川越宗一のレビュー一覧

  • 天地に燦たり

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    守礼之邦。理想を掲げた国づくりがその通りにいかないのは、いつの世も同じと改めて思わされた。久高の男気、明鐘の生きる力に魅了されたが、この物語は真市たち琉球の人々が主人公だと思った。

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    2022年07月31日
  • 天地に燦たり

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    清々しいエンディングだった。
    それぞれの生を必死に生きた3人の心の共鳴を感じた。
    著者はこれが初作で2作目が直木賞を取った「熱源」と知って驚き、その才能の今後を楽しみに感じた。

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    2022年07月14日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    戦国史を足利一族の視点から描くアンソロジー。
    古河公方発足から、喜連川藩誕生までの200年余りが物語の舞台となっています。

    室町から戦国にかけて関東一円の戦乱の原因は、鎌倉公方・管領の足利一族のいざこざのせいだと思っています。なんというか、関東だけに限らず、足利は血族の争いが多い気がする。尊氏と直義から始まってることですし。それでも、240年近く幕府として続いたことは珍しいことでしょうね。

    時代を下りながらのアンソロジー7話。一つの流れとして、関東公方家に仕えた忍びの「さくら一族」の存在があります。「足利の血脈」というタイトルですが、「さくら一族」伝でもあります。
    『嘉吉の狐』『螺旋の龍』『大禍時』の3話では、足利義教、義輝、織田信長の暗殺に関わったと配役。特に『螺旋の龍』は伝奇色が強くて好きです。

    足利一族。特に関東の公方と管領の関わりは、いま一つ把握ができていません。
    公方も管領も多いのですよ。そして、それぞれの陣営が頼りにする長尾も北条も関東豪族も、多い!しかも、長い間争うから、代替わりしていて家系図の把握が大変!なまじ、権威はあるだけに、誰がどこの養子になったり、実質管領職は誰々で、とかごっちゃになるんですよ。
    それを把握しながら、読む進めるのは楽しいのだけど大変。大変だけど楽しい。
    このアンソロジーの「さくら一族」のように、物語に一つの幹があると理解がしやすくていいです。

    歴史小説楽しむには、まだまだ精進が必要です。

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    2022年01月30日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    室町時代、なかでも鎌倉公方〜喜連川藩の流れは歴史の中で自分が一番興味がある部分です。さくらの里という元ネタバレバレのはじまり方ですが、アンソロジーでそれが貫かれているのがまたいい。「足利の血脈」というからには、いっそのこと足利義兼あたりまで遡ってもよかった。

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    2021年09月08日
  • 天地に燦たり

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    熱源で川越さんのファンになり読んでみた。

    琉球王国、朝鮮、日本の歴史が重なり、
    それぞれの視点から自国に対する思いや攻める国に対する怒りが伝わってくる。

    漢語がでてきて難しい部分もあり、読み進めるのにちょっと苦労はしたものの、それぞれの視点が交互に入ってくるため面白く読み進められた。
    礼を知ることが人であり、日本は禽獣。礼をテーマに戦を読んだのは初めてだったと思う。

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    2021年06月12日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    足利氏の血脈を7人の歴史作家が紡ぐアンソロジー。
    ただ単に足利氏を描くだけでなく、忍びの血脈も同時に描かれており、重層感があった。

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    2021年01月23日
  • 天地に燦たり

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    薩摩と朝鮮と琉球。この三者を礼という儒教視点からこう描くことができるのかと感嘆した。確かに侵略される朝鮮や琉球王朝から見れば、薩摩を含めた倭(日本)の武士はただの禽獣。実力主義の戦国時代から武断の江戸時代への変遷を知っているとこの視点は非常に示唆的で興味深い。

    琉球の謝名親方の言葉、戦に敗けても国は亡びぬ。国が亡ぶのは民が国を厭うた時だという言葉は非常に印象的。高橋克彦氏の『炎立つ』での藤原泰衡の、民が忘れぬ限り蝦夷は滅びないといった言葉を思い出した。歴史が過去から紡がれるものだということを改めて思い出された。

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    2021年01月03日
  • 天地に燦たり

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    「熱源」で直木賞をとった作者の第一作ということで手にとった。面白い。参考文献18冊を元にして史実を交えながら、想像上の人物を加えて、戦いの場面、種々の人物が相対する緊迫する場面等、楽しく読めた。主人公は、武士道を求める島津の家老武士と、朝鮮の若き儒学者と、明国に冊封を受けて貿易で生きる礼の国の沖縄の密偵。時代は秀吉の朝鮮出兵時。3者の異なった生き様が面白かった。孟子のことば『人は覇の力ではなく王の徳に服す』、および『天地に参たり(天地と並び立つ崇高な人としての存在)』という問いかけは、答えがあるような無いような、余韻を持った終わり方だった。

