あらすじ
日本語に翻訳されて30年。「ムーミン」を作り上げたトーベ・ヤンソンの透明感に満ちた至極の短編集が、読みやすく改訂され、美しい新装版になりました。
夏の孤島を舞台とした、母を亡くした少女と祖母の小さくとも豊かな物語です。
人生の扉を開けたばかりの少女ソフィアと、人生の出口にたたずむ祖母。
70も年齢の違うふたりが思うままを対等に、率直にぶつけあいながらも、
たがいにさりげなく思いやるーー。
北欧の自然描写の美しさ、自分らしさを大切にする生き方。
ふたりをそっと見守る国際アンデルセン賞受賞作家トーベ・ヤンソンの優しいまなざし。
今こそ、私たちが大切にしたい物語が輝きます。
●著者紹介
トーベ・ヤンソン 作・絵
画家・作家。1914年8月9日フィンランドの首都ヘルシンキに生まれる。父は彫刻家、母は画家という芸術一家に育ち、15歳のころには、挿絵画家としての仕事をはじめた。雑誌『ガルム』の社会風刺画で一躍有名となる。ストックホルムとパリで絵を学び、1948年に出版した『たのしいムーミン一家』が世界中で評判に。1966年国際アンデルセン大賞、1984年フィンランド国民文学賞受賞。おもな作品に「ムーミン全集」シリーズ(全9巻)のほか、『少女ソフィアの夏』『彫刻家の娘』、絵本『それから どうなるの?」、『ムーミン』コミックスなどがある。2001年6月逝去。
渡部翠 訳
中国・大連に生まれる。日本フィンランド文学協会会員。フィンランド文学研究のためにたびたびフィンランドに滞在し、ヘルシンキ大学の講師をつとめたこともある。主な翻訳に『それから どうなるの?』(作・絵/トーベ・ヤンソン 講談社)をはじめとするムーミン絵本シリーズや、『オンネリとアンネリのおうち』シリーズ(作/マリヤッタ・クレンニエミ 絵/マイヤ・カルマ 福音館)などがある。
●内容紹介
わたし泳ぎたい
月あかり
おばけ森
凪
夏至祭
ソフィアの嵐
など22作
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
息子夫婦が帰省し、可愛い孫に会えたものの、私は料理やみんなの世話に追われ、思うように楽しむことができず、すっかり疲れてしまった。
そんなモヤモヤした気持ちをチャッピーに相談したところ、勧められたのがこの本だった。
ソフィアとおばあちゃんの関係には、気を遣うとか、もてなすとか、そういうものがない。お互いが自分の思うままに過ごしているのだけれど、その自然な距離感がとても素敵だった。
そして、この本を読んで気づいたこと。
相手を尊重し、大切にするということは、相手と同じくらい自分自身を尊重し、大切にすることなのだと思った。
相手を思いやるあまり、自分を後回しにしなくてもいい。相手には相手の、自分には自分の時間や気持ちがある。その両方を大切にできる関係が、自然で心地よい関係なのかもしれない。
ソフィアとおばあちゃんがひと夏を過ごした、自然豊かな島の風景もとても魅力的だった。
読んでよかった。
きっと私は、これから何度もこの本を読み返すと思う。
Posted by ブクログ
孤島でひと夏を過ごすソフィアとお祖母さん(と、あまり作中には出てこない父)。ときには癇癪も起こすが、好奇心と想像力豊かな少女ソフィアに対し、一緒に島の自然とふれあい、時には喧嘩もする祖母。現代日本のように、ばぁばが孫の言いなりになって猫可愛がりするのではなく、あくまで対等で自然体な二人の関係がとても良い。
淡々と出来事が語られるが、いつかソフィアはあのひと夏のことを思い出すのだろうかと思うと羨ましい気持ちになる。
この祖母のモデルは著者トーベ・ヤンソンの実の母、そしてソフィアのモデルは著者の姪(弟の子)で、実際に夏を孤島で過ごしていたという。賃貸のように島を借りられる、フィンランドの自然に対するおおらかさもまた素敵だなと思える一冊。