川越宗一のレビュー一覧

  • 熱源
    文明に呑み込まれる種族はどう生きるべきなのか。
    抗えないからこそ、やるべきことを考える。
    ヤヨマネクフとシシラトカは南極を目指し、種族として名を残そうとした。又、どこの領地でもない土地に想いを馳せずにはいられなかったのではないか。
  • 熱源
    ウクライナ侵攻やパレスチナ紛争が起きている今、いろいろと考えさせられた。
    国を持たない人たちの心情は、想像はできても、理解しているとはおこがましくて言えない。
    ゴールデンカムイの時代背景もこんな感じだったのか、と思った。
  • 熱源
    サハリンアイヌの話である、ということは事前情報で知っていたのですが、第一章の舞台が石狩川流域の対雁(ついしかり)だったことで、ぐっと話が身近になりました。
    というのも、対雁は現在江別市にあるわけですが、江別市というのは小学校低学年から結婚するまで私が住んでいた場所なのです。
    そして、樺太に住んでいた...続きを読む
  • 熱源
    【私、私たちを生かせるもの】
    国家制度の中で、多くの民族は消えていく。引き裂かれ、同化され、あるときは誇りを失い、あるときは抵抗し、そんなプロセスが今も続いている。

    この本は、樺太を中心とした人々の生き様が書かれている。

    先日、ミャンマーの今、についての講演を聴いた。
    「不当な命令と権力に対して...続きを読む
  • 熱源
    樺太半島。日本の地図にはないその地の歴史について、ほぼ知らなかった。そこに、日本人が、ロシア人が手をつけ、現地に住んでいた様々な人々が翻弄された歴史を。現地人も、日本で教育を受けたり、ロシア人と仲良くなったりしながら暮らしていたので、日露戦争でとても戸惑ったということを。
    どうして日露戦争がおきてし...続きを読む
  • 熱源
    樺太を故郷と思うアイヌや流刑された政治犯など、様々な人々の群像劇

    1880年ぐらいから第二次世界大戦までの史実を元にしたフィクション
    だけど、実際にこうだったのではと思わされるリアリティを感じる

    以下、公式のあらすじ
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    樺太(サハリン)で生まれたアイヌ...続きを読む
  • パシヨン
    小西マンショの半生を描いた歴史小説。
    史実に基づいたネタをここ迄ドラマチックに書ける川越さんはやっぱり凄いです。昭和の大作家,吉村昭先生を彷彿させる1人ではないでしょうか。
    読み応えのある1冊でした!
  • パシヨン
    天正遣欧少年使節の深堀りを忘れていたことを思い出させてくれた。小西マンショについては深堀れなさそう…?
  • 熱源
    似たようなテーマでアイヌ民族を扱った小説で船戸与一の『蝦夷地別件』があるがこちらのほうがはるかに読みやすかった。
  • パシヨン
    壮大!!

    宗教がらみなため難しそうですが映像化して欲しいと思った作品。

    江戸時代初期、取り締まりが厳しくなっていくキリスト教。信徒であり司祭を志す彦七の物語。

    幕府側の人間である政重もまた、得てきたものを次々と失っていく人生だったわけですが、ラストで2人が対峙したときのやり取りは、なんだか身に...続きを読む
  • 熱源
    樺太で生まれた樺太アイヌのヤヨマネクフの物語。
    作者は北海道白老町のアイヌ民族博物館でポーランド人の民俗学者ブロニスワフ・ピウスツキの銅像に出会い、アイヌを研究しアイヌの妻を娶った彼への興味からこの物語が生まれたという。、
    ロシアと日本の戦争で翻弄された樺太アイヌのヤノマネクフが「アイヌの地位向上の...続きを読む
  • 熱源
    久しぶりに読んだ骨太作品。
    アイヌの人々の生きる様を描いた物語ですが、この本に出会った事で、人生の幅が広くなった思いです。
    読まなければ絶対に知り得なかった事が、たまたま読んだ事で深く心に宿る。

    キサラスイが琴を弾き始めた時に、樺太の情景が描きだされた表現。本当に胸に迫りました。
  • パシヨン
    小西行長の孫、彦七と、徳川家家臣、井上政重。立場が異なるこの二人が何処で出逢うのか…歴史上、日が当たらぬ人を生き生きと描く筆力は秀逸。彦七の『赦す』のひと言が尊く響いた。
  • パシヨン
    すごいね

    王道、オーソドックスな内容と思うが、
    読み応えあり

    終わったあと、
    人の一生とは!?

    と考えてしまう

    最初の頃の青春時代を思い出すと
    泣けてきちゃうよ

    なんか歴史小説に甘いんですけど、
    オススメ★5作品入りです
  • 熱源
    すごかった、熱い熱い熱があった。
    滅びゆく人種とされた人たちの、生きる熱があった。
    「ただ人がいるだけでした」
    今まだ戦争が止まない世界で、それでもこうして忘れていない限り誰も何も滅びたりなんかしない、強くて熱い。
    余韻がずっと冷めない。
  • 熱源
    自分は、アイヌについてほとんど何も知らなかったということがわかった。時代の波に流されながらも、アイヌの人や博士など主要人物が、自分は何者であるのかを問いながら熱を帯びて生きていく姿がかっこよかった。
  • 熱源
    前半は複数の物語が並行して進むので、やや散漫な感じがしたけど、後半ですべてが絡み合ってくるとどんどん加速して読めた。時代の空気を映すためもあってか、歴史上の有名人がこれでもかというほど登場するのには驚いたが、そのお陰で親近感もわくし、読者である私たちも作中の登場人物たちと地続きの歴史の線上にいるのだ...続きを読む
  • パシヨン
    大絶賛します。こんな素晴らしい小説が読めて幸せ。

    川越宗一さんの時代小説は、史実を基礎にしながらも大胆な解釈をほどこし、今を生きる私のこころにググッと突き刺さってくる。
  • パシヨン
     直木賞作家・川越宗一氏によるキリシタンを題材にした最新作です。
     キリシタン大名の小西行長の孫、小西マンショが主人公です。難しいことは考えない熱血タイプの少年漫画的な性格。地の文は硬いけど、彼のセリフは現代風で、読者を置いていかない工夫がなされていると思います。
     主人公は実在するけれど幼少以降の...続きを読む
  • 熱源
    いやぁタイトル通り熱かった!
    アイヌの方々を取り巻く環境のとめどない変化の中で、それに関わる登場人物それぞれの生き様がイキイキと描かれていました✨
    ゴールデンカムイも面白かったですが、樺太の位置付けや全体像を含めより具体的でより理解できました
    アイヌの歴史も含めて史実を調べようと思いました