川越宗一のレビュー一覧

  • 天地に燦たり

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    「熱源」で直木賞をとった作者の第一作ということで手にとった。面白い。参考文献18冊を元にして史実を交えながら、想像上の人物を加えて、戦いの場面、種々の人物が相対する緊迫する場面等、楽しく読めた。主人公は、武士道を求める島津の家老武士と、朝鮮の若き儒学者と、明国に冊封を受けて貿易で生きる礼の国の沖縄の密偵。時代は秀吉の朝鮮出兵時。3者の異なった生き様が面白かった。孟子のことば『人は覇の力ではなく王の徳に服す』、および『天地に参たり(天地と並び立つ崇高な人としての存在)』という問いかけは、答えがあるような無いような、余韻を持った終わり方だった。

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    2020年12月10日
  • 天地に燦たり

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    「熱源」の著者である川越宗一氏のデビュー作。戦国~江戸時代にかけて、豊臣秀吉の朝鮮出兵を島津、朝鮮、琉球それぞれの場所で生まれ育った三人の視点で描いた歴史小説。
    朝鮮人からの視点での文禄、慶長の役を描くというのがまず斬新だし、薩摩の島津と琉球王国の関係も非常に興味深かった。
    島津家家臣の樺山久高、朝鮮の名もなき白丁である明鍾、琉球の官人である真市、同時代を生きた3人の人生が交錯するラストが痺れる。

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    2020年10月26日
  • 天地に燦たり

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    豊臣秀吉の朝鮮出兵により侵略の嵐が吹き荒れる東アジアを舞台に、儒教思想をテーマにした歴史小説。
    ↑ 『解説』より… 丸パクリです(笑)

    んーー難しかった〜。
    始めは…完読できるのか?とも思った。
    何とか完読しました。

    難しすぎて読んでる時は★3ぐらいだなーって
    思ってましたが…
    最後の章でグラグラと感動でございます。
    読んでよかった〜、読めてよかった〜。

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    2020年09月11日
  • 天地に燦たり

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    最後の描写には心を打たれた。
    表紙はどの描写なのかと考えながら読んでいたが、最後の描写やったんか。
    戦乱が止まない時代、何が正義で何が悪か分からない。
    そんな時代だからこそ「礼」が異なった価値観をなんとか繋ぎ、禽獣を人にする。
    主人公の久高と明鍾。
    2人は最悪の出会い方をしたが、真市がいてこそ、最後違う形で再会出来たと思う。 
    一瞬の再会だろうこの後3人は別々の道をゆくだろう。久高は史実によると地頭となる。他の2人は実在者では無いが、おそらく明鍾は朝鮮の故郷に戻り、真市は琉球王国の官人を続ける。だが、3人の心の中の何かは必ず変わった。
    特に明鍾は出会いに恵まれている。

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    2020年09月02日
  • 天地に燦たり

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    「熱源」で直木賞を受賞した作家・川越宗一氏のデビュー作にして松本清張賞受賞作。日本、朝鮮、琉球。東アジア三か国を舞台に、侵略する者、される者それぞれの矜持を見事に描き切る歴史大作。

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    2020年07月10日
  • 天地に燦たり

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     「熱源」で直木賞を受賞した著者のデビュー作。
     豊臣秀吉の島津征伐から、文禄・慶長の役、琉球侵攻までの戦乱を、三人の視点から描く。


     島津の家臣、樺山久高は儒学を学びながらも、戦乱の世では学は意味がなく、人は禽獣と変わらないと考えていた。
     そして、戦乱の世に身をやつしていた


     朝鮮の被差別階層、白丁の明鐘はあるきっかけで儒学者の下で学を学ぶことになる。
     白丁の出自でありながら儒学により聖人を志す。

     真市は商人を装い、倭にも朝鮮にも足を運ぶ海の民たる琉球の密偵だった。
     大国の間で琉球が生き残るため、飄々とした性格の裏には強烈な愛国心があった。

     戦で敗ける者と、勝つ者。
     

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    2020年06月28日
  • 熱源

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    2020年直木賞受賞作。

    8月は戦争に関する本を一冊は読もうと思っているのだけれど、今年は何がいいか思いつかず、
    チャッピーに相談したら本著を勧められました。
    (昭和の大戦ではなく、明治・大正の話でした)

    ロシア人の名前も、アイヌの地名や人名も馴染みがなく、淡々とした文章でなかなか集中できなかったのですが、読後に調べてみたら、ほとんどの人物が実在していたことにビックリ。

    主人公の一人、リトアニア生まれのポーランド人、ブロニスワフが、政治犯として囚われたサハリンで現地人ギリヤークたちと交流し、生きる力を得ていくあたりから面白くなってきました。

    一方、アイヌのヤヨマネクフの故郷である樺太(

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    2026年08月20日
  • 熱源

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    史実を元にした骨太なドラマ。

    文明や争いに飲み込まれてしまった民族が物語のテーマで、自分らしく生きることさえ難しい彼らの葛藤は心に響いた。民族を絶やしたくない者、絶えるとしても何かを残したい者、寧ろ積極的に同化して認めてもらいたい者。複雑な境遇の中で、誰もが自分にできることを探してもがいている。一冊通して息苦しさを感じる小説でもありました。

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    2026年07月15日
  • 絢爛の法

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    ネタバレ

    井上毅列伝。小説としては稚拙。地の文で解説が入ったり、歴史漫画のように登場人物が解説したり。主人公の心情を書き込み過ぎたり。
    井上毅は、伊藤の使走で政治的な動きも少しはしたものの、愚直に法制官僚としての本文を全う。
    夏島会議と枢密院での憲法審議が薄い。

