トーベ・ヤンソンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スニフの声が頭の中でスネ夫で再生される。
スニフは自分が小さいことをアドバンテージとも感じているし、ディスアドバンテージとも捉えていて、その両方の考えが一文の中に何度も出てきたりしてすごい。
自己愛の強すぎる幼子、末っ子ってこういう考え方をするんだよなあ。
ムーミンママのハンドバッグがなくなると村中で大騒ぎして探したり、パンケーキを食べるのが何よりも幸せだったり、金を換金するという発想がなかったり、
価値基準がなにもかも人間とは違っていて心温まる。
わたしの大好きなモランが出てきたけどまた孤独のまま話が終わってしまった。いつ救済されるのか。 -
Posted by ブクログ
冬眠から目覚めたムーミントロールが拾った黒い帽子が、次々と騒動を引き起こす。入れたものの形を変えてしまう魔法の帽子のせいで、ムーミン屋敷はジャングルになるし、ムーミントロール本人の姿まで変わってしまう。読み進めるたびに「次は何が起きるの?」と、ページをめくる手が止まらなかった。
印象的だったのは、ムーミン一家の途方もないおおらかさ。孤独で、みんなから怖れられているモランでさえ、拒絶されることなく受け入れられる。この物語のいちばんやさしいところだと思う。
アニメで育った身としては、原作のスナフキンの自由さに驚いた。旅立つシーンは何度読んでもすきで、かっこよくて、じんとする。シリーズ全巻読破したい。 -
Posted by ブクログ
"家庭生活の中には、ときおりムーミンパパの気にくわないものがありました。今のようにときどき、家族たちが思いやりのないことをやるのです。こんなに長いこと、パパといっしょに住んでいるくせにね。"
読むのに時間がかかった……!!!
ある日、ムーミンパパはムーミン谷の暮らしから抜け出るべく、ママとムーミントロール、養女のミィを連れて灯台のある島に行く。
今ある環境を丸ごと変えないと人生がうまくいかなくなってしまうのではないか。そんな不安が詰まった作品だった。
読むのには時間がかかったけれど、トーベが書きたかったのはこの話じゃないのかな。
ムーミン谷を離れて家族の生活は一変する。魚ばかりの毎日。花の咲かない島。
そんな中、ムーミンはうみうまと出会い、しかもあのモランと少しずつ距離を縮めていく。
ムーミントロールがムーミントロールだけの時間と場所と秘密を持つようになる。
そして、ムーミンママも少しずつ自分を納得させてく。ムーミンパパも、怒ったり悔しがったりした海に対して「好きだ」というようになる。
"「おまえさんはあらゆる方法でわれわれを苦しめた。でも、うまくいかなかったよな。われわれはなんとかかんとか切りぬけてきた。裏をかいてやったんだ。それが気にくわないんだろ。どうだね。それでもわれわれは建設をつづけるよ。
ところで公正にいうならば、ウイスキーの箱をとどけてくれたのは、ありがたかったね。
なぜそんなことをしたか、気づいてるさ。負けかたを知っているからだよ。そうだろ?しかし、だからといって、島にそのしかえしをしようというのは、ひきょうじゃないか。こんなことをいうのも、つまりはーーおまえさんが好きだからだぜ」"
あれだけ海や、そこでの生活の中で「あるべき父親像」に執着したムーミンパパがこれまで悶々と考えるのは、それだけ周りの人やものや自然が好きだからなんだろうなと思う。
最後はムーミンシリーズらしく、灯台にあかりが灯る。
ちょっとの期間暮らしを変えたムーミン一家はちょっとだけ変わって、そしてまたムーミン一家らしく生きていくのかもしれない。
次の「ムーミン谷の十一月」が小説のシリーズとしてはラスト。ムーミンたちと離れがたいなぁ。