トーベ・ヤンソンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これはパパが嫌いになる痛恨の一冊。
巷で言われている愚かな男性像がそのまま描かれていて、人生経験を積んだ女性にはきつい。ママに同情せざるを得ない。美しい庭の絵を描いて、壁の前で疲れて眠ってしまう場面には涙してしまいそうだった。子ども心には全く湧いてこない感情だ(子供の頃、シリーズのここまで辿り着いた記憶がないのだけれど)。
子どもにもいきなり引っ越しはきついが、ウキウキ発見冒険の未来も期待できるから、少しはマシだ。ムーミントロールもよく頑張っていた。海馬やモランとの遭遇は夢のようなファンタジーで、怖くもあるが美しい。
また20年くらい経ってから読むと、パパの横暴も可愛く思えるのかもしれない -
Posted by ブクログ
短編集。キャラがわかっているので、我が道を行っているなぁとしみじみしながら読む。
偽善とか協調性とか、日本で手垢にまみれている常識がない。
自分の思った通りの言動をする。
それが温かくなくてもいい。
親切にしたいと思えばする。
それがみんなの当たり前であったなら、不意に見せる優しさには裏表がないと、心から感じることができ、心地良さに身を任せ真っ直ぐに感動できる。
これが正しい人間関係なのだろうか?
正しいも間違いもないよね。
自分に正直に、自分が満たされていることで、他人を思いやることができるのは本当。
何となく調和した雰囲気にリラックスして、パフォーマンスが上がることだってあるだろう -
Posted by ブクログ
また災害に襲われるとは!
ムーミン谷の不運を嘆かざるを得ない。
ドタバタ劇ではあるが、キャラクターの個性が際立ち楽しい。
スナフキンは世間では若干神格化されているきらいがあるが、本編だと彼も自分のやりたいように生きているキャラクターのうちの1人である。何なら気まぐれで少し怠け者のように書かれているのもギャップだ。私はそんな彼の方が愛おしくて好きである。
ちゃんとしていて毎日がつまらないなら、面白い方をやってみれば良い。
夏至祭について大人になって知ったが、小さな頃に触れていたこの夏まつりがそれだったんだね。めちゃくちゃすぎてイメージとは違うけど、昔の記憶と今の知識が結びついて嬉しかった。 -
Posted by ブクログ
何回読んだだろう!
子どもの頃、ムーミンシリーズを読むぞと決めて、しばらくして挫折もしくは気が散って離れ、また時が経ってムーミンシリーズを読むぞ、話忘れてるからまずは1巻から…って何回読むねん!
キャラクターの可愛さから、ほのぼの物語を想像して手に取ると、いきなりラグナロクが来ている。時間もなく地球もがっつり干上がっていく様子は、残酷で絶望的だ。
登場人物も仲良しこよしではなく、自分自身のこと、やりたいことに軸を持って振る舞うので、可愛げはそんなにない。
大人の本と違って児童書はドキドキ冒険譚が好まれ、自分も子どもの頃はそれが好きだった。教訓めいたことをはっきり言わなくても、この絶望の中