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    2020年12月10日
  • 天地に燦たり

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    「熱源」の著者である川越宗一氏のデビュー作。戦国~江戸時代にかけて、豊臣秀吉の朝鮮出兵を島津、朝鮮、琉球それぞれの場所で生まれ育った三人の視点で描いた歴史小説。
    朝鮮人からの視点での文禄、慶長の役を描くというのがまず斬新だし、薩摩の島津と琉球王国の関係も非常に興味深かった。
    島津家家臣の樺山久高、朝鮮の名もなき白丁である明鍾、琉球の官人である真市、同時代を生きた3人の人生が交錯するラストが痺れる。

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    2020年10月26日
  • 天地に燦たり

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    豊臣秀吉の朝鮮出兵により侵略の嵐が吹き荒れる東アジアを舞台に、儒教思想をテーマにした歴史小説。
    ↑ 『解説』より… 丸パクリです(笑)

    んーー難しかった〜。
    始めは…完読できるのか?とも思った。
    何とか完読しました。

    難しすぎて読んでる時は★3ぐらいだなーって
    思ってましたが…
    最後の章でグラグラと感動でございます。
    読んでよかった〜、読めてよかった〜。

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    2020年09月11日
  • 天地に燦たり

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    最後の描写には心を打たれた。
    表紙はどの描写なのかと考えながら読んでいたが、最後の描写やったんか。
    戦乱が止まない時代、何が正義で何が悪か分からない。
    そんな時代だからこそ「礼」が異なった価値観をなんとか繋ぎ、禽獣を人にする。
    主人公の久高と明鍾。
    2人は最悪の出会い方をしたが、真市がいてこそ、最後違う形で再会出来たと思う。 
    一瞬の再会だろうこの後3人は別々の道をゆくだろう。久高は史実によると地頭となる。他の2人は実在者では無いが、おそらく明鍾は朝鮮の故郷に戻り、真市は琉球王国の官人を続ける。だが、3人の心の中の何かは必ず変わった。
    特に明鍾は出会いに恵まれている。

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    2020年09月02日
  • 天地に燦たり

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    「熱源」で直木賞を受賞した作家・川越宗一氏のデビュー作にして松本清張賞受賞作。日本、朝鮮、琉球。東アジア三か国を舞台に、侵略する者、される者それぞれの矜持を見事に描き切る歴史大作。

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    2020年07月10日
  • 天地に燦たり

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     「熱源」で直木賞を受賞した著者のデビュー作。
     豊臣秀吉の島津征伐から、文禄・慶長の役、琉球侵攻までの戦乱を、三人の視点から描く。


     島津の家臣、樺山久高は儒学を学びながらも、戦乱の世では学は意味がなく、人は禽獣と変わらないと考えていた。
     そして、戦乱の世に身をやつしていた


     朝鮮の被差別階層、白丁の明鐘はあるきっかけで儒学者の下で学を学ぶことになる。
     白丁の出自でありながら儒学により聖人を志す。

     真市は商人を装い、倭にも朝鮮にも足を運ぶ海の民たる琉球の密偵だった。
     大国の間で琉球が生き残るため、飄々とした性格の裏には強烈な愛国心があった。

     戦で敗ける者と、勝つ者。
     敗ければ全てを失うのに、礼を失っては人ではなくなる。
     
     天地に参たる人として、禽獣と分つものは礼である。
     礼を主題に置き、一時代を違う国で生きた三人の視点の違いを描く。


     文禄・慶長の役は「星夜航行」で、琉球侵攻は「テンペスト」で予習したので、歴史小説を読んでおくと、いつか別の作品での理解が深まる。
     
     本作品では、それぞれの戦乱を詳しく描くというよりは、戦乱の中での人の生き方を三人の視点を通して描くことに主眼が置かれている。

     ラストシーン、今まで敵同士だったが三人が一堂に会したとき、戦の勝ち負けを越えたものを感じた。

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    2020年06月28日
  • 縁切りの宿 桂屋調べ帖

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    井上ひさしの「東慶寺花だより」のような話かと思って読み始めたが、章が進むにつれて時代が変わっていくところが当作品の要であると気づいた。
    新旧の時代の狭間で離縁の手続きに難儀する人々。特に「谷を渡る」では、御一新後の政府の混乱のせいで東京と上州を何度も行ったり来たりさせられる。
    明治に変わった頃は実際にこんなことがあったのだろうか。法が整わないままに政治の主体も区分も頻繁に変更されたのだとしたら、この話どころではない大変な事態があったとしてもおかしくない。

    女性から離縁を願い出ることが困難で、どれほどの女性たちが一生を我慢づくで過ごしたのだろうか。

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    2026年09月17日
  • 熱源

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    2020年直木賞受賞作。

    8月は戦争に関する本を一冊は読もうと思っているのだけれど、今年は何がいいか思いつかず、
    チャッピーに相談したら本著を勧められました。
    (昭和の大戦ではなく、明治・大正の話でした)

    ロシア人の名前も、アイヌの地名や人名も馴染みがなく、淡々とした文章でなかなか集中できなかったのですが、読後に調べてみたら、ほとんどの人物が実在していたことにビックリ。

