川越宗一のレビュー一覧

  • 大日の使徒

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    パシヨンのスピンオフ的な作品かな。パシヨンほどのドラマはないが、信仰への渇いた距離感がよかった。権力に翻弄される民を救うのは信仰か生活か。パシヨンの情熱と表裏で読むと面白い。

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    2025年11月11日
  • 熱源

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    なんか、読むタイミングが悪かったのか、あまり入り込めず読み終えました。
    1人1人の物語が浅いような気もして、登場人物が多いせいか。
    名前もやはりあまり入ってこない。
    でも、アイヌって複雑な立ち位置にいたんだなー。日本とロシアの狭間にいて。
    自分がはっきりアイヌを知った(文化)のはゴールデンカムイだし。ただ、熱源を読んで他のアイヌを題材にした本を読みたくなりました。

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    2025年10月25日
  • 大日の使徒

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    フランシスコ・ザビエルと共に日本にキリスト教布教の第一歩を記したヤジロウ。アンジロウとも言われるその出自が明らかでない人物を一人の人間としてその子供時代から想像豊かに描いている。正直少しお話としておあつらえ過ぎる感はあるものの、キリスト教の布教の苦労話的内容ではなく、ヤジロウその人に焦点を当てたことで、読み物としてのおもしろみ、エンタメ性が強調され、ペース良く読み進めることができた。

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    2025年10月07日
  • 大日の使徒

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    言語の異なる日本で布教するにあたり、デウスをダイニチと訳してしまったという誤ち。この間違いがなければ違う歴史になっていたのか。

    フロイスが残した記録はあるものの、ヤジロウについての詳細はどこまでが正しいかいまだに分かっていない。
    あの時代にマラッカに渡りゴアに渡り宣教師と共に帰国した人物がいたというのはすごい。

    装丁とタイトルは文庫化の時に変えた方が売れるのではないかな。

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    2025年10月05日
  • 熱源

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    大国に飲み込まれる樺太に住んでいたアイヌたち、そしてポーランドからの囚人、途中からだんだん辛くなってきたけど最後は未来があってよかった。子孫が脈々と息づいている。それが救い。
    ポーランドの囚人(父)と樺太アイヌ(母)の子供ってゴールデンカムイにも出てきたけど同じモデルなのかな。この本の主人公の一人であるブロニスワフは実在してるようで、史実も織り交ぜられてるとのこと。読み応えは抜群。

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    2025年09月07日
  • 熱源

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    日本人なんだけどアイヌ、ロシアに拘束されたポーランド人。 それぞれに思うことを貫く姿。 3章以降の進行が早くてもう少しディテールが有ってもいいかなと。 あと有名人を登場させ過ぎかなとも…

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    2025年01月19日
  • 熱源

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    アイヌの文化などをテーマとした冒険歴史小説。歴史小説自体、普段あまり読まないので新鮮でした。主題としてアイヌについて描かれているが、アイヌ文化に限定したものではなく、自分たちのルーツや生まれ育った場所に対する登場人物たちの思いなどがとてもよく反映されていた。アイヌを含め、それぞれの文化や人々の生き様が次の世代に託されるということに郷愁を感じる思いです。

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    2024年12月17日
  • 灯台を読む

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    日本に約3000基ある灯台の役割や多様な価値について知ってもらおうという趣旨で進められている「海と灯台プロジェクト」。主体は一般社団法人・海洋文化創造フォーラムで共催が日本財団と海上保安庁である。そのプロジェクトの一環として企画されたのが、灯台が果たしてきた地域固有の役割や機能、存在価値を物語化して知らしめようという取り組み。本書はそれに基づき19基の灯台を6人の著名な作家が分担して現地取材し、紀行文集として取りまとめたもの。
    灯台の建築技術や歴史、地域との関わりについて様々な観点から語られ、読み進めるうちに少しずつ灯台への関心が高まってくる。
    しかし、門外漢の私には歴史作家や描写力のある作家の語りには少々、退屈で疲労感を覚えたというのが正直なところ。むしろ、ファンタジー作家で自信もミスチョイスでないかと思ったという阿部智里氏の大衆性をベースにした書きぶりに親近感を覚え、ほっとした。
    それはともかく、灯台に関して基礎的で大事なことだと思った点を幾つか挙げておく。
    ①江戸幕府に対し、西洋各国は航路を照らす灯台の必要性を主張、条約を協定させ、8つの灯台を建設させた。その第1号として、明治2年に初点灯したのが観音埼灯台
    ②灯台は、西洋人の航路に配慮して、太平洋、東シナ海、瀬戸内海、日本海の順で建てられた
    ③徳川末期にイギリスから来日し約7年半で26基の灯台を建てたリチャード・ヘンリー・ブラントンは日本の「灯台の父」と呼ばれた
    ④灯台の灯りはフレネルレンズという大きなレンズからプリズム状の光を投げかけ約30~50キロメートル先まで届く
    ⑤海路を守る灯台は軍事的な価値もあったため、太平洋戦争では、攻撃目標にされた 
    ⑥GPSなど航海技術が発達した今日、灯台は航路標識としての役割を終えつつあり、文化財や観光資源としての面がクローズアップされている
    これら以外にも、トピックネタとして面白いと思った点を挙げておく。
    ①島根県の出雲日御碕灯台は、駐車場完備、お土産屋、食堂もあり、灯台内部は一般公開され、観光スポットになっている 
    ②高知県室戸岬灯台のレンズの直径は2.6メートルで光達距離約49キロの第一等フレネルレンズ
    ③三重県安乗埼灯台は全国でも珍しい四角形の灯台。映画「喜びも悲しみも幾歳月」の舞台にもなった
    ④点灯してから1分以内に生じるエメラルドグリーンに光る瞬間を見たいという灯台ファンが多い
    ⑤富山県の生地鼻灯台は灯塔を白黒2色に塗られているので、パンダ灯台の愛称で呼ばれている

