トーベ・ヤンソンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
セリフの言葉づかいが可愛らしくて心地よい。
作者の感性もさることながら、訳者の解釈も素晴らしいのでしょう。
特にムーミンママの言動には感激。
子供を危険な冒険に、平気な顔で送り出したと思ったら、内心はしっかりと親らしく、心配して、ジタバタしている様子から、干渉ではない、寄り添うような愛情が感じられました。
あとがきで作者の幼少期の家庭環境について知り、作者がこのような世界を描ける理由がわかった気がしました。
自分を含め、「イラつく」「ウザい」といった言葉が当たり前に行き交う我が家だけど、この本を読んでホッと一息つく事が出来ました。
自分ももう少しやさしくなりたいな、と思わせてくれるような、大切 -
Posted by ブクログ
知らない世界で自分の目だけが醒めるなんて、想像しただけで恐ろしい。お子ちゃまだと思ってたムーミントロールの、外に踏み出す一歩が逞しい。
日頃何か物足りなそうな彼が、1人ぼっちで冬を乗り越えていく姿に、人の成長には孤独で何かと向き合う経験が必要なのだと思える。
これまで描いてきた世界の危機や冒険を差し置いて、しんとした季節のど真ん中を過ごすことに、真の大人の階段を持ってくる。筆者のセンスが好きだ。
未知にそっと踏み出す好奇心、嫌いな物のいなし方。ちょっとしたことで苦手も乗り越えられちゃったり。派手な勇ましさとは違う。しかし生きる上で毎日出会う、小さな石ころの蹴飛ばし方を教える、大人には内緒 -
Posted by ブクログ
ここまで読んでシリーズ挫折ってあるある?
私はそうだった。
子どもにはパパの語り口調って面白くないし、時々挟まる親子とスニフのやりとりもあまりハマらない。
大人になって読むと、結構面白かった!
子どもの頃はパパの自惚れや大人に反抗するところが、クラスにいたら痛い奴だという印象で、自分がそうできない妬みもあってか全く好感が持てなかった。
今ではそういう子ども心が理解できるし、頑張れそして色々学ぶのだ、と上から目線で物語を楽しむことができる。
子どもに話を聞かせたがるパパに対しても、まだ子供っぽさところが残る男性だと、少し可愛いとさえ思える。
仲間たちも魅力的だ。子ども世代より可愛らしい?少 -
Posted by ブクログ
冬が近づくと『ムーミン谷の十一月』が読みたくなり、夏が近づくとこの本が読みたくなります。
火を吹く山は暴れるし、洪水の大波がムーミン谷におしよせて、すべてのものを水びたしにしてしまいました。
でも、ムーミンパパは面白がるし、ムーミントロールはスリルを感じるし、ムーミンママはウキウキするし。。。
あなたたちの感覚、どうなってるの?
わたし(みのり)は短い一文一文をたどって、ムーミン谷の世界に戻っていきます。
ただいま、今年も来たよ♪
こっちの世界もいろいろあったよ。。。
年々、作者の評伝などを読んで、わたしの読書は育っていっているのですが、子どもの頃、最初に作品を読んだ時のピ -
Posted by ブクログ
"「彗星って、ひとりぼっちでほんとにさびしいんだろうな」
「うん、そうだよ。人間も、みんなにこわがられるようになるど、あんなふうにひとりになってしまうのさ」"
ムーミンシリーズをちゃんと読んだことがなかったので読んでいこうと思う。
今回は作者のトーベさんが出版した順に刊行された版を読んでいく。第一作目がこの「ムーミン谷の彗星」だ。
ムーミンとスニフが地球に迫る彗星の謎を突き止めるために旅に出て、途中スナフキンやスノークやスノークのお嬢さんに出会いながら冒険するというストーリー。彗星がムーミン谷に衝突するのかどうかがわからず終盤までハラハラした。
海の描写がとても素敵だっ