あらすじ
ムーミン谷が洪水に見舞われ、流れてきた家に移り住んだムーミン一家。あやしい家は、どうやら劇場というもので、ドタバタと芝居をすることになりますが…!? 一家離散の大騒動や、スナフキンとちびのミイのたのしい一幕も必見です。1964年に翻訳出版されてから、55年もの間愛され続けてきた「ムーミン」の物語。大人気のキャラクター「ムーミン」は、この全集が原典となっており、今なおその魅力は増すばかりです。この度、今の時代により読みやすくするべく、改訂を行いました。初めての方も、ムーミンのことなら何でもご存じの方も、楽しんでいただける[新版]として、順次刊行して参ります。1.現代的表現、言い回しに整え、読みやすくなりました。2.さしえがクリアな美しい線で再現されます。3.原語最終版に基づき、より細部にこだわった表現に。4.フィンランド最新刊と共通のカバーデザイン。こどもから大人も楽しめる、大注目のシリーズ、決定版です!
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Posted by ブクログ
"時間はこれから先にも、たっぷりあるのですからね。これから夏がつづいて、したいことをいっぱいできるのです。今は、まるで劇のようなめぐりあいをしたことと、この夜と、脱走するスリルとで、胸がいっぱいでした。これ以上、よけいなものなんていりません。"
ムーミン谷が洪水の被害に!ムーミン一家と仲間たちは仕方なく新しい家を探します。
やっと見つけた家はなんだかちょっと変……?そこに住んでいたエンマに「ここは家ではなくて劇場なのだ!」と言われて!?
から始まるムーミンの冒険譚。冒険するムーミンの物語としては一番面白かった!!
必ずムーミンたちはムーミン谷で合流できるし、それまでに素晴らしい出会いをする。
そして、新しく出会った人たちもムーミンたちと関わる中で本当の自分や落ち着ける場所を見つけていけるのだな。夏至と夏至の前夜をお祝いする楽しい冒険譚だった。
"「あたい、また眠くなっちゃったわ。ポケットの中が、いつもいちばんよく眠れるの」
「そうかい。大切なのは、自分のしたいことがなにかを、わかってるってことだよ」
スナフキンはそういって、ちびのミイをポケットの中へ入れてやりました。"
トーベが物語に込めた「自分が何をしたいのかわかっていることが幸せなんだ」というメッセージも素敵だった。スナフキンがムーミンと再会できて良かったよ!!
「トーベとムーミン展」に展示されていた絵もたくさん挿絵として出てきて「ここの絵だったのか!!」と感動した。
トーベがムーミンたちに託したもののことを考えたい。
Posted by ブクログ
ある日洪水でムーミン谷が沈没してしまった。家が流れてきてそちらに引っ越すムーミン一家。その家は実は劇場で…。
ムーミンとフローレンが家族とはぐれたり、小さなミイがはぐれてスナフキンとあったり、ハプニングはありつつもそれぞれの勇気とのんきさで乗り越えていく話。
スナフキンが森の子どもたちの面倒を見てるのが、おじさんとか呼ばれてたけど、お兄さん感があってかっこよかった!
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ちびのミイとミムラねえさんの関係性がとくに大好きだった4巻。
夏至をお祝いするフィンランドの短い夏への入り口を、火山の噴火による洪水という驚くべきエピソードで描いてしまう、トーべのユーモアの感覚に驚かされます。
ムーミンハウスが浸かってしまい、たまたま流れてきた家に移り住んでみたところ…そこはなんと劇場だっただなんて!
ムーミンパパの文才がここでいかされる?ことになります。
最初はムーミンママが、ムーミンのためにちいさな木の皮の船をこしらえているところからはじまります。「これで嵐になってもだいじょうぶだわ」
なんて、お日様のひかりを浴びながら、ミムラねえさんとちびのミイと、いたところに、火山灰がぱらっと降ってきて…
ちびのミイったらほんとに困った子!