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    2026年05月19日
  • 熱源

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    川越宗一、直木賞受賞作『熱源』。
    川越宗一作品、初読み。

    明治の樺太(サハリン)。
    アイヌ・ヤヨマネスクは、北海道へと開拓団として渡る。
    一方、リトアニアに生まれたポーランド人・ブロニスワス・ピウスツキは、政治犯として、サハリンへと送られる…
    ヤヨマネスクは、日本人として、山辺安之助の戸籍を得るが、亡き妻への想いと一人息子・八代吉とともに、樺太へと戻る。

    故郷を日本とロシアにないがしろにされたアイヌ・ヤヨマネスク。
    自国をロシアにうばわれた政治犯の囚人となったブロニスワフ。
    自分たちは何者なのかと問いかけ続ける2人。
    それが彼らの生きる源、『熱源』。
    弱肉強食の世界に、なんとか自らのアイデ

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    2026年03月06日
  • 天地に燦たり

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    自分が、自分であるということの意味、誇りを描いた作品。
    異なる立場の3人が主人公。特に琉球の彼は応援したくなる。

    現代ミステリしか読まないライト層の方には読み終えること自体が難しい。読み応えある全ての小説に言えることではあるが。
    『熱源』に飛躍するための過程と捉えればいいのかな。描きたいことはすごく伝わってくるし、自分だったら天地に燦然と輝くための矜持は何か…と考えさせれるが、文章がまだ追いつかなかったように思う。

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    2026年02月18日
  • 見果てぬ王道

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    神戸の孫文記念館に行って孫文に興味を持ったので読みました。が、孫文より梅屋庄吉さんの人生の方が自由で魅力的でした。
    多くの人の人生や国に影響を与えた孫文の魅力がイマイチ分からなかったです。ほかの本も読んでみます。

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    2025年12月29日
  • 大日の使徒

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    パシヨンのスピンオフ的な作品かな。パシヨンほどのドラマはないが、信仰への渇いた距離感がよかった。権力に翻弄される民を救うのは信仰か生活か。パシヨンの情熱と表裏で読むと面白い。

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    2025年11月11日
  • 熱源

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    なんか、読むタイミングが悪かったのか、あまり入り込めず読み終えました。
    1人1人の物語が浅いような気もして、登場人物が多いせいか。
    名前もやはりあまり入ってこない。
    でも、アイヌって複雑な立ち位置にいたんだなー。日本とロシアの狭間にいて。
    自分がはっきりアイヌを知った(文化)のはゴールデンカムイだし。ただ、熱源を読んで他のアイヌを題材にした本を読みたくなりました。

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    2025年10月25日
  • 大日の使徒

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    フランシスコ・ザビエルと共に日本にキリスト教布教の第一歩を記したヤジロウ。アンジロウとも言われるその出自が明らかでない人物を一人の人間としてその子供時代から想像豊かに描いている。正直少しお話としておあつらえ過ぎる感はあるものの、キリスト教の布教の苦労話的内容ではなく、ヤジロウその人に焦点を当てたことで、読み物としてのおもしろみ、エンタメ性が強調され、ペース良く読み進めることができた。

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    2025年10月07日
  • 大日の使徒

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    言語の異なる日本で布教するにあたり、デウスをダイニチと訳してしまったという誤ち。この間違いがなければ違う歴史になっていたのか。

    フロイスが残した記録はあるものの、ヤジロウについての詳細はどこまでが正しいかいまだに分かっていない。
    あの時代にマラッカに渡りゴアに渡り宣教師と共に帰国した人物がいたというのはすごい。

    装丁とタイトルは文庫化の時に変えた方が売れるのではないかな。

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    2025年10月05日
  • 熱源

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    大国に飲み込まれる樺太に住んでいたアイヌたち、そしてポーランドからの囚人、途中からだんだん辛くなってきたけど最後は未来があってよかった。子孫が脈々と息づいている。それが救い。
    ポーランドの囚人(父)と樺太アイヌ(母)の子供ってゴールデンカムイにも出てきたけど同じモデルなのかな。この本の主人公の一人であるブロニスワフは実在してるようで、史実も織り交ぜられてるとのこと。読み応えは抜群。

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    2025年09月07日
  • 熱源

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    日本人なんだけどアイヌ、ロシアに拘束されたポーランド人。 それぞれに思うことを貫く姿。 3章以降の進行が早くてもう少しディテールが有ってもいいかなと。 あと有名人を登場させ過ぎかなとも…

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    2025年01月19日
  • 熱源

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    アイヌの文化などをテーマとした冒険歴史小説。歴史小説自体、普段あまり読まないので新鮮でした。主題としてアイヌについて描かれているが、アイヌ文化に限定したものではなく、自分たちのルーツや生まれ育った場所に対する登場人物たちの思いなどがとてもよく反映されていた。アイヌを含め、それぞれの文化や人々の生き様が次の世代に託されるということに郷愁を感じる思いです。

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    2024年12月17日
  • 灯台を読む

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    日本に約3000基ある灯台の役割や多様な価値について知ってもらおうという趣旨で進められている「海と灯台プロジェクト」。主体は一般社団法人・海洋文化創造フォーラムで共催が日本財団と海上保安庁である。そのプロジェクトの一環として企画されたのが、灯台が果たしてきた地域固有の役割や機能、存在価値を物語化して知らしめようという取り組み。本書はそれに基づき19基の灯台を6人の著名な作家が分担して現地取材し、紀行文集として取りまとめたもの。
    灯台の建築技術や歴史、地域との関わりについて様々な観点から語られ、読み進めるうちに少しずつ灯台への関心が高まってくる。
    しかし、門外漢の私には歴史作家や描写力のある作家

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    2024年11月27日