あらすじ
一度出版された後、長い間絶版となっていた1冊。
1945年に刊行した、ムーミンの物語の第一作です。
どこかへ行ってしまったパパと、冬ごもりのための家をさがして、ムーミンママとムーミントロールが旅をします。
1964年に翻訳出版されてから、55年もの間愛され続けてきた「ムーミン」の物語。大人気のキャラクター「ムーミン」は、この全集が原典となっており、今なおその魅力は増すばかりです。
この度、今の時代により読みやすくするべく、改訂を行いました。
初めての方も、ムーミンのことなら何でもご存じの方も、楽しんでいただける[新版]として刊行した全集の最終巻。
1現代的表現、言い回しに整え、読みやすくなりました
2さしえがクリアな美しい線で再現されます
3原語最終版に基づき、より細部にこだわった表現に
4フィンランド最新刊と共通のカバーデザイン
5四六判ソフトカバーでコンパクトに
こどもから大人も楽しめる、大注目のシリーズ、決定版です!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
本棚に置きたい一冊
トーベ・ヤンソンさんの世界が大好きです。
以前何かで、ムーミン全集をお勧めされており、拝読。
ムーミンといえば、高校生のころ。
今からもう22年も前のことになるのか。
アニメにはまり、そしたら大好きな友人もはまって、今思えばそれも嬉しかったなぁ。
あの頃はまだ、市内に出てもムーミンのグッズは少なかったけど、今はムーミングッズがこんなに増えました。
かわいいだけではない、トーベ・ヤンソンさん描く物語。
序文では、ちょうど戦争があっていた時に、
風刺画を描く時に署名がわりに使っていた、
怒った顔の生きものを主人公にしてムーミントロールという名をつけたとのこと。
かわいい登場人物たち
ムーミントロール
ムーミントロールのママ
スニフ
チューリッパー 青い髪の毛をした子。チューリッパーの絵が可愛くてとても好きだった。
ニョロニョロ
赤い髪の少年
コウノトリ
ママは凄いです。
パパを探す旅の間で、素敵な世界に辿り着いたのです。何から何で美味しい食べ物でできた世界。
そのあとは怒ってばかりのアリジゴクに出会ったり、
そしたらなんとニョロニョロ。
ママがパパのことを尋ねてもニョロニョロには伝わらず、
ニョロニョロと船と一緒に海の大嵐にさらわれます。
そして流れ着いた浜辺には赤髪の少年が。
海のプディングって一体どうなもの?
素敵な髪色同士の2人が一緒になったり。
そのあとは洪水に遭います。
そこで、猫の親子、ヘルムと出会います。
コウノトリの大切な眼鏡を見つけたムーミン。
コウノトリから大きな恩返しを貰います。
コウノトリに乗って、パパが見つかったり。
そして名前ぴったりなコウノトリは、それからも洪水で避難にあった生き物たちを助ける様子。
そして最後に、あのムーミンの家、洪水で流されたと思った家が小さな谷に流されてあったこと。
翻訳の冨原眞弓さんが
「ムーミンシリーズでは、すべてのキャラクターが、成長する生きものとして描かれています。おとなだからといって完全ではありませんし、子どもだからといって軽んじられることもありません。おとなも子どもも、たがいにかかわりあいながら、たがいのありかたを少しづつ変えていくのです。年齢にかかわりなく、ムーミンシリーズがわたしたちの心にまっすぐに語りかけてくる理由は、この辺りにあるのではないでしょうか」
Posted by ブクログ
ムーミンシリーズの第一作目。
後のシリーズと少し設定にズレがあるようにも。
しかし一作目からパパは結構とんだところがありますね。海へ行く、のあのパパの片鱗が。
Posted by ブクログ
『ボーダー 二つの世界』というスウェーデン映画を見て、
「トロールの話って他にどんなものがあるんだろう?」と気になり、
検索した結果出てきたのが『小さなトロールと大きな洪水』(トーベ・ヤンソン)。
今更思い出したけど…トロールって、『ハリーポッター』『ロード・オブ・ザ・リング』のイメージ強くて、
まさかムーミン出てくるとは思わなかった!!!!!
