川越宗一のレビュー一覧
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「熱源」で直木賞をとった作者の第一作ということで手にとった。面白い。参考文献18冊を元にして史実を交えながら、想像上の人物を加えて、戦いの場面、種々の人物が相対する緊迫する場面等、楽しく読めた。主人公は、武士道を求める島津の家老武士と、朝鮮の若き儒学者と、明国に冊封を受けて貿易で生きる礼の国の沖縄の密偵。時代は秀吉の朝鮮出兵時。3者の異なった生き様が面白かった。孟子のことば『人は覇の力ではなく王の徳に服す』、および『天地に参たり(天地と並び立つ崇高な人としての存在)』という問いかけは、答えがあるような無いような、余韻を持った終わり方だった。
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最後の描写には心を打たれた。
表紙はどの描写なのかと考えながら読んでいたが、最後の描写やったんか。
戦乱が止まない時代、何が正義で何が悪か分からない。
そんな時代だからこそ「礼」が異なった価値観をなんとか繋ぎ、禽獣を人にする。
主人公の久高と明鍾。
2人は最悪の出会い方をしたが、真市がいてこそ、最後違う形で再会出来たと思う。
一瞬の再会だろうこの後3人は別々の道をゆくだろう。久高は史実によると地頭となる。他の2人は実在者では無いが、おそらく明鍾は朝鮮の故郷に戻り、真市は琉球王国の官人を続ける。だが、3人の心の中の何かは必ず変わった。
特に明鍾は出会いに恵まれている。 -
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「熱源」で直木賞を受賞した著者のデビュー作。
豊臣秀吉の島津征伐から、文禄・慶長の役、琉球侵攻までの戦乱を、三人の視点から描く。
島津の家臣、樺山久高は儒学を学びながらも、戦乱の世では学は意味がなく、人は禽獣と変わらないと考えていた。
そして、戦乱の世に身をやつしていた
朝鮮の被差別階層、白丁の明鐘はあるきっかけで儒学者の下で学を学ぶことになる。
白丁の出自でありながら儒学により聖人を志す。
真市は商人を装い、倭にも朝鮮にも足を運ぶ海の民たる琉球の密偵だった。
大国の間で琉球が生き残るため、飄々とした性格の裏には強烈な愛国心があった。
戦で敗ける者と、勝つ者。
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2020年直木賞受賞作。
8月は戦争に関する本を一冊は読もうと思っているのだけれど、今年は何がいいか思いつかず、
チャッピーに相談したら本著を勧められました。
(昭和の大戦ではなく、明治・大正の話でした)
ロシア人の名前も、アイヌの地名や人名も馴染みがなく、淡々とした文章でなかなか集中できなかったのですが、読後に調べてみたら、ほとんどの人物が実在していたことにビックリ。
主人公の一人、リトアニア生まれのポーランド人、ブロニスワフが、政治犯として囚われたサハリンで現地人ギリヤークたちと交流し、生きる力を得ていくあたりから面白くなってきました。
一方、アイヌのヤヨマネクフの故郷である樺太( -
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川越宗一、直木賞受賞作『熱源』。
川越宗一作品、初読み。
明治の樺太(サハリン)。
アイヌ・ヤヨマネスクは、北海道へと開拓団として渡る。
一方、リトアニアに生まれたポーランド人・ブロニスワス・ピウスツキは、政治犯として、サハリンへと送られる…
ヤヨマネスクは、日本人として、山辺安之助の戸籍を得るが、亡き妻への想いと一人息子・八代吉とともに、樺太へと戻る。
故郷を日本とロシアにないがしろにされたアイヌ・ヤヨマネスク。
自国をロシアにうばわれた政治犯の囚人となったブロニスワフ。
自分たちは何者なのかと問いかけ続ける2人。
それが彼らの生きる源、『熱源』。
弱肉強食の世界に、なんとか自らのアイデ -
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日本に約3000基ある灯台の役割や多様な価値について知ってもらおうという趣旨で進められている「海と灯台プロジェクト」。主体は一般社団法人・海洋文化創造フォーラムで共催が日本財団と海上保安庁である。そのプロジェクトの一環として企画されたのが、灯台が果たしてきた地域固有の役割や機能、存在価値を物語化して知らしめようという取り組み。本書はそれに基づき19基の灯台を6人の著名な作家が分担して現地取材し、紀行文集として取りまとめたもの。
灯台の建築技術や歴史、地域との関わりについて様々な観点から語られ、読み進めるうちに少しずつ灯台への関心が高まってくる。
しかし、門外漢の私には歴史作家や描写力のある作家