松原始のレビュー一覧
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物理学であれば、E=mc²なんて公式が「この世の真実」みたいな感じでカガクっぽい。
生物学は、多数の個体が長年かけて進化した結果であり、単純化した式で示すのは非常に難しい。
生物のやることには例外が多い。
つまり、変数が無限にあるようなものを、単純化した数式で決定することはできない。
生物学の法則性は「わたしは、こう思う」という仮説にすぎない。
「そうではない」と明確に言える反証が現れない限り「相当に確からしい」となるだけだ。
ただし、反証できない仮説には検証もできないものもあり、反証可能性がないものは基本的に科学ではない。
「おしっこする時、イヌが片足を上げるのはなぜ?」
「キリンの首 -
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シマエナガ、かわいい(*´ω`*)←とか言ってるわたしにツッコミ入れてくれる内容で、とっても面白かった
カラスを専門に研究されている方の書籍で、
動物は見た目が100%
とか
ペンギンの目って、実は鋭くて
リヴァイ兵士長のように決して近づきやすいとは言えない(リヴァイ兵士長は好きなキャラクターです♡)
とか
結婚というシステムは人間のなかでのことで、動物たちにはあまり重要でないとか
へぇ~って思うと同時にアライグマのお話ははげしく同意!!
子どものころ
何気なく調べたときのアライグマをき、汚い。と思ったんですよねぇ~
ラスカルでも獰猛さは描かかれていて、ショックでした
とにかく
言葉選 -
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著者の松原さんのカラスを中心としたフィールドワークから始まり、ミズナギドリの首根っこを掴みまくったり、ウミガメと握手しながら磯臭い息を吹きかけられ続けたりします。
今回もユーモア溢れる文章で、読んでいてこんな大学生時代を送りたかったなぁとしみじみと思いました。
あ、と言ってもウミガメの磯臭い息を嗅ぎたい訳ではなくて(^^;;
じっと待ち続けるのは大変そうですが、みんなでチームを組んで生き物を観測する様子がとても楽しそうに感じました。
タイトルに「大ぼうけん」とあるようにフィールドワークに留まらず、新宿や池袋という名のダンジョンを彷徨い歩いたり、ドバイやウィーン、ブダペストでの珍道中…じゃな -
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鳥のすごさと人間側の飛翔への憧れをマニアックに描く、
知識の楽しさ全開の、松原ワールド。もちろんカラスも。
・はじめに
PART1 鳥×テクノロジー こんなところに鳥と工学
PART2 鳥×メカニズム 鳥の体と行動学
PART3 鳥×ビヘイビア 鳥は何を考える
[巻末企画I]鳥マニア的BOOK&FILMガイド
[巻末企画II]鳥マニア的「この人に会いたい!」
スペシャルインタビュー 松本零士
零時社訪問記
・おわりに
参考文献/ネタ一覧有り。
飛行に特化した鳥の身体の構造VSヒコーキ。
直立二足歩行のヒトと鳥との進化の違い。
鳥の生活を支える驚異の羽毛。
500系新幹線に鳥由来の技術 -
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ネタバレカラスの登場今回は少なめ。スズメやツバメ、チョウゲンボウ、ウグイス、ホトトギスなど、鳥たちのさまざまなトリビア。唸るようなものもある。
たとえばウグイス。ウグイスは「鶯色」をしていない。「鶯色」はむしろメジロの色。「梅に鶯」とは言うが、ウグイスが梅に来ることはない。メジロは来る。ひょっとして入れ替わった? 江戸時代ウグイスを飼って美声で歌わせるのが流行したが、その一因は「すり餌」の発明。これによって幼い時から飼育できるようになった、とか。
たとえばスズメ。穀物を食べるだけでなく、害虫も食べる。人間中心の益鳥vs.害鳥の二分法がいかに短絡的か。スズメは粒の小さな雑穀を好む。現代の米粒は大型化して -
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まえがきには「看板に偽りあり」とある。羊頭狗肉の書名は出版社の常套作戦。カラスの頭で買わせたかったらしい。カラスの味見のエピソードは、マンボウやマムシを食べる話のなかに登場する。
学生・大学院生時代(~36歳)のフィールドワークのドタバタ劇が中心。カラスだけでなく、ミズナギドリやハチドリ、さらにはウミガメやニホンザルの調査の話も出てくる。ブダペストのカラスの話もある。どれもみなおもしろい。
冒頭は「カラスは女子供をバカにするか」を検証する卒業研究の話。実験を軌道にのせるべく試行錯誤を重ねるそのプロセスが読みどころ。卒研は、論文にならなくとも、その過程でたくさんのことが学べるのだ。 -
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見た目や先入観で判断してはいけない。
動物行動学からの観察では、姿だって行動だって、
生物たちの生き残るための子孫を残すための理由がある。
・はじめに
PART1 見た目の誤解 PART2 性格の誤解 PART3 生き方の誤解
・おわりに
暴走する「カワイイ」と映画「ジョーズ」の影響。
「美しさ」はメスへのアピール。キモい姿の理由。
生き残るための知能はヒトとは異なる。
動物は「やさしく」なれない。でも仲間には?
