川越宗一のレビュー一覧

  • 福音列車

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    時代は西南戦争~インド独立まで。五短編。個人的には「黒い旗のもとに」がお気に入り。馬賊に魅了される病に冒されているらしい。どの短編も地味だが根は力強い。但しタイトルは「福音列車」と云うより「苦役列車」が相応しい。嗚呼、でもこのタイトルじゃあ西村賢太が芥川賞を受賞してしまったか。「熱源」以来2冊目だが人間の力強さと潔さに充ちていて読んでいて不満はなかった。

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    2024年11月04日
  • 熱源

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    2019(下)直木賞受賞作。樺太アイヌを軸にした歴史小説。小生の父方は、明治入植の屯田兵で、樺太にも住んだそうで、懐かしみを持って読み切りました。あと、大戦末期に本土決戦があったのは、ここ樺太と沖縄だけだそうです。

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    2024年08月16日
  • 海神の子

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    川越宗一『海神の子』文春文庫。

    以前読んだ『熱源』が非常に面白かったので期待は大きい。

    本作も『熱源』のような熱量を感じる歴史小説であったが、面白さという点では『熱源』の方が一枚上であった。

    本作は、後に台湾の英雄となり、江戸の人々を熱狂させた舞台『国姓爺合戦』の主人公のモデルとなった鄭成功の半生を描き出した歴史小説である。

    中国の海賊と日本人の間に生まれ、弟と共に平戸に預けられていた福松のもとに母親の松が迎えに来る。松は台湾を根城にする大海賊の頭となっていたのだ。

    福松は中国に渡り、鄭成功となると、割拠する海寇たちや東インド会社を下して力を付け、ついには大明国から城と将軍職を与えら

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    2024年07月23日
  • 熱源

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    樺太アイヌの話。
    日本とロシアにはさまれ、未開人と見下され、戦争に翻弄される辛酸の日々を描くストーリーながら、誇りやアイデンティティを失わない生き方には考えさせられる所が大だった。
    ──命、家族、故郷
    自然と限りなく調和した文明だからこその、地球オリジンな熱源を感じとれる。淡々とした語り口もそれを引き立てる。とても好きな話だった。

    余談だけど『ゴールデンカムイ』も節目的な役割を果たしたよね。私の熱源はそこから。樺太アイヌの一部が北海道に移住した、なんてことすら知らなかったけど。より深く知れて良かった。そのなかに中村チヨさんもいらっしゃる。本作でも知里幸恵さんが登場し、リアリティを出している。

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    2024年07月13日
  • 熱源

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    初めて読んだ歴史小説でした。ポーランド人がロシア民に先住民アイヌが日本臣民に組み敷かれる。両者とも差別され独自の文化さえも戦争と差別で奪われていく。史実も伴っていて戦争の悲惨さや人の醜い支配欲が多々、描写されるが先住民アイヌのその土地で根付いた文化と美しい自然が
    描かれており良かったし勉強にもなりました。

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    2024年07月08日
  • 熱源

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    第162回直木賞

    明治初期から終戦まで、極寒の地での壮大な歴史冒険小説。
    樺太に暮らす少数民族のアイヌをはじめ、オロッコ、ニヴフが帝国に故郷と文化を奪われ同化を余儀なくされていく過程は興味深く、またなん度もやるせない気持ちになりました。
    故郷を奪われたアイヌとポーランド人が出会うという設定は面白いし、未知のアイヌの文化を知れることもこの小説の魅力です。
    歴史の中で多くあることですが、先進国が先住民を未開人として蔑み、啓蒙という名の支配をすることには強い憤りを感じます。
    しかしそんな少数民族に寄り添う民俗学者のブロニスワフがアイヌのための識字教室を開く際の押し問答できっぱりと言った一言、
    「劣

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    2024年06月15日
  • 見果てぬ王道

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    どう切り取っても思想、政治がが含まれてくる難しいテーマの中で、孫文を陰に日向に支え続けた日本人から語るというのは絶妙な距離感だし、もうそれだけでドラマ生まれてるすな。

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    2024年04月24日
  • 熱源

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    壮大なストーリー、見慣れない名前の登場人物など読む前には多少ビビった。読み始めるとページがどんどん進む。アイヌのこと、もっともっと知りたくなった。

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    2024年04月04日
  • 熱源

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     明治維新から、日露戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦までの歴史を、樺太とポーランドを主な舞台として読み直すことができた。アイヌについて、これから色々読むきっかけにしたい。

