【感想・ネタバレ】ムーミン全集[新版]7 ムーミンパパ海へいくのレビュー

あらすじ

この島は、なにかがおかしい……。
ムーミンパパは、灯台守になると言い出し、一家は小さな島へと移り住みます。ですが、島は生きているし、灯台はつかないし、なにひとつ、パパの思い通りにはいかなくて。

1964年に翻訳出版されてから、55年もの間愛され続けてきた「ムーミン」の物語。大人気のキャラクター「ムーミン」は、この全集が原典となっており、今なおその魅力は増すばかりです。
この度、今の時代により読みやすくするべく、改訂を行いました。
初めての方も、ムーミンのことなら何でもご存じの方も、楽しんでいただける[新版]として、順次刊行して参ります。

1 現代的表現、言い回しに整え、読みやすくなりました
2 さしえがクリアな美しい線で再現されます
3 原語最終版に基づき、より細部にこだわった表現に
4 フィンランド最新刊と共通のカバーデザイン
5 四六判ソフトカバーでコンパクトに

こどもから大人も楽しめる、大注目のシリーズ、決定版です!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ムーミンパパ海に行く…っていうか灯台守になるっていったほうがいいお話。まあ灯台の明かりはつかなかったんだけど。失ったと思ってたものが再び元に戻ってくる話…と思っていいのか? ママがとても可哀想になるのと同時に、私もムーミン谷が恋しくなってしまったw ミィがいつの間にか養女になっていたり、ムーミントロールがミィには結構辛辣だったり驚いた。

0
2021年01月10日

Posted by ブクログ

これは8月末から10月3日までのお話し。

夏の終わりのある日、パパは、手もちぶさたに庭を歩いていた。しなけらばならないことは、すっかりやってしまったか、他の誰かがやってしまったように思い、悲しげに…。
ってつまり、自分が家族から頼りにされないことが気に入らない男なんですよ、このパパは。(新版訳者の畑中さんいわく、このパパはトーべの父そのものだろうと。)

ママがパパの地図を見て、私たちはここに住みつくのだとムーミントロールに語ります。
そしてその通り、一家は灯台のあるパパの島へと引っ越すことになるのです。(この時の一家とは、パパ、ママ、ムーミン、ちびのミイの4人!)

島には小さな漁師が住んでいる他にはだれもいない、何もない。
パパは灯台に明かりを灯したいのに、明かりの付け方が分からない。
ママは、お庭が恋しくて壁に絵を書き始める。
ムーミンは、うみうまに夢中。
ミイ…この子だけは、どんなときもいつも通り。

前半はとくに、ママがパパをやたらとたてることに胸が締め付けられて(頭にきて)しまう。
もうパパの勝手さには終始辟易…
ムーミンも自立心を顕にします。そして恋を知る?
スノークのお嬢さんを差し置いた、本物の恋?

ムーミン谷から明かりを求めてついてきたモランもいます。
このモランが…モランと4人の関係に注目の巻でした。

ママからも目が離せません。
この島では大切なママのカバンを持ち歩かなくなってしまったり…
家族のお世話もおろそかに、壁に絵を描き始めたりするのです 。
それはまるでトーべの仕事のようだと私には思えました。トーべが本当にしたい仕事を、そこに描いたかのようです。

今回も私がたまらなく好きだったのはなんといってもちびのミイ。名言あるいは迷言にあふれています。
最高なのはこちら

0
2022年09月19日

Posted by ブクログ

モランとうみうまも登場し、ますますムーミン世界のキャラクターが豊かに。嵐に巻き込まれたりと色々なことが起きるけれど、もしかしたら、ムーミンのキャラクターで1番子供っぽいかもしれないムーミンパパ、おおらかなムーミンママ、こまっしゃくれたリトルミイ、冒険心大勢なムーミン達の姿はいつも通りで安心する。彗星が地球と衝突したり津波だったりと、自然災害に〈いのちの不安〉にさらされても、自分たちなりに対処して生き抜いていくムーミン達の姿には学ぶところが多い気がする。

0
2025年10月24日

Posted by ブクログ

これはパパが嫌いになる痛恨の一冊。
巷で言われている愚かな男性像がそのまま描かれていて、人生経験を積んだ女性にはきつい。ママに同情せざるを得ない。美しい庭の絵を描いて、壁の前で疲れて眠ってしまう場面には涙してしまいそうだった。子ども心には全く湧いてこない感情だ(子供の頃、シリーズのここまで辿り着いた記憶がないのだけれど)。

子どもにもいきなり引っ越しはきついが、ウキウキ発見冒険の未来も期待できるから、少しはマシだ。ムーミントロールもよく頑張っていた。海馬やモランとの遭遇は夢のようなファンタジーで、怖くもあるが美しい。

また20年くらい経ってから読むと、パパの横暴も可愛く思えるのかもしれない。ほんと人間って……心はいつまでも成長するし、どこまでも吸収できるのに、時々大事なものまで忘れてしまう。儚く移ろいやすいものさ。

0
2025年08月16日

Posted by ブクログ

ムーミンたちが鬱々としていた。島も普段のように優しくて美しい自然に溢れた場所ではなく、厳しくて、よそよそしい。家族の危機を描いているのかな?ムーミンも思春期っぽいし。パパってこんな感じだったっけ?何事も美しいだけでなく、辛かったり冷たかったり、見たくない側面がある。

0
2024年11月02日

Posted by ブクログ

ムーミンパパが中年の危機?を起こして家族を連れてムーミン谷から孤独な島に移住するお話。
島は岩でゴツゴツしてパパ憧れの灯台も灯がつかずボロボロ…リーダーシップを見せつけようとするパパの行動もイマイチよく分からない。自分だったら「クソジジイ!こんなことに付き合ってられるか!!」とキレてなんとか島脱出を図ろうとすると思いますが、ママもムーミントロールも健気です。
半分くらいそういったうまく行かない島での生活のお話なので、読み進めるのに少し気力がいりました。
ミイは『ムーミン谷の冬』同様なんでも楽しめる気質なんですね。このお話ではミイのセリフ・行動のキレがすごいです。そういった力強いセリフと、うみうま、モラン、漁師などの不思議な登場人物とムーミン一家の交流、最後の急展開でなんだかんだ読んでよかったなと思えます。
挿絵の線がシャープでなんだか不穏な印象を受けるとともに、単純化されたムーミントロールの形になにか完成に向かっていっているような気迫も感じます。

0
2020年11月15日

「小説」ランキング