川越宗一のレビュー一覧

  • 熱源

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    アイヌの文化などをテーマとした冒険歴史小説。歴史小説自体、普段あまり読まないので新鮮でした。主題としてアイヌについて描かれているが、アイヌ文化に限定したものではなく、自分たちのルーツや生まれ育った場所に対する登場人物たちの思いなどがとてもよく反映されていた。アイヌを含め、それぞれの文化や人々の生き様が次の世代に託されるということに郷愁を感じる思いです。

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    2024年12月17日
  • 灯台を読む

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    日本に約3000基ある灯台の役割や多様な価値について知ってもらおうという趣旨で進められている「海と灯台プロジェクト」。主体は一般社団法人・海洋文化創造フォーラムで共催が日本財団と海上保安庁である。そのプロジェクトの一環として企画されたのが、灯台が果たしてきた地域固有の役割や機能、存在価値を物語化して知らしめようという取り組み。本書はそれに基づき19基の灯台を6人の著名な作家が分担して現地取材し、紀行文集として取りまとめたもの。
    灯台の建築技術や歴史、地域との関わりについて様々な観点から語られ、読み進めるうちに少しずつ灯台への関心が高まってくる。
    しかし、門外漢の私には歴史作家や描写力のある作家

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    2024年11月27日
  • 天地に燦たり

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    人間になりたい薩摩武士・琉球人・朝鮮人の視点から朝鮮出兵から琉球侵攻までを儒教(礼)を軸に描く、というのはよく考えたなぁと思った。
    その分、主人公達はその属性以上の性格に乏しかったり、ストーリー上面白いことが起こらなかったんだけれども。

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    2024年08月31日
  • 福音列車

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    歴史の裏には人の汗が涙がある。ぬくぬくとした場所から現場を知らず、戦地に命令を出す。理不尽やろ。戦争したい奴が現場に行け。
    人は戦いの中で成長もする。それは感じた

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    2024年08月16日
  • 熱源

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    時代ものとして読んだが、近代の実話をベースに書かれている。有名な人物も登場するので、イメージがしやすい。重いテーマではあるが、生きることの重要性と、「どう生きるか」について考える機会になった。

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    2024年08月08日
  • 天地に燦たり

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    戦を続けながらも
    なんのために戦うのか嘆く

    国のため
    大切な人のため
    自分のため

    己の生は己次第

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    2024年07月30日
  • 見果てぬ王道

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    国父と呼ばれる孫文、こんなになんというか正直パッとしない、始まる前からオワコン感の強い人物だったのか、、、(フィクション部分あるとはいえ)と結構ふふっとしながら読みました。

    同作者の『熱源』、また小川哲さんの『地図と拳』あたりを読んで、高校世界史の図説タペストリーを読み読み中国の近代革命については少々勉強してあたので、さらに学びにもなりました。

    歴史の教科書だけではどうしても袁世凱がトップに立ったあたりとか??なんでそうなる?と思った記憶がありますが、当事者に近しい梅屋庄吉も“ぽかんと口をあけた”という反応になること、とても納得して歴史が文字だけでなくストンと落ちました。

    梅屋庄吉が主人

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    2024年06月17日
  • 海神の子

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    歌舞伎の題目に「国性爺合戦」というのがある、ということは聞いたことがあるけど、観たことはないので、どんな話かは知らない。しかし、鄭成功の一生を題材にしたものだったら、かなり壮大な作品なんだろう。でも、この小説の通りの生涯だとしたら、2時間くらいの舞台では収まらない、と思う。

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    2024年06月15日
  • 天地に燦たり

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    沖縄に行きたくなる!
    旧時代の真ん中に生きていた人たちは、時代の変わり目で頭の中の変換を求められるので、大変だよね。

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    2024年05月19日
  • 熱源

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    おそらく作者の中ではピッタリなんだろけど、タイトルは正直もっといいのがあると思う。タイトルに引っ張られた文章に唐突感があって読者としてはやや強引に感じた。
    162回直木賞受賞作だけあり、読み応えは充分。題材も興味を喚起させられる。ストーリーに適度な緩急があり、行ったことのない土地でもイメージが湧くように語られている。169回直木賞受賞作である宝島と対比させて読んでみてもいいかもしれない。

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    2024年04月25日
  • 熱源

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    内容は興味深いが、
    不要とも思える登場人物が多い。
    もっとシンプルな構成で、
    内容を掘り下げていたらよかったのに