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    2024年03月24日
  • 熱源

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    戦争や侵略によって脅かされるアイデンティティ。
    物語の登場人物は、これをもう一度掴み取るため必死に足掻き続ける。その首尾一貫した生き様が非常に熱かった。
    己の信念に真っ直ぐに従って、華々しく生を全うしている姿が輝かしくて羨ましく、自分も少しでもそうありたいと思った。
    タイトル通り大変熱い物語だった。

    この小説がキッカケでタイトル名しか知らなかったゴールデンカムイも読んでみたが、こちらもなかなか面白い。アイヌ熱い。
    まだまだ序盤だけどアシリパのキャラや表情にツボった。

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    2024年03月05日
  • 熱源

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    樺太(サハリン)が舞台。

    虐げられるアイヌを中心として、登場人物各々が、熱い思いを持ち生き続けている。
    熱量が、最後まで衰えることはない。

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    2024年03月02日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    古河公方 足利家と、忍び さくら一族を描いた歴史小説 アンソロジー、連作短編集

    史実の裏側では、こういった暗躍もあったかも知れない。時代に想いを馳せました。
    巻末の系図が有難いです。

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    2024年02月18日
  • 福音列車

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    川越さんらしい面白い作品でした。
    短編ながらもそれぞれ歴史に翻弄されながらも逞しく生き切るという人々が美しく描かれていました。
    本流でない歴史に暗かったので、
    教科書で学ばない歴史背景を学び、今回も感嘆しました。また今後の作品も楽しみにしています。

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    2024年02月03日
  • 福音列車

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    常に世界の何処かで勃発する戦争。戦闘をせずに人間の業が満たされることは無いのか。5つの物語の登場人物は、みな戦争を望まない人たちだ。史実を知る反面、胸が裂ける。

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    2024年01月01日
  • パシヨン

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    人間は幻想を持たないと生きていけないが、それがキリスト教なのは、この時代この地では体制にとって不都合だった。
    これこそが全ての悲劇の原因だった。

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    2023年12月21日
  • 天地に燦たり

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    章立てがコンパクトであり、小さな話のまとまりで読み切りやすい。これは現代的な読み手への工夫か。ややあらすじの先を読みやすい印象

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    2023年11月12日
  • パシヨン

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    ネタバレ

     「熱源」も「天地に燦たり」も、抗えない歴史のうねりでもがきながらも自らの運命を切り開こうとする。
     しかし、歴史の流れには抗えない。
     本書「パシヨン」の構造も同じだ。

     戦国時代が終わり、徳川の治世で世の中には平和が訪れていた。
     しかし、戦国の敗者はまだ恨みを引きずっていた。
     関ケ原西軍の敗将、小西行長には対馬藩主に嫁いだ娘がいたが、子を成した後の関ケ原の敗戦により母子ともども追放されていた。
     行長の孫、小西彦七は旧小西家家臣からは、いつか殿に返り咲くことを期待されながら、本人にはその気は全くなかった。
     
     戦国時代には日本各地にいたキリシダン大名のもとで広がったキリスト教だった

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    2023年11月05日
  • パシヨン

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    「熱源」で、直木賞を受賞した川越宗一さんの歴史小説です。
    何が人々を島原の乱へと駆り立てたのか。
    キリシタン大名小西行長の孫であり、禁教下最後の日本人司祭となる小西彦七(マンショ小西)の生涯を辿りながら物語は進んでゆきます。
    限られた歴史の記録の行間をドラマチックに埋めるのがとても上手な作家さんだと思います。
    こんな展開、まずなかっただろうな…。と思いながらも、もしかしたらと、歴史ロマンに浸れる1冊です。

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    2023年10月14日
  • パシヨン

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    江戸時代のキリスト教徒の話は、遠藤周作さんの沈黙で初めて読みました。いつも、人の残酷さに悲しく辛い思いがします。

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    2023年07月19日
  • 見果てぬ王道

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    孫文を金銭的に支えた梅屋庄吉の一代記。孫文関係でなんとなく知っていたがこんなに面白い人物だったとは驚いた。特に孫文と出会うまでの破天荒ぶりに呆れるとともに、養父母の深い愛と理解にも感服。
    裏話的な歴史も楽しめた。日活の創始者だった事も知らなかったが、南極探検に出資するなどいろんなエピソード満載の人生だ。

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    2023年06月11日