「トロール」とは一体何者なのか、本作を読み終えてから調べるか……と思っていたら書いてあったので抜粋。
【「トロール」というのは、北欧の神話や民話に出てくる妖精や小鬼のことで、北欧の人ならだれでも知っています。】
小鬼と妖精が一緒にされている事にもおどろきね。
そしてそこにさらに書いてあったのは、
【ムーミントロールというのは、ひとりのキャラクターにつけられた固有名詞ではなく、グループにつけられた種族名なのです。】
…とのこと。
普段私が「ムーミンかわいい」と言っているのは、
どうやら「ワンちゃんかわいい」と言っているようなものだったらしい。
主人公の名前やと思ってた…。
ムーミン以外にもいろいろ名前ある子が出てくると思ってた……
そして何気なく取ったこの一冊こそが【ムーミンシリーズ第1作目】との事。(第二次世界大戦の終了直後に、かぎられた部数で出版されたきり、長らく絶版になっていたそうです)
4重にビックリしました。
……と今まで幾度となく見てきたキャラクターをちゃんと知る良い機会になったなぁ。
ピカチュウがネズミだという事は間違いなく断言できるけど…
ウルトラマン……あなたは一体何者なのだ……。
Posted by ブクログ
ムーミンシリーズの処女作。一番最初に作ったせいか、設定が色々とちがっているし、ムーミンママの性格もちょっと違う気がする。パパがいなくなって必死に探しているからかもしれないけど。
でも、作者のトーベ・ヤンソンさんの作風は変わらず、読んでいる私を温かい気持ちにさせてくれました。
Posted by ブクログ
ムーミン物語を読むのは、実はこれが初めて。
本作は、ムーミン物語の第一作。
戦時中の1939年に、子供達のために
トーべが風刺画を描く際に、サイン代わりに
使っていた怒った顔の生き物をムーミントロールと名付けて主人公に構想、1945年に物語化。
当時トーベのフィンランドは、ドイツ軍の侵入
ソ連の空爆を受ける。
物語、最初はパパが不在で、ムーミンが、
ママと二人で、暖かくて住みやすい場所を探して、暗い森の中を旅する。
家族がばらばら、絵の挿絵もどことなく暗く、
戦争の影響を受けていると読むと、
最後にムーミンパパと再会できた時は、
心から安堵の気持ちがした。
Posted by ブクログ
ムーミン1作目ということなので、
こちらを先に読んでみました。
普段見かけるキャラクターより少し暗めな印象でした。
2作目以降が普段見かけるムーミンというレビューを見かけることが多いので、どんな風に印象が変わるのか、続きが楽しみです!
Posted by ブクログ
ムーミンに最近はまって小説が読みたくなったので読んでみた。
全集では9だけど1作目ということなのではじめにこの作品。
ムーミン、ムーミンママ、スニフと小説版でもそのままの人(?)柄。大人になって読むとより好きになると思う。スナフキン、ミー、フローレンなんかは出てきてないのでシリーズ全部制覇したい!
Posted by ブクログ
ムーミン物語の第1作とのこと。なんでも出てくるママのバッグ、心強いなあ。パパははじめから放浪癖があったんだな。そして巻末の解説。本作が書かれた時代背景を読むと、今とあまりにも通じるところが多くてびっくりする。と同時に、ムーミンシリーズにただよう、楽しいながらもどこかうっすらと影のある感じも納得がいくのだった。
Posted by ブクログ
ムーミンを一度も読んだことがなかったので、作品を書かれた順に読んでみようと思い立った。
全体を通して不安・薄暗い感じのストーリーなのは、書かれた当時が第二次世界大戦の真っ只中であったということから納得できた。
また、パパに放浪癖がある事を知らなかったし、ママも強気な所があるので、創造の生物でも意外と人間に近い感性なんだなと思った。
全ページ通して挿絵がふんだんに使われているので想像もしやすく、新装版とあって装丁が美しかった。
チューリッパが可愛らしいなぁと好みだった。
他の作品はもっとほのぼのしているのか、気になるところ。
Posted by ブクログ
子供の時にテレビアニメで放送されていたムーミン。この本はなんと、1945年に出版された「ムーミン」の記念すべき1作目!ストーリーは、行方不明となったムーミンパパをムーミンとムーミンママが探しに行くという感じ。100頁ちょっとなので1時間も掛からず読めちゃうんですが、「哲学的」というと凄く大袈裟なのですが、「何とも言えない深さ」を感じてしまいました。というのは、埼玉県飯能市にあるムーミンパークに行った際に作者であるトーベ・ヤンソンさんの生立ちを知ったからだったり、久しく童話を読んでいなかったせいかと思うんですが。。。気になる方は読んでみて下さい♪
Posted by ブクログ
初めて読んだムーミン物語のゼロ巻。ここから始まったんだと感慨深い。
パパじゃなくてママと冒険。パパは自分勝手に出て行って自分の正義に酔って押しつぶされている。
ママはしっかり者だけど強くはない。ムーミンが支える。
短い中にも、子ども心をくすぐる冒険と少しの不穏が詰まっていて良い本だと思った。
Posted by ブクログ
他の作品と比べても不安の強い作品だった。書き始めた時が第二次世界大戦中だったというから納得だ。それでも最後には幸せになってくれるから、ホッとする。ママは今作では少し感情の波が大きいけど、他の作品に繋がるところも見える。ムーミンは泣いたり甘えたりしていて少し子どもらしい。パパはだいぶ勝手だけど、それは「ムーミンパパ、海へ行く」でも感じた部分だし、家族の事を思う気持ちは強いから、通じるところがあるな。最初の一作から、キャラクターはしっかりできていたんだな。
最後の解説も読み応えがあった。ムーミンの童話全てに通じている、個人の個性を尊重するコミュニケーションの取り方や、大人も子どもも成長する存在として描かれているところがとても好きだ。
フィンランド旅行の前に読み終えられてよかったな。