松原始のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
カラスについて、日頃の様子や生涯などを記した1冊。専門用語や概念などが用いられることがなく、平易な言葉で書かれているので理解はしやすいが、言葉遣いがフランクすぎて馴れ馴れしくも感じる(おそらくはハードルを下げて親しみやすさを演出したいのだろうとは思われるが……)。また、内容についても、「〜というカラスもいる、〜というケースも(ある)」などと曖昧なことが多く、「結局どっちなんだ」と少し苛立ちを覚える側面もあった。生物であり個体差があるため多少は仕方ないとは思うのだが……当方がカラス好きで日頃から何とはなくリサーチをしているせいなのかもしれないが、あまり目に見えて新しい内容もなく少し残念に感じる。カラスを怖がっている人にはいいかもしれない。
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Posted by ブクログ
カラスの本でおなじみの松原先生の動物行動学についての本!
簡単に断言しないところがすごく研究者が書いた本だな~と感じました。
生物の話だけではなく、大きく科学とはなんなのか?について結構なページを割いて書かれてあり、興味深いなと思った。科学のポイントは「みんなが確認できる」、つまり再現性があることが重要である。(でもこのポイントは、動物という生き物についての話となると地域差、個体差が大きく、科学するのが非常に難しいだろうな、とも思った。そして実際ややこしい。)
科学では「確からしい」ことがわかるだけで、真理がわかるわけではない。常にデタラメ真理の間で、できるだけ真理ににじりよる行為が科学なのだと思う。
「利己的な遺伝子」という考え方は私はとても気に入っている。
プライドのリーダーが変わるときにライオンのオスはその集団の子供を全て殺すことも、自分は子供がなくとも家族や血縁者の子育てを手伝う個体がいることも、「本人がどう考えていようが、何も考えてなかろうが、自動的にそうなる」だけだと。
(算数の知識を使い、包括的適応度概念で見ると本人の兄弟姉妹は自分の子供と同じ1/2、孫は甥・姪と同じ1/4の血縁度を持つ存在であること、というのも面白かった!)
動物の行動に人間の「教訓」を押し付けるのが嫌いなので、この本のように徹底的に事実のみを述べる、というスタンスがよかった。 -
Posted by ブクログ
動物行動学についてとその歴史、先駆者たちについての説明と、
科学とは何ぞや、理科とはどう違うのか?にも話が至る、
楽しく面白い松原解説、大全開!もちろんカラスも。
・はじめに
1章 人間は、説明したがる生き物である 2章 科学とは何か
3章 原始、人は観察者であった 4章 動物行動学という学問
5章 動物行動学の始祖たち 6章 行動学の三博士
7章 生き残ることを認めない――繁殖の戦略
8章 食うほうも食われるほうも大変だ――捕食の戦略
9章 動くヤツらと動かないヤツら――移動の戦略
10章 科学の作法をすこし 11章 はみだしものたちの生物学
12章 客観性とか再現性とかいうもの
終章 今日からあなたも観察者
・「おわりに」に代えて――おすすめブックガイド
理科と科学の違い。では科学とは何ぞや?で始まる
動物行動学の楽しい入門であり、易しく教える講義でもある。
遥か昔からヒトは動物を観察していた。それを
イソップは説話、シートンは動物文学で描いている。
だがファーブルは観察だけではなく、実験と考察での科学。
博物学の時代の生物の研究は、分類学と解剖学。
ハミルトンとドーキンスの遺伝子と行動研究。
そしてローレンス、ティンバーゲン、フォン・フリッシュの
研究が動物行動学を築いた。一緒にノーベル賞受賞だし。
動物行動学分かってきたのは、多彩多様な行動の繁殖戦略。
食べるためと食べられないための戦略。食われる前提もある。
動くか、植物のように動かないか。渡るか、渡らないかの戦略。
更にグールドとドーキンスの対比もあるし、
鈴木俊貴氏のシジュウカラの文法や実は動けるカメフジツボ、
キリンはメスの方が首が長いなどの最新の研究もある。
ベニクラゲの一生は自分としては衝撃!それって不死じゃん。
ともあれ、人間も含めて生物は多種多様。
生息地や環境の変化もあるから行動も多種多様。
だから観察して研究して考察した動物行動学は面白い。
だから、つい読んでしまうんだなぁ~。
松原先生、次はハシブトガラスの言葉の話の本を希望します。 -
Posted by ブクログ
「動物行動学」とは何かを分かりやすく説明。
最後まで面白く読むことができた。
理科と科学の違い、原始、ヒトは誰もが観察者で
あったから始まり、「繁殖」「補食」「移動」という
テーマごとに説き、その中でシートンとファーブルの違いや(シートンは自然観察記録ではなく小説の
一種、ファーブルは科学者)オッカムの剃刀とヒッカムの格言など、全く知らなかった言葉なども知ることができて、とても勉強になった。
もし、松原始先生がテレビに出演されたら、
テレビの前で釘付けになりそう。
動物行動学を築いた3人のうちの一人、コンラート・ローレンツの『ソロモンの指輪』をぜひ読んで
みたい。 -
Posted by ブクログ
ハシブトとハシボソがいるのは知っていたけど、そこそこの都会のそこらへんで見かけるのはハシボソだと思い込んでました。
この本を読んでから駅前で観察してみたら、ハシブトの特徴ありまくり。なんでハシボソだと思い込んでたんだろう…。
すごろくでカラスライフ追体験(?)ができますが、結構ふりだしに戻らされるようになってて、でも実際のサバイバル具合を知ったらそれも納得。
ドバトよりも絶対可愛いと思っていたカラスがより愛おしくなりました。
「異世界転生したらなぜかカラスだったんだけど『にっぽんカラス遊戯』を読んでたから余裕で無双できる自分に死角はない」には爆笑したけど、余裕で無双っていうのはやっぱり無理でしょうね…カラス、生きろ! -
Posted by ブクログ
カラス研究の第一人者である著者の、いきもの体験エッセイ。
双眼鏡事始め 振り返れば奴がいる 仄暗い水の底から
裏山探検 夜間飛行 台風の夜 空飛ぶものへの憧憬
悪ガキの足もと ムシムシ大行進
あとがきにそえて 我が故郷は緑なりき
カラス先生の日常(マンガ)①~⑩
著者によるモノクロのイラストも多数。
カラス大好き動物行動学者の、幼少期から身近に存在していた、
多くのいきものとの出会いと体験を綴った、エッセイ集です。
カラス探索や研究の合間に甦る、豊かな自然の中で培われた体験。
双眼鏡で始まり、図鑑、釣り、探検、生物部、台風、凧、
飛行機、ビーチサンダル、虫取り・・・それらは著者の原点。
経験は身体に、記憶に蓄積され、将来に多大な影響を与えている
ことがわかります。小中高と動物好きで、大学で生物学だもの。
しかし、ただの思い出語りではあらず。
宅地化や水路の整備等で、かつての風景が失われてきたことの、
憤りも感じます。だからこその、いきもの体験エッセイなのかも。