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    2024年04月11日
  • パシヨン

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    ネタバレ

    2024.4 なんとも苦しい本でした。宗教はこれほどまでに人と人の争いの種になるのか、ユダヤとアラブの戦いもそう思う。

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    2024年04月10日
  • 熱源

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    国家、民族、文明化。
    何が幸せかはわからないけど、一生懸命生き、次代に繋いで行くことが大切だと思いました。
    途中まで、登場人物が史実にある人々だと知らなかった。詳しく調べてから再読したい。

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    2024年03月12日
  • 福音列車

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    ネタバレ

    短編集5篇
    アメリカに留学したものの西南戦争に巻き込まれる「ゴスペルトレイン」、ハワイに出稼ぎに来て民族決起に協力する「虹の国の侍」、南洋の島でスパイ活動をする「南洋の桜」、脱走兵が馬賊に加わりモンゴル独立を目指す「黒い旗のもとに」、ひたすらインドを目指す神戸育ちの少女「進めデリーへ」
    思いがけず何かに巻き込まれながらも、たくましく生き抜く希望を捨てない人々を描いていて、不幸な結果であっても達成感のある人生だ。

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    2024年02月01日
  • 福音列車

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    明治から昭和にかけて、望まない戦に巻き込まれ、最後には義を通すために自ら戦いに身を投じる主人公たち。

    第二話などはやや結末に無理があるようにも感じるが、最終話は淡々とした記述が二人の心の交流を逆に浮き上がらせていて味わい深かった。

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    2024年01月15日
  • 福音列車

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    望む望まずに限らず、国やコミュニティの戦いに巻き込まれていく人々の物語四編。自分の意思で戦いに臨んでいく主人公もいいが、巻き込まれ系は逆にリアリティがあるように思う。

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    2023年12月21日
  • パシヨン

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    秀吉の世の終わりのキリシタン弾圧から江戸時代初期のキリスト教禁教が発せられた中、実在した禁教時代の最後の邦人司祭と言われる小西マンショと、禁教の遂行者としてのキリシタン奉行、井上正重という2人の対象的な存在を中心に物語は進む。様々な立場、人種、考え方の人々の人生を多層的に描きながら、事実を交えつつその過程を上等のフィクションを積み上げ、一つの物語に昇華させていく川越宗一氏得意の構成だが、今回は歴史的な知識としても多少はあり、終わりが見えていただけに、途中からどうやって落とし込むのかという目線になってしまい、素直に物語を楽しめない部分はあった。
    しかし、小西マンショと井上正重という二極的な存在を

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    2023年10月01日
  • 見果てぬ王道

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    中華革命の象徴的存在、孫文を主に金銭面で生涯支え続けた梅屋庄吉と、その家族の物語、と言うと、小難しい革命の話かなと思ったら、ほぼほぼ庄吉の商売繁盛記だった。それはそれでおもしろいんだけど、商売が何度かの失敗を経てだけど、結構サクサク大金持ちになったり、そもそも孫文にそこまで入れ込んだ理由がわからなくなるほど、段々孫文との付き合いが希薄になってきて、あれ何の話だっけってなったりして、なんだか登場人物に入れ込めないまま終わってしまった。

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    2023年09月03日
  • 見果てぬ王道

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    『熱源』は良かったのですが、どうも川越さんとは相性は良くないようです。
    孫文を支えた日本人が主人公の話と聞き手にしました。孫文という名前は良く聞くけど現実にどんな人だったのかに興味があったのですが、途中からは走り読みになってしまいました。
    どうも主人公の梅谷庄吉に魅力がないのです。日活の前身を立ち上げ、孫文に対しては1兆円とも言われる支援を行い、孫文没後、意気消沈した庄吉の為に衆議院議員、華族、社員など大勢が激励会を開いてくれる。そういうエピソードからは商売人としてやり手であるとともに、義侠心が強く、人望が厚かったと思われるのですが、そこらがうまく描かれていません。ただただ、文中で奥さんに評さ

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    2023年06月08日
  • 見果てぬ王道

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    歴史を知る小説としては面白かった。梅屋庄吉が孫文の革命への情熱に感化され金銭面で支援するのだがあまりに無頓着で無鉄砲。トクさんや登米さんらの日陰の苦労と比べてしまい庄吉が劣って見えた。

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    2023年02月02日