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    2024年11月27日
  • 天地に燦たり

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    人間になりたい薩摩武士・琉球人・朝鮮人の視点から朝鮮出兵から琉球侵攻までを儒教(礼)を軸に描く、というのはよく考えたなぁと思った。
    その分、主人公達はその属性以上の性格に乏しかったり、ストーリー上面白いことが起こらなかったんだけれども。

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    2024年08月31日
  • 福音列車

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    歴史の裏には人の汗が涙がある。ぬくぬくとした場所から現場を知らず、戦地に命令を出す。理不尽やろ。戦争したい奴が現場に行け。
    人は戦いの中で成長もする。それは感じた

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    2024年08月16日
  • 熱源

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    時代ものとして読んだが、近代の実話をベースに書かれている。有名な人物も登場するので、イメージがしやすい。重いテーマではあるが、生きることの重要性と、「どう生きるか」について考える機会になった。

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    2024年08月08日
  • 天地に燦たり

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    戦を続けながらも
    なんのために戦うのか嘆く

    国のため
    大切な人のため
    自分のため

    己の生は己次第

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    2024年07月30日
  • 見果てぬ王道

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    国父と呼ばれる孫文、こんなになんというか正直パッとしない、始まる前からオワコン感の強い人物だったのか、、、(フィクション部分あるとはいえ)と結構ふふっとしながら読みました。

    同作者の『熱源』、また小川哲さんの『地図と拳』あたりを読んで、高校世界史の図説タペストリーを読み読み中国の近代革命については少々勉強してあたので、さらに学びにもなりました。

    歴史の教科書だけではどうしても袁世凱がトップに立ったあたりとか??なんでそうなる?と思った記憶がありますが、当事者に近しい梅屋庄吉も“ぽかんと口をあけた”という反応になること、とても納得して歴史が文字だけでなくストンと落ちました。

    梅屋庄吉が主人公であるためか、日本と中国とはいえ、長崎と上海の近さを感じました。距離的にも文化的にも。いや文化的にも、、と思いましたが、梅屋庄吉の中国人に対する一歩引いた距離感も感じました。自分は個人として孫文に惹かれていて全力でサポートはするが当事者ではないという微妙な距離感。


    老年になった梅屋庄吉が自分のことを「ただの成金じゃ」って言っていましたが、こういうのを「成金」っていうんだなって改めて。小説から学ぶことって本当に多いなぁって実感しました。

    前述の『熱源』の主人公のひとりが南極へ行ったときの犬橇の登場などは胸熱でした。なるほど撮影してたんですね!!

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    2024年06月17日
  • 海神の子

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    歌舞伎の題目に「国性爺合戦」というのがある、ということは聞いたことがあるけど、観たことはないので、どんな話かは知らない。しかし、鄭成功の一生を題材にしたものだったら、かなり壮大な作品なんだろう。でも、この小説の通りの生涯だとしたら、2時間くらいの舞台では収まらない、と思う。

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    2024年06月15日
  • 天地に燦たり

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    沖縄に行きたくなる!
    旧時代の真ん中に生きていた人たちは、時代の変わり目で頭の中の変換を求められるので、大変だよね。

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    2024年05月19日
  • パシヨン

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    ネタバレ

    2024.4 なんとも苦しい本でした。宗教はこれほどまでに人と人の争いの種になるのか、ユダヤとアラブの戦いもそう思う。

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    2024年04月10日
  • 福音列車

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    ネタバレ

    短編集5篇
    アメリカに留学したものの西南戦争に巻き込まれる「ゴスペルトレイン」、ハワイに出稼ぎに来て民族決起に協力する「虹の国の侍」、南洋の島でスパイ活動をする「南洋の桜」、脱走兵が馬賊に加わりモンゴル独立を目指す「黒い旗のもとに」、ひたすらインドを目指す神戸育ちの少女「進めデリーへ」
    思いがけず何かに巻き込まれながらも、たくましく生き抜く希望を捨てない人々を描いていて、不幸な結果であっても達成感のある人生だ。

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    2024年02月01日
  • 福音列車

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    明治から昭和にかけて、望まない戦に巻き込まれ、最後には義を通すために自ら戦いに身を投じる主人公たち。

    第二話などはやや結末に無理があるようにも感じるが、最終話は淡々とした記述が二人の心の交流を逆に浮き上がらせていて味わい深かった。

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    2024年01月15日
  • 福音列車

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    望む望まずに限らず、国やコミュニティの戦いに巻き込まれていく人々の物語四編。自分の意思で戦いに臨んでいく主人公もいいが、巻き込まれ系は逆にリアリティがあるように思う。

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    2023年12月21日
  • パシヨン

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    秀吉の世の終わりのキリシタン弾圧から江戸時代初期のキリスト教禁教が発せられた中、実在した禁教時代の最後の邦人司祭と言われる小西マンショと、禁教の遂行者としてのキリシタン奉行、井上正重という2人の対象的な存在を中心に物語は進む。様々な立場、人種、考え方の人々の人生を多層的に描きながら、事実を交えつつその過程を上等のフィクションを積み上げ、一つの物語に昇華させていく川越宗一氏得意の構成だが、今回は歴史的な知識としても多少はあり、終わりが見えていただけに、途中からどうやって落とし込むのかという目線になってしまい、素直に物語を楽しめない部分はあった。
    しかし、小西マンショと井上正重という二極的な存在を、物語として最後に結びつけて盛り上げてくれたのはさすが。

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    2023年10月01日