ミイが流されてしまって、でもちゃあんとスナフキンに助けられるところが安心して読めます。
そしてこの2人がいいコンビ。さすが異母兄弟ww
スナフキンが公園から救ってしまった24人の子どもたちの扱いに困っていると、ミイがアドバイスしてくれます。
「あたいのねえさんみたいにするのがいいわ。だまらないと、たたきころしちゃうぞ!っていうのよ。そのあとであやまって、キャンディーをやるの」
「そうすりゃききめがあるのかい?」
「ないわ」
ないわなww思わず突っ込みましたもんね、読みながら。
そういいながらも、ミイとミムラねえさんはとっても思いあっているのがらすとでもわかります。いいなぁ。すきだなぁ。
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ミムラのむすめがしっかりもののミムラねえさんに?と思ったけど、別人?洪水で流されてきた劇場に仮住まい?したムーミン一家とその他の人のお話。小さいヘムルが何でノートに文字を書いてるのかと思ったけど、あんなオチになっているとは…。
Posted by ブクログ
新しく登場するキャラクターたちが魅力的です!
ミーサのうじうじと自分で不幸な気持ちになっていく様はイライラするけど、誰でもそういう面があるかも?と思って身近に感じられる。エンマのなんだか嫌味だけど演劇への情熱を感じられる話し方も素敵。
子どもを育てる親の心を優しく面白く描いている場面が多いです。いつでもムーミントロールに愛情を注ぐムーミンママ、チビのミーを叱りとばすミムラのおねえさん、小さな子どもたちに接するスナフキン、それぞれの言葉に親心が垣間見えます。
ムーミン谷の大洪水から始まる楽しくハラハラする冒険+演劇物語です。
Posted by ブクログ
冬が近づくと『ムーミン谷の十一月』が読みたくなり、夏が近づくとこの本が読みたくなります。
火を吹く山は暴れるし、洪水の大波がムーミン谷におしよせて、すべてのものを水びたしにしてしまいました。
でも、ムーミンパパは面白がるし、ムーミントロールはスリルを感じるし、ムーミンママはウキウキするし。。。
あなたたちの感覚、どうなってるの?
わたし(みのり)は短い一文一文をたどって、ムーミン谷の世界に戻っていきます。
ただいま、今年も来たよ♪
こっちの世界もいろいろあったよ。。。
年々、作者の評伝などを読んで、わたしの読書は育っていっているのですが、子どもの頃、最初に作品を読んだ時のピュアな嗅覚はページを開くと甦ってきます。幸せな瞬間です♡
長く生きてきたけど、その分楽しめてるわ、ありがとね♡
今年も夏がやってきます。
Posted by ブクログ
家族バラバラになっても、それぞれに勇気を持って対処していくムーミン谷の人々がポジティブで好き。いつでもおおらかで、穏やかなムーミンママとムーミンパパの姿や伝統に囚われていたフィリフヨンカが自分の心に従って最高の一日を過ごそうと考えを変えていく姿にトーベ・ヤンソンさんからのメッセージが詰まっているように感じた。スナフキンの「たいせつなのは、自分のしたいことを自分で知ってること」という言葉が深い。
Posted by ブクログ
泣いているスノークのお嬢さんを励まして家族を探しに行くときのムーミンの言葉がとても印象的だった。励ますのが巧みで思いやりに溢れているので、全人類が真似したほうがいいと思った。
ムーミンママとムーミンパパも、大きな危険があっても大きく嘆いたりしないで、なんだかんだとその時を楽しんでいる。どっしり構えてていいなぁと思った。こういう親になりたい。
フィリフヨンカさんが伝統に縛られて悲しんでいるところから、自分の心に従って最高の一日を過ごすシーンも大好き。トーベ・ヤンソンさんが大事にしているものがここに詰まってる気がした。
Posted by ブクログ
また災害に襲われるとは!
ムーミン谷の不運を嘆かざるを得ない。
ドタバタ劇ではあるが、キャラクターの個性が際立ち楽しい。
スナフキンは世間では若干神格化されているきらいがあるが、本編だと彼も自分のやりたいように生きているキャラクターのうちの1人である。何なら気まぐれで少し怠け者のように書かれているのもギャップだ。私はそんな彼の方が愛おしくて好きである。
ちゃんとしていて毎日がつまらないなら、面白い方をやってみれば良い。
夏至祭について大人になって知ったが、小さな頃に触れていたこの夏まつりがそれだったんだね。めちゃくちゃすぎてイメージとは違うけど、昔の記憶と今の知識が結びついて嬉しかった。