りにして人を傷付けるのを楽しんでいる。 同情の余地がない。 真汐の腕前が凄い。見事。 黒曜は助からなかった。 けど、村の未来と結麻と黒曜の心は救われた。 決して無駄では無い。 真汐の目の良さをどうとらえたらいいか悩んでます。 耳のいい人鬼が居たから目がいい人鬼が居てもおかしくない。 けど真汐の目の良さはただの人の範疇なのか。 拾われた先が人鬼を研究していた場所の始末班。 ただの偶然ですましていいのか。 重要なのは出自ではなく育った場所なのか。 まあ、ただの人であっても真汐は凄いと思うし、人鬼が関係してても納得する。 南辺田家は良いところですね。人も良い。 人柄も生きる術も学べる。良い学び。 禽獣操練所のもととなる場所があったとは。 しかも薩摩。でも納得。確かに最初から薩摩は話に出てたからね。
奇譚蒐集録第三弾。舞台は諏訪で、十二年に一度の祭りに遭遇した二人がまたも悲しい事件に巻き込まれていきます。もう三作目になると、きっとこの中で亡くなってしまう人がいるんだろうな、と予測を立てて衝撃に備えてましたが、やはり切なかったです。このシリーズはまだ続きそうなので、心を強くして楽しみに待ちたいと思...続きを読むいます。
真汐はなんと心根の優しい良い子なんでしょう。 このすぐ後の譚だという「薩摩」の地で彼女に災いが訪れないように願うばかり。
前二作のグロテスクさを期待して読んだので肩透かし感はありましたが、これはこれで引き込まれるストーリーと真汐の活躍がかっこよくとても面白かったです。
奇譚3作目。なんかどんどんマースニーニが好きになっていくのはあの子がいたおかげだからかな。 鉄環が鉄環だけで存在する意味を考えた時には震えた。 伝統を否定せずに、新しい形に作り変えていくっていうのは実社会にも置き換えられることだし、だけどそれって勇気がいて難しいことだよなぁなんて思っていたところ...続きを読むに村人の蜂起は勇気をもらった。
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