    主人公の一人、リトアニア生まれのポーランド人、ブロニスワフが、政治犯として囚われたサハリンで現地人ギリヤークたちと交流し、生きる力を得ていくあたりから面白くなってきました。

    一方、アイヌのヤヨマネクフの故郷である樺太(サハリン)では、日露の争いが繰り返されます。

    日本が来てもロシアが来ても、
    永遠にアイヌは支配される側。

    紆余曲折の末、ようやくアイヌが文明世界で生きていくための知識を身につけるために作られた学校も、アイヌを日本人に作り替える場所にされてしまいます。

    アイヌには滅ぶ運命しかないのか。

    「アイヌを滅ぼす力があるのなら、それは外部からの攻撃ではなく、アイヌのままであってはいけないという観念だ」とヤヨマネクフは苦悩します。

    そして、アイヌとして生きている証として、南極探検隊に樺太犬を連れて参加するという、予想外だけれど史実に基づく展開に、またビックリ。

    ブロニスワフ・ピウスツキは民族学の研究者として名をなし、アイヌの妻と子を得たが、母国の独立のためポーランドに戻ります。

    弱肉強食の世界では、弱き者は滅ぶしかない。
    力で独立を成し遂げようとする弟に対し、
    「その摂理と戦うんだ」とブロニスワフ・ピウスツキは言います。

    何が正解なのか、私には判断できない。。

    20世紀は「戦争の世紀」と言われているそうだけれど、21世紀もそうなりつつあるような。

    どの国も、どの民族も、
    そこにそのまま在るだけではダメなのかな。

    私には難しくて読みにくかったけれど、
    読んで良かった本でした。

    「ゴールデンカムイ」読んでたおかげで
    なんとなく樺太の情景やアイヌの入れ墨を想像できたところもあって、、
    だから最後まで読めたと思います。

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    2026年08月20日
  • 熱源

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    史実を元にした骨太なドラマ。

    文明や争いに飲み込まれてしまった民族が物語のテーマで、自分らしく生きることさえ難しい彼らの葛藤は心に響いた。民族を絶やしたくない者、絶えるとしても何かを残したい者、寧ろ積極的に同化して認めてもらいたい者。複雑な境遇の中で、誰もが自分にできることを探してもがいている。一冊通して息苦しさを感じる小説でもありました。

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    2026年07月15日
  • 絢爛の法

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    ネタバレ

    井上毅列伝。小説としては稚拙。地の文で解説が入ったり、歴史漫画のように登場人物が解説したり。主人公の心情を書き込み過ぎたり。
    井上毅は、伊藤の使走で政治的な動きも少しはしたものの、愚直に法制官僚としての本文を全う。
    夏島会議と枢密院での憲法審議が薄い。

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    2026年05月19日
  • 熱源

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    川越宗一、直木賞受賞作『熱源』。
    川越宗一作品、初読み。

    明治の樺太(サハリン)。
    アイヌ・ヤヨマネスクは、北海道へと開拓団として渡る。
    一方、リトアニアに生まれたポーランド人・ブロニスワス・ピウスツキは、政治犯として、サハリンへと送られる…
    ヤヨマネスクは、日本人として、山辺安之助の戸籍を得るが、亡き妻への想いと一人息子・八代吉とともに、樺太へと戻る。

    故郷を日本とロシアにないがしろにされたアイヌ・ヤヨマネスク。
    自国をロシアにうばわれた政治犯の囚人となったブロニスワフ。
    自分たちは何者なのかと問いかけ続ける2人。
    それが彼らの生きる源、『熱源』。
    弱肉強食の世界に、なんとか自らのアイデンティティをと探し続ける2人。

    それだけに、ヤヨマネスクもブロニスワフももっと闘い続けるのかと思ったが…

    ヤヨマネスクの最後はしっかりと描いて欲しかった…

    ブロニスワフの妻、息子はどうなったんだろう…
    知里幸恵は誰の子孫だったんだろう…
    突然、名前が出てきて、亡くなった…誰かの孫なのかと…



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    2026年03月06日
  • 天地に燦たり

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    自分が、自分であるということの意味、誇りを描いた作品。
    異なる立場の3人が主人公。特に琉球の彼は応援したくなる。

    現代ミステリしか読まないライト層の方には読み終えること自体が難しい。読み応えある全ての小説に言えることではあるが。
    『熱源』に飛躍するための過程と捉えればいいのかな。描きたいことはすごく伝わってくるし、自分だったら天地に燦然と輝くための矜持は何か…と考えさせれるが、文章がまだ追いつかなかったように思う。

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    2026年02月18日
  • 見果てぬ王道

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    神戸の孫文記念館に行って孫文に興味を持ったので読みました。が、孫文より梅屋庄吉さんの人生の方が自由で魅力的でした。
    多くの人の人生や国に影響を与えた孫文の魅力がイマイチ分からなかったです。ほかの本も読んでみます。

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    2025年12月29日