動かない生き方と動く生き方。
強いと弱いは誰が相手にすればで変わる。恐いのは環境の変化。
ヒトという種の生き方と動物たちの生き方の違い。
群れると群れないの事情。つがいになっても関 -
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都会にいるカラスではなく「野生」のカラスと言われてハッとした。都会で残飯を漁ったり、ゴミを散らかすのがカラスと思い込んでいたのではないか。
ハシブトガラスはもともと森林に住んでいたという。松原先生は、相棒?の森下先生と共に、どういう場所にどれだけの生息数があり、何を餌としているのかなど、調査を開始した。
ところがこれがなかなか難しい。広い森林の中にいるカラスをどうやって把握するのか、そもそもこの森に住んでいるのか、確かめるだけでも困難だった・・・。
これは調査のレポートであるとともに、カラスを見るためにあちこちを旅してしまう様子を描いたお話。
内容は読みやすく、学術的であり面白いのだが、会話 -
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カラス学者でお馴染み、松原先生が野鳥についても語り尽くすエッセイ。とは言っても出だしはやはりカラスからだ。この本を読んで、身近なカラスを識別することにハマってしまった。車を運転中、目の前でクルミを落下させて割らせようとするカラスを見かけ、「(ハシ)ボソめ…」と思わず独り言を呟いてしまった。一部のハシボソガラスが行う行動文化らしい。
スズメ、ツバメは言わずもがな、サギ、ハクセキレイ、カモ類ももはや身近な野鳥だ。殊更よく見かける鳥の項は食いついて読み込んでしまう。カラスだけでなく、随所で他分野にも精通されている先生の知識に舌を巻いた。
『巣を前にして思うこと』という一節がある。
以下本文より抜粋す -
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「なんだ、カラスか」と侮蔑してしまった経験がある。身近な鳥である為、有り難みがないというかいつでも会えるイメージがある鳥、カラス。この本はカラスを愛してやまない筆者が、カラスだけを語りたい気持ちをグッと抑え(ているような気がする)、生きもの多方面にアンテナを伸ばして語ったエッセイと言えよう。
読み終わると、電線に留まったカラスに会いたくなる不思議な本だと思う。この本の構成が『カラスでないもの』にもしっかり比重をとっているにもかかわらず、かえって先生のカラス愛が際立つというか。終始楽しく読んでいくことができた。
カラスに限らず、野生動物に対して「わかりあう」のは難しい。「渡り合う」という事がお互 -
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動物好きにはたまらなく、面白い。中のイラストもすごく上手。(木原未沙紀さん)
長ったらしく、キャッチーなタイトルだが、著者はカラスを専門に研究されている動物行動学者の松原さん。
従ってカラスを筆頭に鳥に関する話題が多いが、昆虫から爬虫類、魚類、哺乳類まで、知らなかったことが面白おかしく書かれてある。
そしてこのタイトルにある形容は、全て人間が主に見た目で判断しているもので、決してそう簡単に割りきれるものではないことを言いたいがためのタイトルだと理解した。
人間以外の動物は、本能と進化の中で生存に必要な機能が備わったものが生き延びてきたものなので、彼らの行動は全て何らかの意味付けがあるのだろ -
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カラス研究者と野鳥写真家がタッグを組んだ、
カラスガイドブック第二弾。
カラー写真たっぷりで、カラスの世界へと誘ってくれる。
Part.1 にっぽんのカラス(予習・復習の章)
Part.2 にっぽんカラス双六(実践・実戯の章)
Part.3 にっぽんカラス百態(鑑賞・発見の章)
カラー写真多数。カラス研究者や写真担当の話、有り。
主要参考文献有り。
巧妙な文章と素晴らしい写真で知る、カラスの日常の本。
双六形式のカラスの一生が、分かり易くて良いアイデアです。
加えて、掲載の写真に関する宮本氏の話と、
松原氏のこの写真のココがツボ!が、大いに参考になりました。
どちらもカラス観察の蘊蓄が詰まっ -
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カラス愛の詰まった、カラスのあらゆることを教えてくれる本。
巻頭スペシャル 日本で会える!(かもしれない)カラスたち
PART1 カラススタイル
PART2 カラスの復習
PART3 カラスライフ
PART4 カラスの研究
カラスファンクラブな本やグッズの紹介、
コラム、インタビュー、コメント等、カラス関連が満載。
入門書的な『カラスの教科書』に対して、こちらはカラスの参考書。
教科書を補足する知識が更に整理されて詰まっていて、
カラスへの興味を誘ってくれます。札幌のカラスの話も良かった。
スーパービジュアル版のとおり、カラスのカラー写真がたっぷりで、
幼鳥の口の中の赤い色まで、はっきり写って