あらすじ
同窓会に出席するため、七年ぶりに故郷の村を訪れた俊介。その日は、俊介が村を離れるきっかけになった祭りの日だった。七年前の祭りの夜、俊介は友達と五人で村に伝わる「神遊び」をしようと決める。成功すれば願いが叶うが、怖いものに遭うという噂もあって……。小さな冒険心が引き起こした悲劇、そして遺された者たちの後悔の行方は――。表題作ほか三編を収録。神と人をめぐる連作短編集。
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Posted by ブクログ
村にまつわる肝試しを中心に話が広がっていくのが面白かったですが、盛り上がりに欠けていた気がします。登場人物が繋がっていますが、短編だからなのか、出された伏線が回収されず、疑問のまま終わってしまった作品もあって、消化不良な部分が残ってしまいました。怪異で突き進むのか、なんかしらの細工があるのか、はっきり分かったら、さらに面白く読めたのかなと思いました。
解説を読んで、コバルト文庫の方だということに気付く、すごく親しみを感じました。昔はめちゃくちゃ読んでました。今は、一般文芸に出ている作家さんの物しか読まなくなってしまいましたからねー。新しい人を発掘する気はないけど、現在進行形で執筆している作家さんの作品があれば読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ
せっかく面白い設定なのに短編なのがもったいないなあ、と思いました。もっと掘り下げてほしかったけれど、謎が多いまま終わらせるのも、なんだか人間が踏み込めない未知の領域だから謎を明かすことができない、という感じがします。ただやっぱり物足りなさを感じてしまう…。山の怪異のような、もっと不思議なことが起こると思っていました。
Posted by ブクログ
20年前の作品の復刊だなんてことを知らずに手に取りました。「怖っ」と叫ぶようなホラーを期待していると拍子抜けしそうなぐらい素直。最後に嫌な一文みたいなこともなく、ほっとすらしてしまう物語です。
車を乗り入れることが困難なほどの山間にある村に伝わる「神遊び」。そんな神遊びに思い出を持つ人々の連作短編。第2編を読むとき、たいていの人が「おい、おまえ。学習してへんやん」と思うことでしょう(笑)。
結局、怪異というのは、人の心の隙を突いて現れるものなのか。ならば日頃から後悔のないように人と相対して生きたいものですね。