あらすじ
ここに行けば、どんなカラスに会えるだろう──カラスの生態を専門とする動物行動学者・松原始先生は世界地図を見ながら日々考える。そんな松原先生がカラスを追いかけ、日本を、そして世界を旅した距離はゆうに五万㎞超。調査で奥秩父や屋久島を駆け回り、冬の知床では雪の原野に身を隠すため頭から白いテーブルクロスを被る。音楽の街ウィーンでもマレーシアのジャングルでも、とにかくここのカラスが見たい! と探し歩く。カラスとカラス屋、どちらの生態も興味深い「カラス旅」エッセイ!
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Posted by ブクログ
都会にいるカラスではなく「野生」のカラスと言われてハッとした。都会で残飯を漁ったり、ゴミを散らかすのがカラスと思い込んでいたのではないか。
ハシブトガラスはもともと森林に住んでいたという。松原先生は、相棒?の森下先生と共に、どういう場所にどれだけの生息数があり、何を餌としているのかなど、調査を開始した。
ところがこれがなかなか難しい。広い森林の中にいるカラスをどうやって把握するのか、そもそもこの森に住んでいるのか、確かめるだけでも困難だった・・・。
これは調査のレポートであるとともに、カラスを見るためにあちこちを旅してしまう様子を描いたお話。
内容は読みやすく、学術的であり面白いのだが、会話のドキュメントは私のユーモアのセンスと合わなかったな〜。
「学会」という場所が、研究者だけでなく、誰でも参加できる場所というのも、知ってはいたが、こうしてレポートしてもらうと雰囲気がよくわかった。松原先生が「見逃したくない」と言った川上和人さんの芸人?並の発表を、私も見たくなってしまった。
ブタベストやマレーシアなどのレポートは、実践旅行ガイドにもなるくらい実用的。ただし、カラスを見ることのみに特化した旅行だけど。
南米にはカラスがいないそうだ。だから、南米には行かないと(笑)